投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の10月5日〜10月9日の動きを振り返りつつ、10月13日〜10月16日の相場見通しを解説する。

 * * *
 先週の日経平均は上昇。9月末からリバウンド基調が強まり、7日まで6営業日続伸。8日は利益確定の流れが優勢だったが、翌9日は下落部分を吸収し、週間の高値で取引を終えた。週明けの日経平均は280円高で18000円を回復。米国では年内利上げ観測が後退したほか、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉で大筋合意に達する見通しと報じられたことが材料視された。

 翌日にはTPP交渉の大筋合意発表を受けて18300円を回復している。6、7日の日銀による金融政策決定会合では、「金融政策の現状維持」を決定。これを受けて先物市場では一時17990円と18000円を割り込む局面もみられた。しかし、10月末での追加緩和期待は根強く、その後は理想的な切り返しをみせている。

 一方で気掛かりな点がファーストリテ<9983>をはじめとする小売株などインバウンド関連の動向。中国の国慶節からの大型連休明け後の動向が予想外の鈍い動きだったこともあり、関連銘柄への利益確定に向かわせた。さらに週末にはファーストリテが発表した決算が、計画に届かなかったほか、2016年8月期計画についてもコンセンサスを下回ると、これによりリターン・リバーサルへの動きを印象づけるなか、鉄鋼や非鉄、鉱業といった資源・素材関連が買い戻されていた。

 ちょうどリターン・リバーサルの流れと、小売決算とが交じ合わさったことにより、物色の流れが強く表れたが、今週は米国で大手金融機関の決算が予定されている。業績に対する関心が高まるなか、インバウンドなどで業績好調を先取りしていた銘柄等へは、利益確定が意識されやすい。

 アルミ大手アルコアの決算については、予想に届かなかったことが嫌気され、時間外で弱い動きをみせていた。原油安やドル高の悪影響が続いたことに加えて、中国を中心とする新興国の景気減速の悪影響が4-6月期以上に大きくなった可能性などを指摘する声も聞かれる。リターン・リバーサルの流れから資源・素材株への物色が目立っていたが、米企業の決算を受けて、更に強まることになるかが注目されるところであろう。

 また、徐々に業績相場に移行するため、方向感は掴みづらくなる。しかし、これまで物色の中心がインバウンド(訪日外国人)関連などに集中していた。インバウンド関連への利益確定に対して、相対的に低迷していたセクターへのリターン・リバーサルが継続するようであれば、相場全体としてはじり高基調が続きやすい。その他、週末には大林組<1802>が2Q業績予想の上方修正を発表し、これが他の建設株等への物色に波及する局面がみられた。

 その他、今週は内閣改造が行われた。安倍晋三首相が打ち出した新「3本の矢」 GDP600兆円の目標に対して疑問の声も聞かれているが、建設等の上方修正の動きなどもあり、次第に期待感が高まる可能性がある。なにより来月には郵政グループ3社の上場が控えている。上場を成功させるためにも、政府・日銀に対する期待感などの思惑が、相場の先高感を後退させないとみておきたい。