ジュビロ磐田のFWジェイ【写真:Getty Images】

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ジェイが斬る!欧州サッカー

 現在ジュビロ磐田でゴールを量産するFWジェイ。プレミアリーグの経験が豊富な彼は、欧州最高峰のリーグをどう見ているのか? 現役のイングランド人選手が語る“プレミアトーク”を、どうぞお楽しみに!

「モウリーニョの言動はクラブにとって最悪」

――チェルシーは勝てない日々が続いている。降格圏内に近いが、どうしてだろう?

 僕は嬉しいよ(笑)。皆がチェルシーについて言っていることは正しい。たくさんの選手が様々な大会でプレーして、疲労している。アザールのようにね。彼らが戻ってからというもの、以前と同じコンディションではないようだ。

 選手たちは不平ばかりで、満足していない。モウリーニョはあの女性ドクターの判断に関しては彼自身が問題の原因となったにも関わらず、言い訳をしてレフリーを非難した。クラブにとっては最悪だ。そうした、悪いネガティブな雰囲気はピッチと結果に反映される。

――チームは監督の仕事について厳しすぎないか? モウリーニョが今年できていないことは何だろう?

 チェルシーが活躍しているチームと考えるならば、彼らには個性があるからだ。しかし、今現在彼らにはそれが欠けている。今彼らにある唯一の個性はジョン・テリーであり、彼も選手人生の終わりにきている。

 個々として技能があるコスタ、アザールという選手がいるが、テリーのような人材を欠いている。以前はカルヴァーリョ、マケレレそしてランパードのような選手がいた。チームはその個性を、何よりもアイデンティティを失くした。彼らは基本に立ち戻って結果を生み出し、再び一丸となって戦うことから始める必要がある。

「モウリーニョは選手に敬意を払うべき」

――選手たちはいつもモウリーニョのために全てを尽くすように感じているが、彼らは今年は無気力なのだろうか?

 正直に言って、彼らは監督に敵意を抱いているように見える。彼は選手たちに対して敬意を払っていないと思う。ある特定のやり方で話しをして、選手たちはそれを好んでいないように僕は考えている。

 時には、選手たちに手荒いやり方でやる気にさせることも必要だが、彼らを励ますことも必要だ。しかし、彼はそれをしていない。選手たちを叩きのめすことをしてはならない。彼らをどのように使うかを学ばなければならないはずだ。

 それだから、世界で最も有能な監督たちは成功している。トップチームでなくとも、ただ新しい選手を連れてくることは可能だ。しかし、クロップ、ベンゲルといった監督たちは、選手たちをどのように使うのかを知っている。彼らはただ外へ出て、6000万ユーロというお金を使わない。

 モウリーニョは、新たな選手を獲得する代わりに選手を指導する立場にいる監督だったとは思わない。

「ロジャース解任は正しい。だけど…」

――リバプールはブレンダン・ロジャースを解任した。彼は何かを残したのだろうか?

 彼を解任したのは正しい判断だと僕は思う。だけど、シーズンの初めにそれをするべきだった。彼に報酬を払って7試合後に解任することに、僕は理解を示せない。選手たちに2億ポンド以上も費やして、自分自身と選手たちに改善が見られないのであれば、それは都合が悪いはずだ。

 監督としての資質にも疑問を持たなければならない。そうしないのであれば、その人自身、クラブは何かがおかしいということになるだろう。5、6年間も選手たちに2億ポンド費やして何の結果も出せないということでは、リバプールに残ることは不可能だ。

――クリスタル・パレスは今季素晴らしい躍進を見せている。彼らについてはどう見ている?

 クリスタル・パレスは素晴らしい。アラン・パーデューは素晴らしい仕事をしたね。彼は数人良い選手を持っている。彼らはチェルシーとは対極のメンバーだ。彼らはまるでお互いのために戦っていて、一緒にフットボールをプレーしている親友同士のようだ。

 彼らは素晴らしいチームで、何人か素晴らしく技術に長けた個性的な選手がいる。ザハとボラシエは今シーズン良いスタートを切った。ヨアン・キャバイェは国際試合の経験もあり、世界の舞台でプレーした質の高い選手の一人だ。彼らは非常に良いチームに仕上がっている。

 ヨーロッパの舞台にまでたどり着けるかは僕には分からないが、リーグでトップ10には入ると思う。それは一つの達成であり、来年また一歩づつ実績を残していくことが彼らはできるだろう。

 今現在は、彼らは正しい道を進んでいる。勝つことが困難なチームにも勝っているしね。地元のスタジアムのファンは威圧的だけれど、チームは結果を出している。

「日本人はプレミアへの野心がある」

――日本には常にリーグ上位を支配する「偉大」なクラブというものがこれまで存在していない。これについてはどう思う?

 リーグが非常に混戦していると、中間に位置することは悪くないことだ。Jリーグがリーグ内に選手をもっと確保できれば、チームがより大きくなり、より多くの選手がそこでプレーをすることを望むようになるだろう。

 Jリーグの運営方法は好ましい。クラブの構成も非常に良い。イギリスまたはイタリアのクラブでトップリーグで負債を抱えていないところはあまり多くない。日本の構造は非常に良い。

 しかし、もちろん日本人選手は野心を持っている。彼らはテレビでプレミアリーグを見て、それが彼らの夢になっている。そうした野心をかなえたいと望む選手もいる。その場合、Jリーグに残留するように彼らに言うことはできないだろう。

 それと同時に、欧州でプレーをしている選手たちも最終的には戻ってくる。それは良いことだと僕は思う。自分たちに何が合うのかを理解して、彼らは戻ってくるのだから。

 偉大なリーグを作るには、高い報酬が必要だ。偉大な選手は巨額な報酬を望む。非常に分かりやすいことだ。

【編集部より】ジェイ選手はサッカーを通して恵まれない方々へのサポートを継続しています。本記事の原稿料は執筆者であるジェイ選手の意向により、ボランティア団体へ寄付致します。

プロフィール
ジェイ・ボスロイド
1982年、イングランド出身。アーセナルユースを経て、2000年にコベントリーでプロデビュー。以降、国内外のクラブを渡り歩き、今年よりジュビロ磐田に加入。2010年にはイングランド代表も経験。Jリーグでの登録名は「ジェイ」。
Twitter:@jaybothroyd

text by ジェイ・ボスロイド