どうしても泣き止まない時はどしたらいい?(shutterstock.com)

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 「泣く子と地頭には勝てぬ」。意味深長な諺だ。道理の通じない子どもや横暴な地頭と争っても勝ち目はない。お手上げだ!と。地頭はともかく、泣きじゃくる子は、確かに手に余る。

 では、赤ちゃんは、なぜ泣くのだろう? 何を求めて泣くのだろう?

 まず、泣く理由だが、なかなかの難問だ。赤ちゃんは、おっぱいが欲しいよ〜、お腹がすいたよ〜、オムツが濡れているよ〜、眠いのに眠れないよ〜、暑いよ〜、寒いよ〜、服がチクチクして気持ち悪いよ〜、などを訴えるが、何を伝えたいのか、まるで分からない時が多い。

 赤ちゃんは、自分が置かれている環境を敏感に察知しているので、何かを改善してほしくて泣いている。原因が掴めない赤ちゃんの泣きの代表は、たそがれ泣きと夜泣きだ。

赤ちゃんは、昼に泣き、たそがれに泣き、夜に泣き!お母さんも泣く!

 生後3〜4ヶ月頃から、夕方(たそがれ時)に急にぐずり出すと、泣き止まなくなる。たそがれ泣き(コリック)だ。原因は不明だが、日中の疲れが出たり、暗くなるのが不安になったり、だっこして欲しかったり、構ってほしかったり、お母さんのイライラが伝わったり、様々な原因が重なって起きる。

 一説では、赤ちゃんは、神経系がまだ未発達なことから、臓器が過剰反応し、たとえば、ミルクの消化不良が胃腸の不調を招いたりする。つまり、赤ちゃんは消化器官が未熟なので、お腹にガスがたまりやすくなり、その不快感から泣くのかもしれない。

 たそがれ泣きが始まると、20〜30分から数時間も泣き続ける時もある。泣き始めたら、スリングでだっこしたり、音の出るおもちゃやオルゴールであやしてみる。赤ちゃんのお腹が張っているなら、マッサージしたり、便秘を解消するために砂糖水を飲ませたりする。散歩に出たり、お風呂に入れて気分を切り替えるのもいいだろう。

 たそがれ泣きは、少しの物音で目を覚ますなど、敏感なタイプの赤ちゃんに多い。だが、生後3〜4ヶ月頃の赤ちゃんに特有の現象なので、お母さんは、あまり深刻に考えずに赤ちゃんにゆったりと接してほしい。個人差はあるが、生後6ヶ月頃には自然と収まっているだろう。

 原因が掴めない、もうひとつ泣きは、夜泣きだ。夜泣きは、生後6ヶ月頃から、夜寝ている時に突然思い出したように泣く。1〜2歳頃まで続く場合もあるが、夜泣きが始まる時期、続く期間、時間帯も赤ちゃんによってまちまち。あるアンケート調査では、お母さんのおよそ7割は、夜泣きに悩んだ経験があるが、夜泣きがほとんどない赤ちゃんもいる。
 夜泣きは、赤ちゃんの睡眠のリズムが未発達で、浅い眠りの最中に目が覚めてしまうのが主な原因だ。また、知能が発達したために、昼間のさまざまな経験が夢となり、夢を見ている時に夜泣きをする場合もある。眠りの途中で目が覚めたことに不機嫌になっているのかもしれない。夜泣きは、赤ちゃんの成長過程で表れる自然な生理現象なので、お母さんの接し方が原因ではない。

 夜泣きがひどい時は、軽くトントンたたいて「ここにいるのよ」と安心させる。抱っこして母乳を飲ませたり、乳首を口に含ませたりすれば落ち着く。静かな音楽を流したり、ベッドメリーを回したりすれば、赤ちゃんが我に返って泣き止むこともある。寝ぼけて泣いているなら、完全に起こしてから寝かしつけることも得策だ。

 朝早く起こしたり、昼寝のし過ぎに気をつけるなど、夜にぐっすり眠れる生活リズムを作ることが大切だ。お母さんひとりでケアするのはムリ。お父さんに協力してもらいながら、家事が後回しになっても仕方がないと割り切り、昼寝や休息を取ってストレスをためないようにしよう。

どうしても泣き止まない時はどうするか?

 新生児は、快と不快、安心と興奮という両極端の気分しか持っていない。赤ちゃんは、何かが不快だから泣く。何かは不安だから泣く。たそがれ泣きも、夜泣きも、時期が来ればいつの間にか治ってしまうものだ。

 万策尽きて、どうしても泣き止まない時は、どうするか? たとえば、赤ちゃんに大きな声をかけて、ちょっとビックリさせて、気持ちを切り替えさせる手もある。ものは試しにやってみよう。

 1歳頃になると、赤ちゃんの情緒も発達する。人見知り泣き、つられ泣き、お母さんの追いかけながら泣く後追い泣きも始まる。自分の要求が通らなかった時のかんしゃく泣き、うそ泣きなど、泣きのバリエーションがグンと増えてくる。

 このように、言葉を覚えるまでのおよそ1年間、赤ちゃんは、様々な工夫をしながら、自分の気持ちを周囲に伝えようと奮闘している。泣くのは、赤ちゃんの意思伝達の姿、最初の自己主張だ。泣く理由がどうしても分からなければ、「どうしたの?」と赤ちゃんに話しかけて、コミュニケーションをとるようにすれば、赤ちゃんはきった安心するだろう。
(文=編集部)