石田純一オフィシャルサイトより

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 先日、本サイトでは安保法制に反対しデモに参加した石田純一に対し、テレビ局やスポンサーから圧力があったことを記事化した。この記事は大きな反響を呼んだが、驚くべきは石田の勇気を称え、圧力に憤るコメントも多かった反面、逆に石田を誹謗し貶めるようなものも半数近くに及んだことだ。

「自業自得」「企業やテレビが政治色を嫌うのは当たり前」「反社会的なデモに加担したんだろ」「それくらいの覚悟をもてよ」「芸能人のくせに政治に首をつっこむからだ」...

 なぜ、時の政権の政策を批判したり、デモに参加するだけで、「自業自得」とか「覚悟をもて」とか言われなければならないのか。連中はこの国が言論の自由や集会・結社の保障された民主主義国家であることをすっかり忘れてしまっているらしい。それとも、日本を政権批判しただけで処分される、アベジョンウン様の支配する北朝鮮のごとき独裁国家にしたいのか----。

 しかも、勇気ある芸能人の足を引っ張ろうとしているのは、自民党仕込みのネトサポだけではない。ネトウヨ読者に尻尾をふる記事の多いことで有名な「J-CASTニュース」もさっそく石田にかみついた。10月9日の同サイトで「石田純一、番組やCMの降板なかった 安保反対スピーチの影響は出たのか」というタイトルで、あたかも石田の発言が狂言であるかのような記事を掲載したのだ。

 記事は、石田が「週刊新潮」の取材に「テレビ番組を3つキャンセルされ」「CMも1つなくなった」「スポンサー2、3社から、広告代理店を通じて厳重注意を受けた」と答えたことを記した上で、石田の発言に対し疑問を呈している。

 その上で、石田の所属事務所のスカイコーポレーションへの取材では、「番組やCM降板について、マネージャーが『そんなことはないですよ』」と否定したとして、マネージャーのコメントをこう記している。

「現場にはいませんでしたので、どのような発言を捉えて記事になったのかは分かりませんが、本人はたぶん、そうなるかもしれないというニュアンスで言ったのではないですか。番組やCMの出演については、何も変わっておらず、10月の出演が増えたのは、波がある中でたまたま多かっただけということです」

 この「J-CASTニュース」記事に勢いづいたのかネットではこんな書き込みが続いた。

「『やっぱり』という印象。やっぱりリテラの記事だけで噴き上がるのは迂闊なんだよ」
「ヤッパリ!石田純一の「デモ参加で番組降板発言」は石田とブサヨの狂言だった!」

 しかし、この記事は明らかに、石田を貶めるために恣意的にミスリード・誘導されたものだ。というのも、「週刊新潮」に掲載された石田のコメントには「CM降板」といった発言は一切ないからだ。石田の発言は"CM降板"ではなく正確に引用すれば「CMもひとつなくなった」。ようするにCMの予定がひとつなくなったといっているにすぎない。

「J-CAST」はマネージャーが「降板はない」「出演は変わらず」といったことをとらえて鬼の首をとったように「CM降板はなかった」といっているのだが、そんなものは当たり前の話で、デモを理由にすでに出演しているCMから降板させてしまったら、それ自体が騒動になって、その企業が世論の非難を浴びることになる。企業がわざわざそんなリスクを犯すはずはない。

 圧力はもっと巧妙に、裏でこっそり行われるものだ。実際、石田のマネージャーは「J-CASTニュース」ではっきりと"圧力"を認める発言をしている。

「CMは6社と契約しており、『今後は気を付けて下さい』と関係各社から言われました。安保法案には反対や賛成があり、企業の顔として、そういうお客さまの気持ちも汲んで下さいということです」

 いや、それだけではない。このマネージャーは「事務所からも、同様なことを本人に伝えました」と発言しており、実は事務所側も石田に対して政治的活動をするな、と圧力をかける側にいることを証言しているのだ。

 ところが、「J-CAST」はこれについてはまったくコメントせず、ひたすら「CM降板はなかった」というミスリード、誘導を行った。そしてそれにネット民が安易に飛びついたというわけだ。

 繰り返される歴史修正主義者たちの典型的な手口にはうんざりさせられるが、しかし、そんなことより心配なのは、石田純一の状況だ。今回の「J-CAST」の記事で明らかになったのは、想像以上に石田に圧力がかかっていたという事実だ。前述したように、味方であるはずの事務所側やマネージャーまでが逆に敵に回って、石田に圧力を加えている事実があるからだ。

 同記事では、石田の今後について、マネージャーがこんな発言もしている。

「言論の自由ですから、後は本人次第になります。今後のことについては答えていませんでしたが、気を付けて目立つことはしないように考えると思っています」

 このセリフはもうすでに、石田にこれからは政治的発言をしないよう、言い含めたというように聞こえる。石田純一は大丈夫なのか。これからも勇気ある発言を継続してくれるのか。非常に気になるところだ。
(伊勢崎馨)