シリア戦でグループEの首位に立った日本。2次予選の首位通過へ大きく前進した。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 10月8日のシリア戦を経て日本はグループ首位に立ったね。日本に付け入るチャンスなどないという印象を植え付けされるためにも、グループの最大のライバルをアウェーの地でしっかり叩く必要があった。前半の内容はさておき、結果として3-0で勝つことができた。
 
 この2次予選というのは、1位しか無条件に最終予選に進むことができないレギュレーションだから”首位ターン”を達成した意義は決して小さくはないし、個人的にはなにも言うことはない。
 
 このシリア戦で日本は4試合を消化した。ちょうど2次予選のスケジュールも折り返しとなったが、あえて前半戦の戦いに評価をつけるならば、100点満点で75点だ。
 
 理由はこうだ。日本はあくまでアジアではトップを走り続けなければいけない存在。だから、つねにすべての試合で勝つことが求められる。4試合を100点満点で評価(1試合を25点満点)した場合、勝点3を逃した第1戦のシンガポール戦は厳しく0点としたい。その後、カンボジア(3-0)、アフガニスタン(6-0)、そしてシリア(3-0)に3勝したのだから、チームとして75点という評価をつけたい。
 
 攻撃陣と守備陣に分けて評価するならば、まったくピンチらしいピンチがなかった守備面を評価するのは難しいところだ。とはいえ、対戦相手との実力差を考えれば、そうした状況になることは容易に想像できた。
 
 ただし予想外だったのは、ずっとゴールマウスを守ってきた川島(永嗣)が所属クラブが決まらず、代表チームから離脱してしまったことだ。そうした状況下でレギュラーの座を掴んだのが、西川だった。東口や六反といったライバルとの争いに競り勝って第1GKの座を手にしたからこそ、試合へのモチベーションの高さが窺えたし、川島の抜けた穴をしっかり埋めてくれたという点で、守備陣のMVPに挙げてもいいと思う。
 
 2次予選とはいえ、大事な公式戦で4試合をすべて無失点で切り抜けたことは、もちろん西川だけの力ではないものの、チームにとっても自信になったのではないかな。
 そして攻撃陣の評価をつけるならば、50点ぐらいが妥当だろう。ワンサイドゲームが続くなか、日本の攻撃陣に求められていたのは、引いて守る相手からゴールをこじ開けることだ。
 
 そうしたなかで結果を残したのが、本田、岡崎、香川の3人。先制点という大事なゴールを決めた数を考慮したら、MVPは本田になるのだろうけれど、前半戦の最大の収穫は間違いなく香川の復調だ。
 
 アフガニスタン戦で2ゴールを奪って、今回のシリア戦でも岡崎へ完璧なアシストをした。3年後の本大会を考えると、年齢的にピークを迎えるであろう香川が攻撃の中心選手としてプレーしてもらわなければ困るから、後半戦はもっと勝負強さを見せつけてほしいよね。
 
 これまでも言い続けていることだけど、日本代表の未来を考えると、もっと若手が台頭してこなければいけない。ハリルホジッチ監督もそのことを重々承知しているはずで、実際に若手にも積極的にチャンスを与えていたよね。そうしたなかで、宇佐美、柴崎、武藤といった若手が定着してきたのは明るい材料となったものの、残念ながら、いまだに本田、香川、岡崎の3人の牙城を切り崩すことができていない。
 
 もっとも、一時、武藤や宇佐美がその勢いをもってレギュラーを掴みかけた時期があったけれど、現在はベンチを温める機会が多く、スーパーサブとしてレギュラーの座を虎視眈々と狙っている状況にある。ここ数試合は、原口がスタメンの一角を担っていたものの、シリア戦のような大事な試合でこそ結果を残すことが重要だ。そして実際にそのシリア戦でゴールという結果を残したのは、途中出場の宇佐美だった。
 
 それでも現状の攻撃陣については、若手の台頭がまだまだ物足りないというのが正直な感想。その点をマイナス評価とした。くどいようだけど、世代交代が進まなければ、日本の未来はないんだから。
 
 次のイラン戦ではおそらくスタメンの顔ぶれが変わると思うけれど、真剣勝負じゃなければ、選手の“本質”が見えてこないこともあるから、欲を言えば、シリア戦で南野をピッチに送り出してほしかった。
 
 シリア戦では、残り15分から宇佐美、清武、武藤と、5分間隔でピッチに送り出された。すでに2-0でリードしていたのだから、もっと積極的なトライを見せても良かったのではないかな。後半戦では若手の奮起とともに、ハリルホジッチ監督の采配にも注目していきたいね。