DNA ナノマシンを使った HIV 診断技術。わずか数分で検査完了、将来はスマホアプリで検査の可能性も

写真拡大

 

カナダ・モントリオール大学などからなる国際研究チームが、DNA ナノマシンを使って HIV 感染を診断する技術を開発しました。診断にかかる時間は5分程度、しかもコストもほとんどかからないとしています。

 

通常、HIV 検査は即日の検査であっても結果を知るまでに1時間〜数時間を必要とします。また正式な結果が出るまでには1週間前後の期間が必要でした。一方、一般家庭でできる HIV 検査キットなどもありますが、自分で血液採取をする必要があるなど、まったくの素人にはハードルが高く感じられるものでした。

研究チームが作り上げたのは、HIV 抗体に反応する DNA ナノマシン。DNA ナノマシンとは DNA の塩基配列を調整し、特定の機能を実現するようにしたもののことで、ここでは HIV 抗体と​接触すると構造が変化しわずかに発光する特性を有します。この発光現象を信号として捉えることで、瞬時にHIV感染の有無を判定できます。

 

 

研究チームのひとりローマ大学教授のフランチェスコ・リッチは、この DNA ナノマシンがカスタマイズ可能で、HIV にかぎらずその他の広範な病気の診断に応用できると説明します。

さらに低コストなのもこの方法の大きな特徴です。今回の例ではおよそ5分もあれば結果がわかり、しかも必要な材料のコストはわずか15セントしかかかりませんでした。

研究チームは今後「スマートフォンアプリで DNA ナノマシンの反応を検知できる可能性もある」として、開発を手助けしてくれる企業を探すとしています。

ちなみに、この研究のスポンサーのひとつが、マイクロソフト創業者ビル・ゲイツが設立したビル&メリンダ・ゲイツ財団。財団は「すべての生命は等しい価値を持つ」とモットーに世界の貧困地域へ農業開発からライフライン整備、金融サービスを提供する一方、米国では全国民への高等教育の機会を与える活動を、そしてグローバルヘルスプログラムとして薬品・ワクチン・感染症診断方法の開発を支援しています。