ピクサーが誇る“高打率監督”、ピート・ドクター監督の才能に迫る。

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10月9日は、興収40億円を突破したディズニー/ピクサー映画「インサイド・ヘッド」を手掛けたピート・ドクター監督の誕生日。彼は「トイ・ストーリー」の原案を手掛け、「モンスターズ・インク」「カールじいさんの空飛ぶ家」といった上質なメガヒット作を監督してきた、高打率を誇るヒットメーカーだ。その才能あふれる仕事ぶりを改めて振り返ろう。

ピート・ドクター監督が、キャリアをスタートさせたのは、ピクサーだった。

「1990年、なんと大学を卒業した次の日からピクサーでの仕事が始まりました。当時はスタッフの人数が少なかったこともあり、アニメーター、デザイナー、ストーリー担当など、いろいろな作業を経験しました。私、ジョン・ラセター、アンドリュー・スタントン、ジョー・ランフトというメンバーで『トイ・ストーリー』を着手した頃は、私たちの目的がまだはっきりしていない状況でした」

この「トイ・ストーリー」に関わったメンバーこそ、今のアニメーション業界を牽引するそうそうたる顔ぶれ。彼らが目指したものは、それまでアニメーションの世界で成し遂げたことのない、まったく新しいことに挑戦したいという強い思いだった。

「実際に足を踏み入れてみて、キャラクター同士の関係性がストーリーの中で一番大切な要素だということに気付きました。例えば、ウッディとバズは『トイ・ストーリー』の中では仲が悪いのですが、そのうちに相手のためなら喜んで自分を犠牲にするところまで成長します。そのキャラクターの変化というものが、私達に満足感を与えてくれるのです。そのキャラクターがモンスターであれ、魚であれ、感情であれ、全ての映画で目指す点はその部分にあります」

「トイ・ストーリー」ではおもちゃたちの世界を、「モンスターズ・インク」ではモンスターたちの世界をユニークに描き出したピート・ドクター監督。素晴らしいのは、「トイ・ストーリー」ではパート3で人間との絆を、「モンスターズ・インク」でも同じく人間の女の子とモンスターとの交流を描くことで、深みのある感動作にまとめ上げた点だ。「カールじいさんの空飛ぶ家」では、主人公がおじいさんながらも、風船で旅をするというセンチメンタルなファンタジーに仕上げ、多くの人々の琴線を揺さぶった。

ピート・ドクター監督はこう語っている。

「架空の世界というものが、常に私の好奇心をそそりました。例えばモンストロポリスのような場所を創りだすことは、私たちが住む世界を別の角度から眺めるチャンスを与えてくれますし、実際にアニメーションが持つ可能性を追求していけることはとても楽しいです」

「インサイド・ヘッド」も、そういったチャレンジ精神のたまものではないだろうか。本作では、11歳の少女の頭の中にある、喜び、怒り、嫌悪、恐れ、悲しみという5つの感情が、擬人化されたキャラクターとして登場し、少女の幸せを守るために大奮闘する。

「いろいろとやり過ぎてしまうと、観客を混乱させたり、遠ざけてしまうことにもなりえます。そういった意味で、今回の『インサイド・ヘッド』では、長期記憶、潜在意識、抽象的思考、夢の創出といった、人々に馴染みがあり、容易に想像できるコンセプトを、映画の舞台にしました。このアイディアが浮かんできた時にはとてもワクワクしました。この作品は、すでにみんなが知っている場所でありながら、まだ誰一人として行ったことのない世界に導く機会を与えてくれました」

多くの人々の共感を得て、ヒットを記録した「インサイド・ヘッド」。公式サイトでは、今年の思い出をツイートすると抽選でオリジナル・グッズがもらえるというツイッターキャンペーンも始まっている。今年もあと3か月夏までの日々を振り返ってみるのも良さそうだ。

「インサイド・ヘッド MovieNEX」(4,000円/税別)は、11月18日に発売。11月11日にはデジタル先行配信もスタートする。