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生理痛で悩む女性は多い。それと同時に、生理前の便秘や生理中の下痢の症状が気になっているという人もいるのではないだろうか。実は、下痢や便秘といったお腹の不調の原因は「生理」にあるかもしれない。

今回は、ライオンのヘルスケアマイスター・山岸理恵子さんに、生理とお腹の関係について詳しく教えてもらった。

○その下痢、もしかしたら生理の影響かも

生理周期は、約5日間の「月経期」から約8日間の「卵胞期」を経て排卵し、約15日間の「黄体期」を経て、また月経期へと戻る。排卵の前後で、体内では女性ホルモンのプロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌される。プロゲステロンには、子宮の収縮をおさえる作用がある。しかし、子宮だけでなく腸にも作用してしまい、便をスムーズに移動させるための腸の収縮運動も抑制してしまうため、黄体期には便秘がちになるというのだ。

一方、生理が始まって月経期に入ると、プロゲステロンは減少。今度は子宮を収縮させる作用があるプロスタグランジンという物質が体内で分泌され始める。プロスタグランジンも子宮だけでなく腸の異常収縮を促すことがあり、下腹部痛を伴う下痢を引き起こしてしまう。

「2014年のライオンのWEB調査では、生理年齢にある女性の15〜20%が『生理時に下痢をしてしまう』と回答しています。プロスタグランジンのほかに、自律神経のバランスが崩れると腸が不調になってしまうこともあり、生理によるストレスが原因でお腹がゆるくなっている可能性もあります」と、山岸さんは解説する。

同調査では、生理中に下痢が起こりやすい女性の70%が下痢に対して「何も対処していない」と回答。多くの女性が、生理中の下痢をなんとかしたいと思いながらも対処法がわからず放置していることがうかがえる。

○便秘や下痢、あきらめずにしっかり対処!

では、生理前の便秘や生理中の下痢には、どのように対処すればいいのだろうか。

まず便秘の場合は、食事のリズムやバランスに気をつけたいとのこと。「黄体期には腸の動きがにぶくなっているので、腸を動かすために、朝・昼・晩の食事のリズムを整えるようにしましょう。朝起きたらコップ1杯の水を飲んで、朝食をしっかりととることがお勧めです」。

食材は、穀類やイモ類、豆類、海草、果物など食物繊維が多いものを選び、水分をしっかりとるのがいいとのこと。ただし、栄養バランスには注意。「腸の動きをよくするためには、水分だけでなく、脂肪分もある程度は必要です。栄養バランスが崩れるような極端なダイエットは避けましょう」。

なお食事以外では、腹筋やストレッチ、ウォーキングなどの適度な運動をすると腸の動きが活発になるという。

続いて下痢対策についても、「刺激物や吸収されにくいものなどを避けることが大切です」と食事をポイントにあげる。

具体的には、辛い食べ物やコーヒー、冷たい飲食物は消化管を刺激してしまうのでNG。また、「糖類」や「人工甘味料」が含まれている食べ物も、水分を腸にためる作用があるため、生理中は控えめにしたほうがよいとのこと。「特に、菓子やガムなどに使われている人工甘味料の中には、吸収されにくくお腹をゆるくしてしまうものもあるので要注意です」。

また、早食いや食べすぎの場合も、消化不良を起こして腸を刺激するガスが発生してしまうという。食事では腹八分目を意識し、ゆっくりと味わって食べるとよいだろう。

そのほか、腹部をあたたかくして体を冷やさないことも対策の1つ。冷えの改善は下痢に限らず、生理痛にもよいといわれるので、試してみると体が楽になるのを実感できるかもしれない。また、急な下痢の症状で困ったときには、下痢止めの薬を飲んでもよいという。「水なしで飲める下痢止め薬もあるので、携帯しておくと安心です。生理痛用の鎮痛剤を飲んでいる方は、飲み合わせについて薬剤師に相談してから選ぶとよいでしょう」。

「そういう体質だから」とあきらめてしまっている人も多い、女性特有のお腹のトラブル。つらい下痢や便秘を解消するために、生理のサイクルにあわせた食事や生活習慣を意識してみてはいかがだろうか。

○取材協力: ライオン ヘルスケアマイスター・山岸理恵子さん

ボディーソープほか、スキンケア商品の開発に長年携わった後、現在のヘルスケアマイスターとなる。商品開発の経験を生かし、主にライオン快適生活研究所にて健康で快適な暮らしのための情報発信に尽力している。

(宮崎新之)