まんでドラマまんま。苦笑、失笑、爆笑 波乱ぶくみの「まれ」スピンオフ会見

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9月の末に終了したNHKの朝ドラ「まれ」のスピンオフドラマ ザ・プレミアム「まれ〜また会おうスペシャル」が10月24日(土)、31日(土)の2週にわたってBS プレミアムにて放送される。
前編「僕と彼女のサマータイムブルース」(作/池谷雅夫、演出/川上剛)では、芝居もできる人気ミュージシャンになった高志(渡辺大知)と巨匠・池畑大悟の義娘・美南(中村ゆりか)の恋を描き、後編「一子の恋〜洋一郎25年目の決断」(作/篠崎絵里子 演出/一木正恵、津田温子)と、文字通り、一子(清水富美加)と洋一郎(高畑裕太)の関係性が描かれる。本編で一度決着がついたようにも思えたふたりだが、まだまだわからない。仁子(清野菜名)という一子に似た女性の出現によってひと波乱起こる。


放送に先駆けて、10月8日(木)、後編の試写と出演者・渡辺大知、中村ゆりか、清水富美加、高畑裕太の4人の会見が行われた。

制作統括の高橋練(高ははしごだか)は「本編のなかで描き切れなかった希(土屋太鳳)の同級生たちの物語をやりたいなあという思いでこのスピンオフドラマをつくりました。内容的には、最終回の年の夏を舞台にした、恋や友情のドラマ。年配の俳優がいないなか若い俳優がとてもリラックスして演じてくれて、それが、いい意味でも、いい意味でも(2回念押し)出ていると思います(笑)」とドラマを紹介し、4人の俳優は撮影のときだけでなく会見中も、緊張しながらも絶妙に息を合わせてテンポのいいトークをして、詰めかけた記者たちを笑わせ続けた。

この感じは、ドラマの役を引きずっているのか、そもそも俳優の素を脚本に描いたのか、どっちなんだ? と迷うほど、ドラマのまんま、高畑がハイテンションでからまわりして、清水が厳しくツッコみ続け、ついには役では無口な渡辺大知まで加わって高畑をいじりまくり、中村はそれを見て苦笑と、まるでコント台本があるかのような楽しい会見だった。
その様子を抜粋してみよう(各コメントは一部省略及び、意味は変わらないように注意しながら書き言葉に変更した部分もあります)。


スピンオフ放送に当たって


高畑「このスピンフオフを見たら、今まで以上にこの4人を大好きになってくれると思います」
清水「いや、高畑くん以外は(笑)」
高畑「(たじたじになりながら)ぼくのことも大好きになってください! ・・・(その前にも清水にツッコまれていたので)なんでぼくだけ・・・いじり過ぎじゃないですか(困)」

自分の役の魅力について


清水「一子はさらに強い女になったな、こういう女のひと、いいなって思いながら演じました」
高畑「(清水を見て)いい女だ」
清水、スルー
高畑「ええと・・・(気を取り直して洋一郎の役の説明をはじめる)洋一郎の魅力としては、まず第一に一途さがピラミッドの頂上のように君臨しています(中略)。洋一郎は単細胞であっけらかんとしていますが、それとはまた違ったものを腹のなかにいっぱい抱えていて、繊細で、井戸の水みたいに思いが量をましていくように、気持ちの量が人並み以上に大きいひとだと思って。洋一郎という役柄に個人的に感動致しました」
清水 「文字数オーバーですよね。ちょっと(笑)」
高畑 「いいじゃないですか、緊張してるんですよ、でもそうやっていじっていただけると、緊張がほぐれて嬉しい」
清水 「(記者に)いちばん短くていいです」
高畑 「やめてください、一応主役ですからねっ」
渡辺 「冒頭だけでいい」
高畑 「!? ふざけた話しかしてないじゃないですか、冒頭は! 大好きだぜ、でも、みんな。みんなのこと大好きだぜ」
清水 「あ、そうなんですか(笑)」
(一同爆笑)
高畑 「(記者に)おかしいでしょう・・・」
といいかけたところを無視してNHK広報K氏「(淡々と)じゃあ次の質問をーー」
高畑「Kさんッ!!」

洋一郎の一子への思いは?


高畑 「もしかしたら、やっぱりその・・・(一子に未練あるふう)」
清水 「(洋一郎とはつきあう展開を望んでいないため)すみません、質問変えます」
高畑 「すみません、お口にチャック」
渡辺 「芸人さん?」
高畑 「芸人さんじゃない俳優さんです」
渡辺 「そんながんばって笑いとろうとしなくてもいいのに・・・」
高畑 「違う違う、違うんだ、ここにいると楽しくなっちゃってさ。ほんとにだって、俺、この前、2日間、家のベッドにいたんですよ、40時間」
渡辺 「知らねー(笑)」
高畑 「誰ともしゃべることがなくて。ここにいると、久しぶりにひととしゃべれてうれしいの。しかもこんなーー」
渡辺 「お口にチャックとか言って(笑)」
高畑 「お口にチャックできてない(笑)。できてないところがまたかわいげが。たのしいな。・・・失礼しました!」
渡辺 「楽しいね(笑)」
高畑 「ははは、楽しいね(笑)」
清水 「(中村を見て)ほら、もう苦笑いですから」
渡辺 「スピンオフのとき、聞き逃さなかったですよ。中村さんは、高畑さん、ふだん、すごく面白いですね。
ずるいくらいに、いるだけで笑っちゃうって言っていましたよ」
高畑 「ほんとうですか?」
中村 「嘘ですね」
(一同爆笑)
渡辺 「ああ、二人の会話を弾ませるために話してくれたのかもしれない。ごめん! それを公で言っちゃって申し訳ない!(笑)」

自分にとって「まれ」とはなんだったか


渡辺「撮影期間10ヶ月くらいあって、ほんと学校みたいだったんですよね。だから、出演者の方たちとも年齢とか関係なく仲間になれたと思っていて。だから『まれ』の撮影が終わったとき、ほんとに卒業して心に穴が空いたような気持ちになりました。自分にとっては、母校みたいな感じがあります」
中村「(美南)は横浜編からの登場だったので、正直能登チームがうらやましかったです。でも、横浜編もまた違った空間ですごく楽しかったですし、希ちゃんの葛藤の日々を眺めるのがちょっと辛かったりもしましたが、結婚して徐々に成長していく姿は魅力的だったし、愛情がすごく伝わってくる、素敵な作品だなと思いました」
清水「オーディションの時点から、すごく熱いギラギラした思いを燃やして臨んだ作品はこれまでになかったんです。途中、ネガティブなことを思ったこともあり、けっこういろいろ悩みながらやらせてもらって、自分の人生も一子ちゃんの人生もすごく波瀾万丈でした。希望とか夢とかって簡単に言っちゃうことではないかもしれませんが、『まれ』でそういういうものをほんとうにもらいました。これから自分が仕事するなかで、また帰ってきたいなと思う母校のような場所に、自分の人生のなかでも絶対忘れないかけがえのない存在になったなと思いました」
渡辺 「(高畑の番になって)すばらしかったからいいか(笑)」
清水 「割愛させていただきます(笑)。もう3つ出たから、以下同文みたいなことで(笑)」
高畑 「ほんとうにそういうこと言うと、すばらしくなくなっちゃうから! すばらしいこと言ったとしても」
清水 「意外と繊細ですからね(笑)」
高畑 「・・・ほんとに真剣にしゃべりますけど。ぼくは役者をはじめたのが3年前で、よし、これからプロとして歩んでいこうと思ったのは、去年なんですね。それで『まれ』のオーディションを受けて、受からせていただいて。1年間を通してこの作品について考えてきたんですけど、いま10月で、ちょうど去年の今頃、『まれ』がクランクインしたことを思い出すんです。春になったら、去年の今頃は『まれ』がスタートした。夏になったら終わってしまった。そうやって、今後、順繰り、順繰り、四季折々に、いろんな『まれ』に関する気持ちが蘇ってくると思うんですね。それでぼくが思ったのは、『まれ』っていう作品はぼくにとっては、役者をはじめてから得た青春というか、故郷ですね。青春の故郷みたいな感じがして。これから10年20年役者を続けていくにあたって、つらいことも悲しいこともいっぱいあると思うんですけど、そこで支えになってくれるのは、『まれ』という作品なんだと心のなかで信じて、います。だから、端的にいうと、僕の青春の原点。っていう感じ、がしました」
清水 「意外とよかったね。でもさ、青春の故郷って言ってたのに、最終的に青春の原点に変わっているけど、すごいよかったね。春夏秋冬・・・(しみじみ)」
高畑 「よかっただろう」
清水 「意外に良かった」
高畑 「意外にいいこと言っただろう」
渡辺 「でもね、編集が必要です」
高畑 「(記者に)ほんといい感じで編集してください。お願いします。いい感じでお願いします」

と、高畑がお願いしていると、「このあとは写真撮影になりますので」と広報K 氏がまた淡々と切り上げてしまう。撮影準備のためにいったんドアの外に出た4人だったが、清水が延々「青春の故郷」「青春の原点」についてもの申し続ける声が聞こえていた。これがもう青春ドラマそのものという雰囲気で。『まれ』では素敵なチームワークができていたのだなと思わせた。
こんな感じのわいわいしたノリで、スピンオフが楽しめる。
主人公の希は仕事も結婚も出産も体験したが、30歳過ぎても恋が手に入らない、一子と美南と高志と洋一郎は、何かを手に入れることができるのだろうか。不器用でちょっと滑稽で、ツッコミどころいっぱいで、でも優しく気のいいひとたちの物語が能登を舞台に繰り広げられる。希も圭太も出演する。
(木俣冬)