任侠の流れを汲んだ「初の本格的男性バーチャルアイドルユニット」登場。惜しい、惜しいよ東映さん

写真拡大 (全5枚)

10月8日「東映の日」、東映から「初の本格的男性バーチャルアイドルユニット」が登場した。
その名も「EIGHT OF TRIANGLE(エイト・オブ・トライアングル)」。27歳のコンポーザーKazuto(遠藤和斗)、21歳のボーカルRay(君島零)からなる2人組ユニットだ。



そもそもバーチャルアイドルって何?


バーチャルアイドルとは、ざっくり言ってしまえば「(多くはCGを用いた)実在しない架空のアイドル」のこと。最近は「バーチャルリアリティ(VR)アイドル」とも呼ばれる。
いまもっとも有名なバーチャルアイドルは、2007年に生まれた初音ミク。ミクを筆頭とした「ボーカロイド」のシリーズは、3DCGなどの技術進化に伴い、リアルタイムでライブを行うほどになっている。
また、アニメ「ギルティクラウン」をきっかけにして登場した架空のアーティストグループ「EGOIST」も、国内・アジアでツアーをやるほどの人気となっている。

なぜ、東映が、しかも男性バーチャルアイドルをプロデュースするのか?
「東映は、時代劇ブームややくざ・任侠ブームを牽引してきた。40年以上やってきた仮面ライダーや戦隊シリーズは、イケメン俳優の登竜門と呼ばれるまでになっている。時代とともに東映は男性のスターを世に送り続けていると言えます」(総合プロデューサー・吉元央)
これまで培ってきたキャラクタービジネスのノウハウで送りだした、東映らしい男性のバーチャルアイドル──それがEIGHT OF TRIANGLEなのだ。


銀座の路上で見いだされた(設定)彼らの初パフォ披露


登壇したKazutoとRayの2人がそれぞれ名乗る。Rayがコメントする。
「めっちゃ緊張してます……でも、ステージに立てることを楽しみにしてきました!」
ちょっと噛み気味。いじわるな見方だが、「声は事前録音じゃないんだな」とわかる。司会者やお客さんと生のやりとりができるのは、ボーカロイドなどのバーチャルアイドルにはない強みだ。
動きについては判断がつきづらいが、もしかしたらリアルタイムで動きを反映しているのかもしれない。

そして始まる2人のライブパフォーマンス。
歌う曲は「heart to erode」。作詞は君島零(Ray)、作曲は遠藤和斗(Kazuto)だ。
謎のサイバーな楽器(?)を鳴らすKazuto、熱唱するRay。東映は銀座の路上でパフォーマンスする彼らをたまたま発見して、東映のロゴにもある三角形をユニット名にもつ彼らのプロデュースを決めたとのこと(という設定)。
おじさん多めの記者会見会場に戸惑いの空気が流れる。みな戸惑いながらライブの写真を撮りまくった。
【heart to erode の動画はこちら】


パフォーマンスを終えて、Rayのコメント(ここでもちょっと噛み気味)。
「改めまして、霧島零です! 和斗と一緒に音楽をやってきて、今日ようやくデビューという夢が叶った。いろんな人に僕らの音楽を聞いてほしいと思ってます。これからも応援よろしくお願いします! (ライブは)正直めっちゃ緊張しました。でも超気持ちよかったです! 着々と曲を準備しているので、楽しみに待っていてください」
Rayははつらつとした青年。Kazutoは無口のようだ。

EIGHT OF TRIANGLEは今後、デビュー曲「heart of erode」を11月4日に配信予定(パッケージは2016年1月ごろ)。デビュー曲以外も製作・収録は進んでいるとのことで、ミニアルバムをインディーズで発売することも予定されている。まずはシンガーとして、いい音楽をつくって受け入れてもらい、一歩ずつ成長していきたい……と語る吉元プロデューサーと廣田正年制作プロデューサー。
ライブ活動やグッズ発売など、多面的に展開していくEIGHT OF TRIANGLE。いずれはタイアップやイベント出演、アジア圏への進出も、という想いもあるようだ。

惜しい、惜しいよ東映さん!


東映の新しい試みはわかった。ただ、1人の女オタクとしてEIGHT OF TRIANGLEを見ると、どうしてもこの想いが浮かび上がる。
惜しい!!!

女オタクは、外見はもちろんだが、キャラの性格やキャラどうしの関係性にうるさいとよく言われている。そして実際、めちゃくちゃうるさい。
KazutoとRayがどんな人で、どんなバックボーンを持っているのか?
公開されているのはこのエピソード。

〈音楽家を父に持ち、小学校の時に手にしたピアニカで音楽に目覚めた遠藤和斗は、大学時代にバンド活動を始め、音楽家を目指し卒業後に音楽作家の事務所の門を叩く。
君島零は、高校時代からバンド活動を行い、卒業後プロを目指しボーカルとしてバンドを続けたが、メンバーとのケンカが絶えず20歳の時に解散した。
二人は、お互いが出演したライブで知り合い、零のバンドのラストライブで再会し、零が一緒にやる事を呼びかけ,コンポーザーKazuto(遠藤和斗)、ボーカルRay(君島零)の二人からなるユニット「EIGHT OF TRIANGLE」が誕生した〉

公式サイトには彼らの誕生日や身長体重血液型なども載っている(おいRay! 53キロって痩せすぎでは!?!?)。
もちろん、今後活動していく中で、彼らのバックグラウンドは明かされていくらしい。PV内の雨に濡れた零と傘を差す和斗のエピソードも、いつかはっきりと知らされるのかも。そうわかってはいるけれど、女オタクの血が「食い足りない……!」と叫んでいる。


技術的な面でいえば、ライブシーンの際に顔アップの演出がないのがさみしい。現実のアイドルのコンサートでも、引きの映像だけではなく、スクリーンにアイドルの顔がアップになるから楽しいのだ。
EIGHT OF TRIANGLEの顔アップは、まだ技術として難しい部分があるらしい。ライブの実現までにはなんとか、ぜひ!

二次元男性アイドル業界は戦国時代


そして今、二次元男性アイドル業界は戦国時代を迎えている。「うたの☆プリンスさまっ♪」の大ヒットをきっかけにして、アニメでは「少年ハリウッド」、スマホアプリ業界には「あんさんぶるスターズ!」「アイドルマスターSideM」「アイ★チュウ」「アイドリッシュセブン」などのタイトルが並ぶ。
ちょっと変化球だが「夢色キャスト」もリリースされた。「あんスタ」や「夢色キャスト」はLive2Dを採用しているので、ビビるほどぬるぬる動く。

EIGHT OF TRIANGLEが戦うことになる相手は、実は初音ミクやKAITOや鏡音レンではない。二次元男性アイドルコンテンツ全般、もしかしたら2.5次元業界もライバルになるかもしれない。

「これからいろいろな楽曲をつくっていくので、楽しみにして下さい」とKazuto。
「頑張るので、応援してください!」とRay。

険しい道であることは、彼らもきっとわかっている。がんばれ、EIGHT OF TRIANGLE!

【EIGHT OF TRIANGLE 公式サイト】

(青柳美帆子)