<資料>
 注目された7日の日銀会合で、黒田緩和第3弾は行われなかった。この一因は「さらなる円安をもたらす局面での追加緩和はやらない」ということではないか。

 この決定の前後に、日銀OBで「アベノミクス・ブレーン」の一人とされる自民党の山本代議士が「(日銀には)追加緩和によるさらなる円安への警戒があるようだ」といった発言が流れていた。

 過去2回の黒田日銀総裁の下での金融緩和決定は、ともに当時の対米ドルでの円安値圏で行われた<資料参照>。この結果、「黒田緩和」は円一段安に弾みをつける結果となった。ドル高・円安が一気に約10円も急加速し、株高も急拡大するきっかけになったこの金融緩和は「バズーカ砲」にたとえられた。

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 これまでのところの対米ドル円安値は、6月の125円。ところが、その直後に黒田総裁の発言が円安けん制と受け止められ円高へ急反転となった。黒田総裁自身は円安けん制の意図を否定したが、上述の山本代議士の発言と合わせると、実際にはさらなる円安を懸念し、それを招きかねない円安圏での追加緩和には慎重になっているということではないか。

 以上のように見ると、過去2回とは異なり、今後の日銀追加緩和は円相場も重要な判断目安になりそうだ。簡単な言い方をすると、円高阻止の追加緩和はあるかもしれないが、円安を加速しかねない追加緩和は基本的には可能性が低いのではないか。

 具体的にいうと、例えば115円を超えてドル安・円高になりそうな動きに歯止めをかける目的での「黒田緩和第3弾」ということはあるかもしれないが、120円よりドル高・円安水準で推移している局面では、基本的には追加緩和はもうしないということではないか。(了)

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【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、投資情報会社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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