動画の活用でCPIが16%も低くなる?!スマホアプリのユーザー獲得を狙うFacebook広告を徹底研究!

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Facebookが2012年から提供しているモバイルアプリインストール広告(以下、MAI広告)はその名の通り、「アプリのインストール促進」に特化した広告です。CTAボタンからApp StoreやGoogle Playに直接アクセスすることが可能なため、ユーザビリティが高いのが特徴です。
ターゲティングは通常のFacebookデータを用いた精度の高いセグメントに加え、OSのバージョンやデバイスモデルまで絞り込みが可能。さらに、AppStoreでは100MB以上のアプリはWi-Fiにつないでいないとダウンロードできないため、「Wi-Fiに接続しているモバイル機器にだけ配信する」といったオプションもあります。

MAI広告はFacebookならではのターゲティング機能や、モバイルとの相性の良さなどから国内外で多数の成功事例が報告されています。(参考

静止画vs.動画! 効果的なMAI広告とは?

このようなMAI広告の効果について調査を行ったのは、米国を拠点に広告自動化システムを扱うNanigans社。調査対象となったのは同社のクライアントの中で、MAI広告で動画と静止画の両方を利用しているモバイルゲーム会社上位10社です。

これら10社の広告支出額とCPICost Per Install:1インストール当たりのコストに関するデータを28日間に渡って収集し、分析しました。なお本調査では、広告の一貫性を保ちCPIの比較を簡単にするため、対象を米国内のキャンペーンに限定しています。

調査対象となったゲーム

多様なサンプルを確保するため、ニュータイトルから定番ゲームまで、ジャンルをまたいで選定されました。調査期間中の全体支出は数百万ドル、インストール数は数十万回に達しています。

課金方法

調査対象キャンペーンの大多数がoCPM課金(最適化インプレッション単価)を、その他はCPA課金(アクション当たりのコスト)を利用していました。
※課金方法の説明については後述

ターゲティング

MAI広告は元来、既存客を呼び戻すよりも、新規のダウンロードを促す目的の広告のため、見込み客のみをターゲットとしました。

調査結果

以下が、今回公表された調査結果です。

▽MAI広告における、静止画と動画のCPI・広告支出率・インストール率(全ゲーム対象)

▽MAI広告における、静止画と動画の広告支出とCPI(ゲームジャンル別、インデックス表示)

本調査の結果は、広告支出額とCPI値をインデックス(指標)で表示されています。広告フォーマットに関わらず、全キャンペーンを通しての広告支出とCPIの最高額を100とし、それに対する相対的な金額をインデックスで表しています。例えば、全体のCPI最高値が12ドルで、あるキャンペーンのCPIが 6ドルだった場合、インデックスは50として表されます。

調査の結果、MAI広告についての重要なポイントがいくつか判明しました。

1.総じて好結果をもたらしたのは動画広告

まず全ゲームを対象にした表1を見てみましょう。静止画広告(全体支出の42%)のインストール率が38%であるのに対し、動画広告(全体支出の58%)は、インストール率が1.6倍の62%でした。
動画広告への支出が静止画広告のそれを上回っていますが、CPIを見てみると、動画広告は静止画広告より16%も低く、コスト効率が高いことが判明したのです。

2.両タイプをテストすることで、より低いCPIを目指せる

ただし表2を見てみると、10社のうち4社は動画広告のCPIが低く、4社は静止画広告のCPIが低く、残りの2社は両方のCPIが同じという結果でした。このデータから読み取れるのは、必ずしも「動画=CPIが低くなる」ということではない、ということです。
そのため、MAI広告を実施する場合は、動画広告と静止画広告とでA/Bテストを行い、自社にとってベストな広告はどちらなのかを見極めることが大切です。

3.動画広告への期待が高まっている

表2からは、10社のうち5社は静止画広告よりも動画広告の支出額が多く、他の5社は静止画広告の支出額の方が高いことが読み取れます。
しかし、Nanigans社によると前月比で大きく変化したのは動画広告であり、10社のうち8社が動画広告の支出額が前月比410%も増加。
さらに、調査期間である28日間で、動画広告は10社の支出の30%を占め、調査前の28日間と比べて、約75%も増加していることが分かりました。

以上のことから、MAI広告は効率的なアプリプロモーションを目指す上で有効なツールであり、ROI向上も期待できると言えるでしょう。さらにFacebook広告では静止画広告の場合、「画像内に20%しかテキストを含むことができない」というルールがあることから、自由な表現ができる動画広告の人気は今後益々高まっていくと予想できます。

MAI動画広告を効果的に出稿するコツ

それでは最後に、より効果を高めるためのポイントを3つご紹介しましょう。

A/Bテストを実施する

前述したように、まずは動画広告と静止画広告でA/Bテストを実施し、より効果的な方法を明らかにすることが大切です。なお、動画制作に必ずしも多額な費用をかける必要はありません。画面キャプチャをつなげるだけのシンプルな動画でも、アプリの内容を十分に訴求することができます。
アプリの魅力が伝わる場面を動画に盛り込むなどの工夫をしましょう。

最初の5秒間と音に留意する

MAI広告では動画が自動再生されます。その効果を最大限に活用するためには、最初の5秒間でユーザーの注意を引き付けなければなりません。アプリの魅力が最大限伝わるアイキャッチングなシーンでスタートしましょう。また、動画は無音状態で再生が始まるため、音声なしでも意味が伝わることも必要です。

課金方法を理解し、適切に設定する

MAI広告では課金方法が2種類選択できます。「クリック単価(CPC)」とFacebook独自の「最適化されたインプレッション単価(oCPM)」です。

CPC課金はユーザーがクリックするたびに課金される方法で、CTAボタンのクリックが課金ポイントです。(参考
CPC課金の注意点としては、動画が自動再生されないことです。自動再生はユーザーの注目を集める良いフックとなるため、動画広告を実施する場合はこの点を頭に入れておきましょう。

一方、oCPMの課金方法はCPM(広告が1000回表示されるごとに課金される方法)ですが、Facebook独自のアルゴリズムに基づいて「広告主の目的を達成してくれそうなユーザー」に広告配信が最適化されます。すなわち、アプリをインストールする可能性が高いユーザーに優先的に広告が配信されます。

oCPM課金は、Facebookも推薦している課金方法です。(参考:なぜクリック単価ではなく最適化されたインプレッション単価(CPM)で支払う方がよいのですか。
しかし対象ユーザーから効果を見込めるユーザーを絞り込んでいくため、母数が少ない場合は適切に最適化されない可能性があります。「カスタムオーディエンス」や「類似オーディエンス」など、ターゲティング機能が優れるFacebookですが、MAI広告で新規ユーザーの獲得を狙う際には、その設定は広めにしたほうが良いでしょう。

※ MAI広告でoCPM課金を利用するには対象アプリに組み込んだSDKSoftware Development Kitによってインストール数を測定する必要があります。
誰もインストールしていない場合や、SDKを入れていない場合、最適化CPMのオプションは表示されないため注意が必要です。
(参考:Facebookヘルプ)

最近では、Twitterからアプリインストールを促進する動画広告が、Instagramでもアプリインストール広告が出稿可能になるなど、ソーシャルメディア上でのアプリ広告は盛り上がりを見せています。
今後、ますます競合によるアプリインストール広告の出稿が増えていくと予想される中で、よりユーザーの目線に止まるように訴求力の高い動画広告は試してみる価値があると言えそうです。