これで秋冷え知らず! 秋のカラダをいたわるお風呂の入り方

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もうすっかり秋だけれど、夏に買った入浴剤を使い続けていない? 入浴剤の効能は販売される季節によって異なる場合があるので、春夏シーズンの商品のなかには、秋冬の使用には適さないものもあるとか。そこで、秋におすすめの入浴剤と、カラダを冷やさないお風呂の入り方について、医学博士で健康アドバイザーの福田千晶さんに聞いた。

「夏用の入浴剤には、ミントの成分であるメントールなどが入っていますが、これは皮膚に触れたときにひんやり感じる冷感作用によって、湯上りに清涼感を与えるもの。冷えで悩む人が秋冬に使うには向かないので、気を付けましょう」(同)

冷え対策の場合は、炭酸ナトリウムや炭酸カルシウムなど、温熱効果のある炭酸入り入浴剤、特に高濃度炭酸入りの入浴剤が効果的だそう。入浴剤の色や香りが苦手なら、塩をひとつかみ湯船に溶かして。浸透圧によって汗が出やすくなって新陳代謝がアップし、湯あがり後は肌についた塩分が汗の蒸発を防ぐため保温効果も高まるとか。

「薬草の香りが苦手でなければ、血行促進効果がある薬用植物系の入浴剤もおすすめ。どくだみやヨモギなどの成分は、体を温めて冷え性を改善する効果が期待できます」(同)

お湯の適温は38〜40℃が目安。43℃以上の熱いお湯に短時間だけ入ると、身体の表面温度が高くて内部は冷たい状態になり、かえって寒く感じることもあるので注意して。

「すぐに出ると寒いけれど、ゆっくりつかればじんわり汗が出てくる湯温のほうが、血液がゆっくりと全身を循環するため、体を芯から温めることができます。また、血のめぐりがよくなれば、湯冷めもしにくいものです」(同)

お風呂から出たら、せっかく温まった熱を逃がさないように、水分を丁寧にふきとって、すぐにパジャマを着て。入浴後はすぐに布団に入るのがおすすめだけれど、寝具をあまり干していないと、汗の湿気で蒸れて冷たくなっている場合が。そうすると、就寝中に全身が冷えてしまうことに。

「晴れた休日には、布団や枕、毛布を最低20〜30分、外気に当てて乾燥させてください。難しいときには、起きたらすぐに掛け布団を大きくめくって30分ほど放置するようにしましょう。体温で温められた布団の汗が蒸発しやすくなります」(同)

夜になるとグンと冷える秋。お風呂でしっかり温まって、冷えない体を手に入れて。

福田千晶
医学博士・健康アドバイザー。慶應義塾大学医学部卒業。東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学科勤務を経て、執筆、講演、テレビ・ラジオ番組への出演などで活躍。アルシェクリニック(大宮)外来診療も担当。ウーマンウェルネス研究会研究員。日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医。