決戦の地、オマーンは陽が落ちても暑さは和らがない。馴れない気候に惑わされず、集中力を保ちたい。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 日本代表は10月8日にワールドカップ・アジア2次予選の前半戦最後の対戦となるシリア戦を敵地で迎える。1位通過のためには勝点3が欲しいこの試合で、日本はいかに戦うべきか。監督・選手のコメントからポイントを探った。
 
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 開催地のオマーンはとにかく気温が高く、キックオフ時間の17時付近になっても暑さが和らがない。日本の選手はそうした酷暑のなかでも、集中力を持続することが重要だ。
 
 とりわけ、気をつけたいのが試合の入り方。相手の出方を見極めるこの時間帯に、慎重になりすぎて付け入る隙を与えると、「後で取り返しのつかないことになる」(長谷部)。
 
 また、今回のシリア戦は中立地開催ということもあり、「スタジアムの雰囲気がどうなるか分からない」というのも選手たちにとっては気になる点。
 
「観客があまり入らなかったりとか、この暑さであったりとか、そういうものでふわっとゲームに入らないようにしたい」
 こう長谷部が語るとおり、試合の立ち上がりはいつも以上の集中力を持って臨みたい。
「見せられないものはすべてやりました」(霜田技術委員長)という非公開練習では、セットプレーも確認した。これまで「時間がそこまでなかったのでトレーニングはしてこなかったという面もある」という飛び道具に手をつけたのは、シリア戦に向けたひとつのポイントだ。
 
「現代フットボールでは、(セットプレーで)35パーセント、得点が入ります」という指揮官の言葉を借りるまでもなく、セットプレーの重要度は極めて高い。とりわけ、日本がポゼッションで優位に立ち、ファウルを受ける回数が多いアジアの戦いでは、その機会自体が増える。
 
 しかしながら、日本はこれまでの予選3試合でセットプレーからのゴールはゼロ。「35パーセント」という絶好のチャンスを活かし切れていない。
 
 非公開トレーニングの内容は分からないが、誰がおとりになり、誰が合わせるのかといった基本的な約束事はもちろん、ファーの吉田が折り返して中央の選手が詰める、といった明確な“型”も用意しているはずだ。
 
 守備を固める相手からゴールを奪うには、セットプレーは絶好のチャンス。トレーニングの成果を発揮し、キッチリとゴールに結びつけたい。
 前述のとおり、日本が押し込む展開が予想されるシリア戦では、最終局面の崩しも鍵を握る要素のひとつだ。
 
 その意味で言えば、攻撃のスイッチ役になるトップ下の香川はもちろん、両サイドからの仕掛けを求められるウイングの働きも注視すべきポイントだろう。
 
 9月のアフガニスタン戦で先発した原口は、「引いて来るんだったら、前回(アフガニスタン戦)のようにサイドから行くのもアリだと思いますし、それは臨機応変にやりたいと思う」とイメージができているようで、同じく香川も「前線のサイドのアタッカーは、スピードがあってドリブルできる選手が多いから、上手く活かして、自分もリズムに乗っていきたい」と語る。
 
 シリアのDFはクイックネスに欠けており、香川や原口といったスキルフルな選手によるドリブル突破は効果的だ。また、エリア付近でファウルをもらう回数が増えれば、先に述べたセットプレーのチャンスも増えてくる。香川や両ウイングの仕掛けの回数は、ゲームの流れを読むうえでのバロメーターになるだろう。
 
取材・文:五十嵐創(サッカーダイジェストWeb)