広島カープ“大誤審”でCS逃す… 日本でチャレンジ制度導入は進むか?

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 筆者は広島東洋カープファンなので、10月7日のレギュラーシーズン最終試合におけるカープの負け方はさすがに堪えるものがあった。8回に登板し、痛恨の失点を喫した大瀬良大地を責める気にはなれない。また、そもそも1安打じゃ勝てるわけない! と声をあげたい気持ちは少しだけあったが、打てなかったことに対して誰よりも悔やんでいるのは打者陣のはずであるから、ファンが何を言ってもしようがない。
 となると、矛先は9月12日の阪神タイガース戦での“誤審”だ。もしあのとき田中広輔のホームランが認められて勝っていたら…と考えると、納得はいかない。しかし、すでに勝負はついている。あの試合は引き分けであり、それを覆すことはできない。
 2015年のカープはこういうシーズンだったのだ、と自分に言い聞かせている。

 誤審があった試合の後、日本プロ野球機構(NPB)が謝罪を行うという異例の事態まで発展した。そして、このようにシーズンそのものを動かす結果になってしまった以上、ただの「あやまち」として流してはいけないはずだ。
 そこで野球ファンの間から提案されているのが「チャレンジ制度」の導入だ。
 「チャレンジ制度」とは審判の判定を不服とした場合、両チーム試合中に6回までに1度、7回から試合終了までに2度、ビデオ判定を要求できる制度のことで、MLBでは2014年から導入されている。
 MLBではチャレンジのためのスタジオ(ビデオ判定センター)を設置し、映像を一括管理。もしチャレンジ制度が使われたら、そのセンターで分析を行い、審判と連絡を取って判定を決めるという。

 チャレンジ制度の導入は日本国内でもすでに議論の俎上に上がっているようで、たびたびその名前を報道で目にするが、導入には多額のお金がかかるほか「審判の技術向上の妨げになる」という声も多い。とはいえ、この誤審は「審判とは何者か」という根源的な部分を問う議論に発展する可能性があり、その中で「チャレンジ制度」が一つの選択肢としてクローズアップされるはずだ。

 カープがクライマックスシリーズを逃したことは、ファンにとっては残念極まりないことであり、いまだに筆者自身、気持ちの整理がついていない。しかし、歴史的混戦となった今シーズンがこういった形で決着がついたということで、プレーの判定をめぐる議論は、大きな転換期を迎えるかもしれない。

 ちなみに、MLBのチャレンジ制度も実は万能ではなく、MLBでは2015年5月13日のロサンゼルス・ドジャース対フロリダ・マーリンズ戦で、ビデオ判定でも判定を間違えるという事態が発生し、MLB機構が謝罪するという事態になった。
 どんな制度であれ、人間のやることだから完全はないと考えるしかないのか。
(カナイモトキ/新刊JP編集部)