チーム最年長の長谷部は「この試合の重要さを伝えたい」と経験の浅い若手たちを引っ張るつもりだが、同時に自身のゴールも狙っている。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 今回の最年長選手である主将の長谷部は、シリアを知っている。日本代表として前回対戦したのは、2011年1月のアジアカップ。川島の退場で数的不利を強いられながらも、最終的に岡崎が獲得したPKを本田が決めて、2-1で競り勝ったあの試合だ。
 
 もちろん、4年半以上も経てばメンバーもチームのスタイルも変わるものだが、長谷部は「シリアがどう変わっているかは、これから見なければいけない」と前置きしつつ、こうも語った。
 
「根本的なところで言えば、やはり相手はしっかり戦ってきます。球際だったりとか、もちろんファウルギリギリのところでね。(日本も)そういう球際のところを追求していかないといけない。自分たちはシリアと対戦してそういう部分を経験しているんで、経験してない選手にはしっかり伝えないといけないと思っています」
 
 当時のシリアは堅守速攻を徹底する手堅いチームで、とりわけ局面での激しさは特筆すべきものがあった。日本はそのタイトな守備に最後のところで撥ね返される場面が多く、ポゼッション率で優位に立ちながらも、なかなか2点目が奪えずに苦しんだのである。
 
 今回のシリアがまったく同じだとは言わないが、その国の選手の特長が4、5年で大きく変わるはずはない。前回対戦時と同じように、タイトな守備で日本を苦しめてくるのは十分に予想できることで、そうした点について長谷部は警鐘を鳴らそうというのだ。
 
 長谷部が言う「球際」で先手を取れば、自ずと試合の流れはこちらに向いてくる。日本の持ち味であるパスワークやテクニック、スピードを活かせる場面が増えるに違いない。そうした圧力ある攻撃を続けた先には、長谷部自身のゴールチャンスも待っているはずだ。
 
「ゴールに関しては自分のウイークポイントだと思うし、チームに貢献するって意味では、そういうところでもやらないといけない。それは、常に持っているところですけどね」
 
 自責の念を込めて意欲を語る長谷部が、代表で最後にゴールを挙げたのは、冒頭で取り上げた2011年のシリア戦。再び、なにかを見せてくれるのではないかと期待は膨らむ。

取材・文:五十嵐創(サッカーダイジェストWEB編集部)