シリア戦の予想スタメン。2次予選の大一番だけあり、“鉄板”のスタメンで試合に挑むはず。左サイドでは原口が宇佐美をリードか。攻めあぐねる展開になれば、柏木や柴崎の早めの投入でビルドアップをテコ入れしたい。

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 ハリルホジッチ監督率いる日本代表が、10月8日にグループE・1位のシリアとの直接対決を迎える。この試合はロシア・ワールドカップ・アジア2次予選の山場で、仮に日本が敗れるようなら、2次予選の1位通過が絶望的になる重要な一戦だ。
 
 10月5日から試合会場のオマーンに入った日本代表は、幸いひとりの怪我人も出さずに調整を進めている。もちろん、中東特有の暑さは大きなハンデだが、それでも選手たちは「言い訳にはできない」(南野)と士気は高い。インフルエンザの影響が心配された本田も「そこまで心配されるほど、大したことではなかったんですけども」と語っており、シリア戦はベストに近い状態で挑めるだろう。
 
 6日の練習では、「戦術的な確認をしました」(霜田技術委員長)と内容の濃い練習ができたようで、ミーティングでも「相手のことよりも、まずは自分たちのことだった」(同委員長)と、これまで叩き込んできた戦術の整理に時間を費やしていた。7日の前日練習も確認がメインになったはずで、「全選手がかなりモチベーションが高く、トレーニング中も戦う意識を見せてくれた」(ハリルホジッチ監督)と手応えを得ている。
 
 2日連続で非公開練習となるために明日のスタメンは不透明だが、これまでの采配を考えれば「今年で一番難しく、重要な試合」(同監督)なだけに、大胆な変更があるとは考え難い。やはり、岡崎や本田、香川といった面々が先発に並ぶのは確実で、戦術的にも「これまでの延長線上」(本田)という縦に早いサッカーを志向するはずだ。
 
 もっとも、シリアは引いて守りを固め、カウンターに活路を見出してくる可能性が高い。日本とすれば、そうしたスペースのない状態の相手をいかに崩せるかが、この試合の肝になるだろう。
 
 シリアの守備陣はフィジカル能力に長けたアル・サレフが4バックを統率し、その前でアンカーのアル・フセインが防波堤を務める形が予想される。これまでの予選3試合で無失点と安定感があり、とりわけフィジカル能力に優れた2CBの空中戦の強さは抜群だ。
 
 おそらく、ハリルホジッチ監督は、こうしたシリアの特長を踏まえて今回のメンバーを招集したのだろう。噂されたハーフナーなどの高さを備えたCFよりも、スピードのある武藤や南野を呼んだあたりに、ひとつの思惑がうかがえる。
 9月シリーズで、あれだけクロスや高さの必要性を強調しながら、わずか1か月で路線変更したのは一貫性に欠けるとはいえ、今回のシリア戦に限れば指揮官の選択は理に叶っている。可能性の低いクロスを放り込むよりも、日本の特長であるテクニックとクイックネスを活かした“仕掛け”を押し出したほうが、シリア守備陣には有効だからだ。
 
 その意味で言えば、前線の選手たちに求めたいのはスピードの変化で、特にエリア付近に近づいた時の仕掛けは緩急をつけたい。例えば、左ウイングの原口のドリブルにトップ下の香川が連動して崩す形では、単調なサイドチェンジをスイッチにするのではなく、ボランチからのダイアゴナルのパスや、逆サイドのSBからのロングフィードといった大きな展開を起点にしたいところだ。
 
 一方の守備面で言えば、日本がもっとも警戒すべきは、前がかりになった際の相手のカウンターだろう。ポゼッション率を高めて攻撃していると、どうしても中盤がポッカリと空く時間が出てきてしまう。その際、相手にセカンドボールを拾われるのが最悪の展開だ。2ボランチは必ずどちらか中盤に残り、守備のバランスを保っておきたい。
 
 シリアの攻撃はバランスに長けたマルキとポストワークが得意なラファが前線の軸で、この2トップを抑えれば破壊力は半減する。また、併せてパスの供給源となるアンカーのアル・フセインも潰せば、リスクは最小限に抑えられるだろう。おそらく、選手たちもそうしたシリア対策をミーティングで叩き込まれているはずだ。