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自転車ブームと言われて久しい。既に自転車文化として定着しつつあるようにも見える。しかし、さすがに自転車を持参する旅となると気後れしてしまう。
そんな時に便利なのが、レンタサイクルである。今治市は、このレンタサイクルが充実している。その噂は国内だけでなく、海外にも伝わり、自転車文化の盛んな香港、台湾、フランスなどから観光客が多く押し寄せているそうだ。クロスバイクにチャイルドシート装着の自転車、電動アシスト自転車から二人で漕ぐタンデム自転車まで貸し出している。今治市のレンタサイクルの最大の魅力は、各地区にあるレンタサイクルターミナルで乗り捨て可能であること。さらに、県をまたいだ広島県尾道市とも提携しており、今治市のターミナルで借りて、尾道市のターミナルで乗り捨てるということも可能なのだ。これまた旅の選択肢が一気に広がる。

写真上:鯛一尾丸ごとバーベキューは、なかなか体験できるものではない。「能島水軍」で堪能できる。

二日目は来島海峡大橋のたもとにある糸山ライズで自転車を借り、瀬戸内海の様々な島をめぐることにする。糸山ライズはオーシャンビューのレストランを備えている。ホテルや旅館の朝食も楽しみだが、サイクリング前に、日本三大潮流の一つに上げられる来島海峡の景色を楽しみながら、地元で獲れたカマスやアジの焼き魚定食も魅力である。

第一大橋から第三大橋まで約4キロの来島海峡大橋。自転車で散走しながら味わう絶景は、一生の記憶として刻まれるだろう。ところどころで立ち止まって、じっくり眺めることができることもサイクリングのよさである。来島海峡は時間帯によって潮の流れが変わり、それによって航路が変わる。運がよければ海上自衛隊の潜水艦が浮上する光景も見られるかもしれない。第二大橋と第三大橋の間にある「馬島」は、車では降りられないが、自転車であれば降りて散走することができる。今治藩が馬を放牧していたことから、この名前がついた島は、現在、馬の島ではなく、花の島として知られている。

来島海峡大橋を渡り切ると、和田竜の小説「村上海賊の娘」の舞台として知られる大島に入る。村上水軍博物館近くの宮窪漁港から船で出発し、「海城」として唯一国の史跡に指定されている無人島「能島」(写真右上)に上陸する。天然の要塞といわれた能島村上水軍の本拠地の城跡を歩き、海峡に入ってくる船の見張りや伝達の方法、未だ見つかっていない宝の山など海賊の暮らしぶりを観光ガイドの話を聞きながら妄想するのも楽しい。港に戻ると海鮮バーベキューが待っている。炭火の七輪で鯛を一尾丸ごと焼く体験は他ではなかなか味わえない。

天気がよければ、再び大島まで戻って、亀老山展望公園から沈む夕陽に照らされた来島海峡大橋や四国山地を眺めることができるが、あいにくの天気で太陽は出てくる気配がない。そこで大三島の散策を続け、旅の安全のお礼を言いに山祇神社の総本社「大山祇神社」へ向かうことにする。瀬戸内海の夕陽は次回の旅に取っておこう。

写真左:全国に一万社あまりある山祇神社の総本社「大山祇神社」。国宝、国の重要文化財が多く、紫陽殿と国宝館に収納され、一般公開されている。

SHIMAP しまなみ海道観光マップ 瀬戸内しまなみ海道振興協議会
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