一次予選突破のU−18日本代表、主将の坂井が伝える前回大会の経験

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 キャプテンマークを託された意味は、よく分かっている。U−18日本代表の主将、MF坂井大将(大分トリニータ)は「これが予選。そのことを伝えていく役割が自分にはある」と話していた。

 10月2日から6日にかけてラオスにて開催されたAFC U−19選手権予選(U−20ワールドカップアジア一次予選)では、初戦を終えて多くの選手が「緊張してしまった」という言葉を残した。負けたら終わり。世代を代表して責任を背負い、独特のプレッシャーがかかる中で、ついつい慎重な選択ばかりを選ぶことが連鎖し、自分のプレーをできなくなる選手が続出する。飛び級で昨年のAFC U−19選手権に出場したかつての坂井自身がそうだったように。

「昨年(のU−19代表で)もそうだったけれど、やっぱり初戦は難しいんです。うまくいかない中でも落ち着くこと、焦らないことが何よりも大事だということは分かっていた。ただ、言葉で伝えきれていなかった。そこは反省しています。最終戦はまず雰囲気作りから気をつけていきたい」

 2勝同士で迎えた最後のオーストラリア戦。「引き分けでもいい」という計算の中で戦うのは存外に難しいものだが、坂井はボランチの位置でゲームを落ち着かせ続けた。

「みんな、今日(オーストラリア戦)は点が入らなくても焦らないでやれていましたよね。前半は入らなくて0−0だっていい、予定どおりなんだという気持ちで試合に入ったのが良かったと思います」

 内山監督は「1−0でしっかりと勝てるような、そういうチームにしたい」という希望を語っていた。これは守備の堅いチームにしようというニュアンスではなく、リスクをマネジメントし、ゲームをコントロールしながら勝ちきれるようなチームを目指すという意味である。その意味で、焦らず騒がず試合を運び、無失点の上に3得点を積み上げて勝ったオーストラリア戦はチームにとって一つの集大成になった。

 ただ、東京五輪世代の主将はこうも言いきった。「一次予選は通過点ですから」。南野拓実(ザルツブルク)、関根貴大(浦和レッズ)といった能力のある先輩たちとともに戦って敗れた昨年の苦い経験が坂井には息づいている。来年秋の最終予選に向けて坂井は「チャレンジャーという気持ちが何よりも大事」と語る。ここで勝ったからと言って浮かれることなく、アジア予選を侮ることなく前進していくこと。10年ぶりのU−20ワールドカップ出場に向けて、U−18日本代表はまず「挑戦者として」向かっていく。

文=川端暁彦