パ・リーグ主義で行こう! 
「ボブルヘッド」徹底比較 
■第2回 日本ハム・ロッテ・楽天編

 ソフトバンクとオリックスを紹介した前回に続いて、第2回は日本ハム、ロッテ、楽天のボブルヘッド比較をお届けしよう。なお、西武はボブルヘッドを作っていないので今回は比較対象外。球団関係者は「うちもボブルヘッドを作りたい」と発言していたので、今後の動向に注目したい。

【日本ハム】
 オリックスと同様、日本ハムもファンクラブのポイント制度「FANSポイント」を5000ポイント貯めると、好きな選手のボブルヘッドが1体もらえる。ラインナップは大谷翔平、中田翔、陽岱鋼の3種類。箱を開ける前から期待が高まる。なぜなら、パッケージに描かれた姿が、もうすでに似ているのだ。大谷のピッチングフォーム、力強いスイングの中田、ホームインする瞬間の陽、いずれも本物そっくりなのだ。

 しかし、箱を開けて実物を手にとってみると、陽の顔はそんなに似ていないことに気づいた。それでも、ヘルメットの後ろからこぼれる金髪ロングヘア、ホームインの瞬間に両手の人差し指を天に向かって指し示すポーズなど、複合技で「ソックリ度」を増している。なかなか高度な技術だと思う。一方の中田も力強いスイングは本人そのもの。少々、顔が似てなくても、投球フォーム、打撃フォームなど、選手自身のプレースタイルで似せさせることができるのだということを日本ハムボブルヘッドから教えられた。

 さて、今回、全34体のボブルヘッドを入手して、いろいろと比較してみたけれど、「キング・オブ・ボブルヘッド」の称号を与えたいのが、大谷翔平ボブルヘッドだ。ピッチングフォームも似ているけれど、何よりも表情そのものがソックリなのだ。箱から取り出してまじまじとその顔を見つめる。誰がどう見ても大谷にしか見えないよ! そこで、あることに気がついた。このボブルヘッドが大谷に似ているのではなく、大谷本人が「ボブルヘッド顔」なのだということに。ボブルヘッド職人にとって、実にありがたい存在、それが大谷なのかもしれない。

【ロッテ】
 ロッテの場合は球団オフィシャルショップで、1体1900円で一般販売しているので誰でも手に入れることができる。僕が入手したのは今江敏晃、福浦和也、岡田幸文、井上晴哉、アルフレド・デスパイネ、涌井秀章、鈴木大地、荻野貴司の8体。

 ロッテのボブルヘッドは他球団と比べると全体に小ぶりだ。ちなみに、日本ハム・大谷のボブルヘッドが全長16センチ、328グラムなのに対して、ロッテ・岡田は全長14.5センチ、158グラムだった。ソフトバンク・松田は全長18センチだから、松田と岡田のボブルヘッドを並べると、まさに大人と子どものような身長差が生まれる。コンパクトなかわいらしさが、ロッテボブルヘッドの魅力なのだろう。

 ロッテのボブルヘッドで、まず目につくのが涌井だ。顔は全然似ていないけれど、注目すべきはそのピッチングフォーム。真っ直ぐに伸ばした左手、一塁手寄りに折り曲げたグラブ、そして、真っ直ぐ下ろした右手。そのシルエットだけ見ても涌井だとわかる。あるいは、荻野の疾走場面、岡田のジャンピングキャッチの場面......。ロッテのボブルヘッドは、いずれも躍動感にあふれていた。
 
 投球フォームがそっくりなのが涌井だけれど、顔が似ているのがデスパイネだ。浅黒い肌質と、光沢のあるほっぺた。顔だけ部門で言えば、日本ハム・大谷に匹敵する激似だ。ボブルヘッド界1、2を争うソックリ度と言えるだろう。

【楽天】
 楽天はこれまでも年に数度、来場者特典として各選手のボブルヘッドプレゼントを行なっている。さらに、公式ショップでも2000円で販売しているので、多くの楽天ファンにとって、ボブルヘッドは身近なものになっていることだろう。

 楽天のボブルヘッドで「おっ!」と思ったのは銀次。ひげやもみあげに特徴のあるペーニャはそこそこは似ていた。でも、銀次に関しては目立った特徴もないのに、パッと見て「あっ、銀次だ」とわかった。でも、則本に関しては、どこをどう見ても則本には見えず、「うーん」と首をひねってしまった。

 個人的に「これはいいな」と思ったのが岡島のボブルヘッド。外野フェンス手前でジャンプをしている場面をモチーフにしているのだけれど、ロッテのボブルヘッドのように躍動感があり、自分の部屋に置いた途端にグラウンドの雰囲気が再現されたような気がした。

 部屋のインテリアでありながら、ただの置物ではなくて、そこに野球の匂いを感じさせることができるかどうか? それもまた「いいボブルヘッド」の条件なのかもしれない。そう、「顔が似ているかどうか?」ということよりも、たとえ表情は似ていなくても、その選手ならではの雰囲気やオーラを思い起こさせることができるかどうか? そこが、ボブルヘッドに必要なことなのだと、今回初めて気がついた。

(つづく。次回シリーズでは「OB出演イベント」を徹底比較します)

長谷川晶一(12球団ファンクラブ評論家(R))●文 text by Hasegawa Shoichi