Sponsored:バンダイナムコスタジオ x Engadget 電子工作部 第二回 Day 1レポート:テーマは『遊び』

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バンダイナムコスタジオとEngadget 電子工作部のコラボレーションによるIoTガジェット製作体験イベント『エンターテインメントのチカラで、未来を見せる』。全三回にわたるプロジェクトの第二回が始まりました。

第一回目は「夢」をテーマとしていましたが、今回は「遊び」。Engadget読者はご存じの方も多いと思いますが、このテーマはバンダイナムコグループのミッションである『夢・遊び・感動』から取られています。また、ナムコ時代のヘッドコピーである「『遊び』をクリエイトする」にも通じるテーマです。

各回は2日にわたって開催されますが、1日目(Day 1)はアイデアスケッチ&ハードウェアスケッチとして、ガジェット制作に必要な講習や講師からのアドバイスを聞き、アイデア出しをする日。アイデアのブラッシュアップや制作期間として2週間を挟み、2日目(Day 2)は制作の仕上げと発表という割り当てです。今回は、9月26日(土)に秋葉原のアーツ千代田3331で開催されたDay 1の模様をお伝えします。

「カタログIPオープン化プロジェクト」とは


今回のコラボの特徴は、バンダイナムコエンターテインメントの「カタログIPオープン化プロジェクト」でオープン化対象になっているゲームタイトル17作品を利用できること。「カタログIPオープン化プロジェクト」とは「パックマン」「ギャラクシアン」「ゼビウス」「マッピー」などのカタログIP 17作品のキャラクター、音楽、ストーリー、設定などを簡単な手続きで自分の作品や製品に活用できる施策です。

従来はこうしたカタログIPを自作に使いたくても、ライセンスを受けられるのは原則的に企業のみであり、企画や事業計画を提出したうえ、利用条件の交渉を重ね、契約を締結し、成果物に監修を受けて...、と大掛かりな手続きが必要でした。しかし、この「カタログIPオープン化プロジェクト」により、対象の17タイトルについては、個人クリエーターにおいても、簡易な申し込み手続きで活用できるようになりました。

バンダイナムコスタジオ主催による今回のイベントでは特別に、この「カタログIPオープン化プロジェクト」と同じ17タイトルのIPを利用できます。

「カタログIPオープン化プロジェクト」とは、バンダイ・ナムコ統合10周年記念企画として、株式会社バンダイナムコエンターテインメントが実施している取り組みです。公認クリエイターとして認められた方は、カタログIP(同社保有のオリジナルIP)17タイトルを使った二次創作が、デジタルコンテンツの領域において可能となります。なお、作品の公開は日本国内のみとなり、日本国内に在住のクリエイターを対象としています。※このプロジェクトのエントリーにはバンダイナムコIDが必要です。

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「2020年の子供が楽しめるガジェット」を

二回目のDay 1は、朝10時30分からの開始となります。



最初に、バンダイナムコスタジオでET開発本部 未来開発部 クリエイション課課長を務める堤康一郎さんから、 本イベントについての概要と、今回のテーマである「遊び」について説明がありました。あわせて今回の希望として、5年後となる2020年の子供が遊ぶようなガジェットを考えてほしい、という一言も。



続くバンダイナムコスタジオ NE開発統括本部 NE戦略本部 NE戦略部 NEプロジェクト推進課課長の豊田淳さんからは、カタログIPの権利に関する注意の解説を含むスピーチがなされました。

「社内のアイデアですと、『パックマンが口からミサイル撃っちゃあかんやろ』とか、どうしても出てくる発想に制限があります。個人の強みはそうした縛りが緩いところでもあるので、プロから出てこないような自由なアイデアを期待します」(豊田さん)。さらに「今回のプロジェクトは、社内的にも評価中の段階。皆様の成果によっては、今後他のイベントなどでもオープンイノベーションが加速するかと思います」と、さりげなく期待と愛情のこもったプレッシャーを掛ける一言も出ました。


続いて、今回の担当講師となるバンダイナムコスタジオ 未来開発部 クリエイション課の高子佳之さんから、自己紹介を交えて今回のテーマ「遊び」に対するアドバイスを紹介。



まずは「クリエイターの仕事は、自分たちとユーザーとの幸せの共有」との紹介からスタートし、続けて日常の中ではどうしても幸せを感じにくいため、日常を忘れるほどの非日常体験が幸せに繋がると続けました。



しかし、ユーザーを非日常に誘うためには、日常の感覚を持った点から入り口が重要。そこが取りかかり(フック)になると紹介。



高子さんがビジュアルアーティストとして参加したレースゲームの開発事案から、車や背景は現実感と日常感覚を持たせつつ、走っている際の挙動やフィーリング(時速300kmで滑るようにドリフトしてカーブが曲がれる挙動など)を非日常的とすることで、遊び(非日常)の世界へと導入していると具体例を挙げてアピール。

この日常感覚から入ることは遊びを求める人に対する「フック」として非常に重要なので、ここをポイントとして意識してほしい、とのアドバイスがありました。



次に登壇したのは、アートユニット『テクノ手芸部』のかすやきょうこさん。今回のスペシャルゲストとして、これまでテクノ手芸部で作ってきた作品を例に、ガジェットならではのポイントについて語りました。



ガジェットとして作ると、たとえば電源+LED+スイッチという回路でも外観や動作でまったく違ったモノにできると「へびすけ」と「うさぎ」の例で紹介。
前者は尻尾を噛む(触る)とビックリするように目が光るぬいぐるみ、後者は安定していると目が光っているが、倒れると光が消えるぬいぐるみ。回路は同じでも、ユーザーが受ける印象は大きく異なるというわけです。

また、あえてユーザーからの反応をさせない「何も起こらないこと」にも意味づけできるという点も重要とアピール。例として、以前開催したハッカソンで小さなお子さんの参加者が作った、うさぎのぬいぐるみの例を挙げました。

これは「小さいニンジンを出しても何も起きないが、大きいニンジンを出すと目が光って喜ぶ」という2段オチ的な動きをするぬいぐるみ。小さいニンジンには反応する仕組みが組み込まれていないため、当然なにも起こりません。しかし大小を用意して大きい方には反応させることで、「小さいニンジンには興味を持たない」という性格付けになります。何も起こらないことも重要になるというお話でした。



このように、ユーザーの想像を想起させる「余白」を作り、情報をリッチにしすぎないことで生まれるコミュニケーションがあると紹介。まずはシンプルなものを作ることが重要とまとめました。

この時点で時計は11時30分。午前の部の最後に、参加者の自己紹介と班分けがなされ、4つの班を作りました。自己紹介では、「第一回が面白かったので引き続いて参加した」という、嬉しい参加者も来てくれました。

午後から早速開発開始、アイデア固めと開発ボードのテストも



ここで昼食休憩を挟み、午後の部となります。まずは情報化学芸術大学院大学(IAMAS)の小林茂さんから、午前中に開催されたトークのまとめと、今後の進行、作業方法について紹介。



まずデザインチャレンジとしてこれまで言われてきたことを具体化し、「ゲーム開発のプロにはつくれない新しい『遊び』で、2020年の子ども達幸せを共有するには」と設定。「アイデアに正解、不正解はないので、皆さんの技を出し合ってほしい」とエールを送りました。





続いて、発想の取りかかりとして、今回作るガジェットは、「誰が」「いつ」使うものかというアイデアを出す「アイデアスケッチ」を開始。まずは色を分けた付箋紙にアイデアを出し、マトリクスシートに貼って選択。



続いてはそのシチュエーションを元に、ガジェットの特徴を示すイラストとしてアイデアを出し、班内プレゼンテーションでアイデアを選んでいきます。



3時からは、今回のガジェットの制御部として使うボード『konashi』の解説がkarakuri products代表の松村礼央さんからありました。konashiはスマートフォン向けガジェットを簡単な配線とプログラミングで作れるボード。



続いてkonashiを使った「ハードウェアスケッチ」として、基本的な動作例として、ボタンによるLEDの点灯やセンサーからの入力によるテスト回路の動作、そして組み替えなどを実際に体験する講座が開催。



ボタンとLEDによるテスト回路のボタンをタッチセンサーに変更するだけで、実際触れてみる感覚はかなり違うところや、konashiのユニークな機能であるBluetoothの電波強度計測(スマートフォンとの距離が測れます)などを体験。参加者から感心する声などが上がっていました。

コンセプトスケッチから発表へ





次に、アイデアスケッチでのチーム内投票と、それをさらに具体化する「コンセプトスケッチ」の作業に移ります。コンセプトスケッチはイラストだけでなく、ガジェットでは重要な大きさを理解するために、簡単なモデルを制作するための段ボールも配られました。このあたりの進行は、小林さんが自ら培ったノウハウが盛り込まれたものです。



そしていよいよ、班ごとのアイデア発表の時間が。どんなユニークなアイデアが出てくるか、審査員一同も楽しみです。

●1班



1班が出したアイデアは『大声で叫べ!! ワギャンメット』。『ワギャンランド』主人公の「ワギャン」をモチーフにした防音ヘルメットの中に、ヘッドマウントディスプレイを組み合わせたストレス解消デバイスです。

段ボールで作ったプロトタイプの完成度が高く、会場の注目を集めていたのが特徴的です。



回りを気にせず思い切り叫んで、合わせてスッキリする映像を見て(例としては、叫び声で倒壊するビルの映像でした)ストレスの解消をしようというもの。



ここから講評者として加わったユカイ工学代表の青木俊介さん(左端)からは「持ち運びできればさらにいいなと思った。街が壊せるというのは面白い」との評価。高子さんからは「ストレス解消の先があと一歩欲しいですが、アイデアのシンプルさと、切り口は凄いので期待してます」と期待を寄せました。

●2班



2班が出したアイデアは『勇者への道』と称するバッジ型ガジェット。これはSNSで多く使われる好感評価を現実世界に持ってきたい、という発想から生まれたアイテムです。

「いいこと」をしたい人が胸に付けて、他の人に「いいこと」をし、それがスマートフォン経由で評価されると胸のバッジのステータス表示が変化するというもの。レベルアップなども絡めたRPG的な仕組みを目指したい、とアピール。バンダイナムコのIPは、効果音やBGMを利用したい、とのコメントがありました。



青木さんからは「こういったタイプのガジェットは、『ほめてほしいが目立つのは避けたい』というつけづらさをいかに避けるかがポイント。現実世界でつかうよりも、いっそゲームに絡めるとよいのでは」との評価。

高子さんからは「仕組みの部分をかなり練っていると思った。ただし『遊び』というテーマから考えると、楽しさへの追求という点が弱いかなと思う。体感としての楽しさを先に見せると良くなる」とのアドバイスがありました。

●3班



3班が出したアイデアは、『宝箱』。これは『ドルアーガの塔』のイメージとのこと。子供だけでなく、冒険心を忘れた大人がそれを取り戻せるようなガジェットを、との発想から生まれたもので、スマートフォンで定められた特定の条件を満たすと開くのがポイント。



条件としては、位置情報により特定の場所へ持っていくことや、スタンプラリーやクイズ的なものを考えているとのアピールがありました。



高子さんからは「アイデアは面白いので、詰めるともう一歩いけるという期待感があります。遊び=スマートフォン側のゲームという考えよりも、箱自体の面白さを追求して、たとえば子供が入って遊べるぐらいの大きさにしてみると別の発展性がありそうです」との評が。

松村さんからは「条件を満たすと物理的に開くという点にガジェットとしての面白さを感じます。プレゼンテーションでも出ましたが、位置情報系コンテンツと絡めて特定の場所に行ったから開くなど、条件を詰めればすごく可能性があると思います」とのアドバイスがありました。

小林さんからも「宝箱というのは冒険に関連していていいと思う。冒険心を取り戻すというコンセプトを深めてほしい。面白そうなアイデアだと思います」と、総じてコンセプトへの評価が高いアイデアでした。

●4班



4班が出したアイデアは、『スターラスター』に掛けた『スターラス太鼓』。これは子育ての悩みである、子供がおもちゃを欲しがる時の折衝に使うガジェットとのことで、「子供がオモチャをほしがるとき、戦いがはじまる!!」とのキャッチが添えられていました。



動作としては、スターラスターのゲームシステムである「星の陣取り」にあやかり、子供と親との間で、おもちゃの要求を通す(または阻止する)ための交渉をゲーム化。子供側は太鼓を100万回(一例)叩けばOK、大人側はそれを阻止するためにダイエットプログラムを実行する(こちらも一例)などやりとりをして、交渉ごとを遊びにしよう、というアイデアです。

なお班からは「こどもがきちんと目標を達成したら、そこは大人もフェアにおもちゃを買ってあげてください」とのコメントも。

青木さんからは「結構システムが複雑に見えるので、使いそうな低年齢層が理解してくれるかが鍵になりそうです」との実体験に即したと思われるコメントが。
高子さんからは「遊びよりは仕組み的な印象を感じる。子供にとって太鼓がおもちゃを買う前のステップなので、遊びとしては、太鼓自体を叩きたい、と思うような仕掛けを盛り込めれば」という意見も出ました。

一方で、Engadget編集部からは「そもそもスターラスターと太鼓を繋げるアイデアが凄い。なかなか出てこない発想」という賛辞も。



こうして四班四様のアイデアが出たところで、Day 1の行程は終了。最後に高子さんから締めの言葉として、以下のアドバイスがありました。

「仕組み的な難しいところをいきなり考えているのではないかと感じました。野球で言えばルールから考えている印象がありましたので、テーマである遊びという観点からは『バットで玉を打つ面白さ』から先に出してもいいのではと思います。もっとシンプルに、楽しいところから考えてもらってかまいません。今回カタログIPの対象となっている作品は、年代が古いこともあり、シンプルさが特徴のゲームもあります。そうしたところを参考にいただくのもよいのでは」



こうして閉幕したDay 1。2週間という限られた時間で、4つの班がどういったガジェットを用意してくるのか、楽しみなところです。

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