0-4とナポリに大敗した4日の一戦は、ミランの全関係者にとって簡単に消化できない打撃だった。シルヴィオ・ベルルスコーニ名誉会長はテレビの前で沈黙し、アドリアーノ・ガッリアーニ代表取締役は試合が終わる前にスタンドを離れた。試合後のシニシャ・ミハイロビッチ監督は大きく落胆し、まるで困惑している様子だった。選手たちは努力したが、ナポリとの差を目の当たりにした。

試合翌日は公で何もなく、沈黙はクラブと指揮官の関係が冷えたのではないかと疑いをもたらした。だが、内部ではいつもの試合後と同じように、クラブと指揮官が連絡を取っていたようだ。5日、ミハイロビッチ監督とガッリアーニ代表取締役、そしてミハイロビッチ監督とベルルスコーニ名誉会長が、それぞれ電話で話し合っている。

このシーズン序盤戦、常に彼らはコンタクトを取っていた。ゆえに、目新しいことはない。全員から笑顔を奪った結果ではあるが、指揮官と首脳陣の人間関係はそれを上回るものだ。クラブはミハイロビッチ監督を近くで支えている。

序盤戦ではミランの“穴”が示された。だが、復調し、順位を上げられるとの確信は変わらないようだ。その意味で、日程はミランにとって有利となるかもしれない。17日はトリノとの簡単ではないアウェーゲームだが、その後の2連戦はホームでサッスオーロ、キエーヴォとの対戦だ。

ここで3連勝、少なくとも勝ち点7を手にすることができれば、順位は大きく上がるかもしれない。ローマ、フィオレンティーナ、ナポリ、インテル、ユヴェントスといった上位を争うライバルたちが直接対決を迎えるからだ。

今のミランには、ナポリに大敗したときのラツィオのようなことがあるかもしれない。このとき、ラツィオのステファノ・ピオリ監督は進退が騒がれ、チームはバラバラになり、順位も悪かった。だが、それから3連勝を飾り、ラツィオは現在3位だ。

もちろん、試合に勝たなければいけない。カルピ、ヴェローナ、フロジノーネ、ボローニャと、かなり楽とみられるカードは前半戦最後の4試合。それまでは厄介な試合と厳しい試合とが入れ替わりで続く。つまり、継続性を身につけるのは簡単ではないということだ。

だが、ミランは順位を上げなければいけない。ローマで家族と2日間を過ごしたミハイロビッチ監督は、7日からチームとの仕事を再開する。現時点で、ミハイロビッチ監督の立場はまだ固い。