パ・リーグ屈指の好捕手の動きが球界の勢力分布図を変える。

 中日・谷繁元信兼任監督(44)が現役引退を表明した。連続試合出場記録を塗り替え、来季からは監督業に専念。誰もが思い描いていた規定路線だ。しかし、谷繁兼任監督の引退表明と前後して、中日グループのドン・白井文吾オーナーから意味シンな発言が飛び出した。
 「契約書を調べないといかん。オレが知ってることと違う」(9月14日)

 監督・谷繁は来季、4年契約の3年目を迎えると思われていた。その後、同オーナーは「勘違い」とし、自身の発言を撤回。しかし、落合博満GMを中核とした現体制の仕掛け人はオーナー自身である。勘違いするはずもないのだが…。
 「戦力補強に関する責任者は落合GMです。最下位に関する責任を問う声が出ないのは、後ろ盾である白井オーナーが来年もドラゴンズのオーナーを続けることが確認され、落合批判がタブーとなったからです。しかし、地元TV局は対巨人戦の視聴率が1ケタ台に落ちており、これに対し何もしないのでは示しが付かない。そこで、落合GMがいったん監督に復帰し、チームを建て直すとも噂されています」(球界関係者)

 白井オーナーの不可解な発言はそのためか…。いずれにせよ、今オフのチーム補強も落合GMが仕切ることになる。そこで落合GMはサプライズを温めていたのだ。
 「FA権を持つ好捕手が3人います。楽天・嶋基宏、埼玉西武・炭谷銀仁朗、日本ハム・大野奨太です。炭谷の中日移籍は去年も囁かれたが、実現しませんでした。谷繁の後釜となりうる正捕手が育たないのなら、外部から補強するしかない」(ベテラン記者)

 そこで、急浮上してきたのが、嶋基宏だ。嶋は現職の選手会会長でもある。その選手会を長年支えてきた事務局長の松原徹氏が病死したのは、9月20日。
 「松原氏は元ロッテ球団のスタッフでした。落合GMとは現役時代から交流があり、プロ野球選手会とかかわるようになったのも、落合GMによるものなんです。落合GMの人情家な一面、心許した人に対しては面倒見も良いということは、松原氏から嶋も聞かされています」(前出・球界関係者)

 昨季FA権を得た嶋は、「このチームでもう一度優勝したい」と言って残留。だが、三木谷浩史オーナーの現場介入にもっとも怒っているとされ、去就が注目されている。
 「嶋は東日本大震災の被災者に向けたスピーチをしています。落合GMは表には出ないが、球界の救災チャリティーについて『一過性で終わらせるな!』と後方支援してきました。選手会要人は落合GMを信頼しています」(前出・同)

 巨人も阿部に代わる正捕手の補強を考えているが、嶋の世代はメジャーリーグ中継を見て育ったため、「巨人ラブ」のみではない。したがって、嶋争奪は中日の圧勝となりそう。落合GM初のFA交渉も見物だ。