この世にぴったりの靴がほとんどない件【山本ゆり爆笑エッセイ&レシピ】
 累計350万部突破のベストセラー料理本『syunkonカフェごはん』シリーズ。著者・山本ゆりさんのブログ「含み笑いのカフェごはん『syunkon』」は月間600万PVを誇り、レシピはもちろん、添えられたエッセイがめっちゃ笑えるとして大人気なんです。

 あまりに面白いので、このたびエッセイ約90編+αを集めた『syunkonカフェ雑記 クリームシチュウはごはんに合うか否かなど』が刊行されました(レシピ付き)。

 その傑作選として、前回は「恐怖の冷蔵庫掃除」をご紹介しましたが、今回ご紹介するエッセイは読者からの反響がもっとも大きかったという1編です。わかる〜〜〜!

◆エッセイ「この世にぴったりの靴がほとんどない件」

 わかる------!って声がきこえてきそうですが、靴を買うのが苦手です。
なんであんなに合わへんのやろう。特にパンプス。これまでに何足失敗したことか。

 私の足のサイズは23.5?なんで、特別大きくも小さくもないんですが
幅広なので気にいった靴がはいらない場合が多いんです。
見た目そんな「幅広!!!」って感じじゃないから、店員さんには「お客様全然大丈夫ですよー」って言われるんですけど、全然大丈夫じゃないんです。お客様は。
かといって幅を合わせるとかかとがパカパカで
歩くたびにカポン、カポン、カポン、カポン、カポン、カポン、カポン、カポン、カポン、カポン、カポン、カポン、てなる。(何歩進むねん)

 ちょっとキツいけど、見た目が気にいってどうしても欲しくなってしまい、せっかくはいったし多少我慢したらいっかで買ってしまうと、最初はよくてもどんどんどんどん痛くなってきて。もう、梅田のど真ん中で脱いで手に持って裸足で走って帰りたくなる。「お願い…メイのところに通して…」ってなる。

 しかも、私はハイヒールが履けないんです。ふくらはぎがプルプルプルプルカタカタカタ…と、産まれたての小鹿になる。だから低めのヒールで、幅もあって、かかとも脱げない、ってのが見つかったら、もうほとんど奇跡の出会い。
ただこれ、試着の段階ではわからんのが厄介やねんなあ。
お店の中で5〜6歩歩いたぐらいじゃわからんねん。
せめて店内15周したい。(邪魔やわ)

 足をいれる段階で「はいサヨナラ!!!」っていう靴ならいいけど
一見フィットしてるように見えても、1日履いて歩き回って帰る頃には、かかとと両小指の外側が水膨れ、もしくは流血っていう靴も多くて。
最初は優しかったのに付き合った瞬間DVが発覚したような気持ちになるわ。(まさかこんな人だったなんて…)

 さらに私は、ガニ股ですり足、っていう最低の歩き方なんですね。直したいわこれ。
かかとの外側だけがどんどんどんどんすり減っていくねん。
今までで一番ひどかったのが、高校時代に清水の舞台から飛び降りる気持ちで買った8900円のブーツ。(当時で8900円はほんまに相当な値段やった)立てたら
外側にファーーーン…って倒れていくほどに擦り切れて、ついにかかとの外側だけ
底全部なくなって穴開いた。(どこまで履くねん)

 そんな歩き方やから靴の損傷が半端なくて、せっかく気にいったパンプスでも、1シーズンで完全に履きつぶして終わるんです。
でも時間ある時しか探されへんから、どちらかというと見つけるより失うほうが早いねん。探して見つけて失ってまた探して。キャンユーセレブレイト状態。

 女性はみんな「靴ばっかり増えて靴箱にはいらなくて…」っていうし、姉も母も、靴箱から溢れた靴が部屋の中やらクローゼット埋め尽くしてるのに、私だけほとんど一定量っていうな。履きつぶしたから買い替えるスタイル。電化製品か。

 理想ではセックス・アンド・ザ・シティみたいに、棚あけたらズラーーーーッて靴が並んでて服とカバンにあわせて選びたいのに、もはや消去法やから。