今年のプロ野球も大詰め。グラウンド外では、水面下で、ストーブリーグの動きもにわかに活発化してきた。そこで、本誌はスポーツ紙記者に参集いただき、座談会を開催。今シーズンを振り返りつつ、ストーブリーグの展望を語ってもらった。スポーツ紙では書けない裏話満載だった座談会の模様を、お届けしよう

プロ野球覆面座談会メンバー

A 入社2年目の駆け出し記者で関東のセ・リーグ球団を担当するが、もともと競馬記者志望で、入社したため、プロ野球のことは詳しくなく、今、猛勉強中だという。

B 入社12年目の中堅記者。強豪県立高校の野球部出身で、大学卒業後、野球を諦めて記者の道に。学生時代のパイプを駆使し、現場の声を丹念に拾い上げている。

C 入社以来25年、野球記者一筋で、現役選手のみならず、監督、コーチ、フロントなどとも太いパイプを持ち、オフのストーブリーグの動きに、かなり精通している。

A まず、パ・リーグはソフトバンクが断トツの強さでしたね。工藤公康監督も1年目ながらも見事に初優勝を飾りました。

B 当初の下馬評通りの結果でしたね。まあ、水を差すようで悪いですが、あれだけの戦力があれば、誰が監督しても勝てますよ。

C ただ、CSは安泰じゃないだろうね。工藤監督も、日ハムが勝ち上がってきた場合、2枚看板である大谷翔平とメンドーサは"おっかない"と、今から警戒しているらしい。

A 一方のセ・リーグは優勝候補の筆頭として挙げられていた広島が足踏み。

C "黒田フィーバー"が過熱しすぎた結果だろうね。

B 主砲・エルドレッドがシーズン中に、奥さんの出産のため一時離脱したこともありましたからね。

A 巨大戦力といわれた巨人も、苦しいシーズンだったのでは?

B 内海哲也、杉内俊哉、西村健太朗、大竹寛と年俸1億円以上の選手が4人も二軍にいた時期もあった。阿部慎之助も正捕手として長年蓄積したガタが、ここにきて出てきた。

C これだけ少ない戦力で、原辰徳監督はよくやってると思うよ。

A 前評判が高かった2球団に比べ、ヤクルトは最下位予想が多数を占めていましたが……。

B 打撃は去年からよかったけど、今年はそれが爆発しましたね。特に、山田哲人は、3割、30本、30盗塁の"トリプルスリー"で、プロ野球新時代を実感させてくれました。

C 山田はハートのある男でねえ。2011年の中日とのCS第2戦でデビューしたんだけど、監督に直訴してスタメン入りが決まった。高卒新人なのにイイ度胸だよ。出るべくして出てきた待望のスターだね。

A 高校時代は、朝練にほとんど出なかったって噂は本当ですか?

B 本当です。自分のポリシーを持っている男ですから、無駄と思った練習はやらない。練習嫌いではなく、必要だと思った走塁の練習には力を入れるんです。

A ソフトバンクの柳田悠岐も"トリプルスリー"です。

B 彼の広島経済大での記録はすごい。7シーズンで首位打者は4回で、通算打率が、なんと.428。

C ドラフトの際、スカウト陣の間で、柳田か秋山翔吾(西武)かで紛糾したんだけど、最終的に王会長の裁断で指名が決まったんだ。

B 秋山は今季200本安打を達成していますから、どちらも当たり(笑)。ただ、柳田は個性的な打ち方をするんですが、王会長がコーチ陣に、直々に「フォームには一切、手をつけるな」と厳命したといいます。

C 王会長のこうした育て方が、柳田を開花させたと言えるだろうね。

A さて、シーズン終盤になって、ストーブリーグが騒がしくなってきました。

B 前評判が高かったものの、下位に沈んだオリックスは監督が代わりますね。

C オリックスの宮内義彦オーナーは、イチローを監督にすることにご執心だけど、来季はまだ無理だろう。メジャー通算3000本安打を達成するために、来季もメジャーから動かないだろうね。

B そこで、繋ぎ役として急浮上したのが、今季からオリックスの巡回アドバイザーに就任したラミレスらしい。オーナーと極秘面談していると、もっぱらです。

A 下位に低迷した中日は、どうなりますかね。

C  中日新聞社の6月の株主総会で、白井文吾オーナーの続投が決まったから、オーナーと蜜月の落合体制は変わらないだろうね。

B 暗黒時代がまだ続くのかって、中日ファンは嘆いています。谷繁元信監督は選手は引退、監督としても去就は"白紙"との話もあります。

嶋残留濃厚で巨人が大慌て!

A 下位といえば、横浜も前半戦は首位で折り返したものの、後半戦で急失速のていたらくぶりでした。

C 中畑監督が進退伺いを出すような事態にはなると思うよ。ファンに対して示しがつかないもん。ただ、中畑のパフォーマンスが観客増に繋がっていることも確かだから"もう一度やってくれ"と慰留されて、辞意を撤回するという臭い芝居が展開されると思うね。

A パ・リーグで下位の楽天は大久保博元監督が正式に辞意を表明しましたね。

C 楽天は、三木谷浩史オーナーの現場介入問題が表面化して、誰もやりたがらなかった。そこで、横浜の監督の目がなくなった佐々木主浩と、星野仙一さんの電撃復帰の2択と思われていたんだが、ここにきて急展開があったんだ。

A 星野のSDから取締役副会長への昇格人事ですね。

C 副会長は実質的なGM職らしい。結局、三木谷オーナーが批判を嫌って、星野さんにチーム編成を任せた格好なんだ。

A それで、星野副会長の愛弟子である立浪和義の名前が"次期楽天監督"として取り沙汰されているわけですね。

B ただ、この星野副会長就任で、一番慌てているのが、巨人なんだとか。

C 巨人は今オフに、楽天の嶋基宏獲得は既定路線だった。嶋は、昨年から移籍の話題が絶えなかったんだ。というのも、三木谷オーナーの現場介入にキレまくっていたからね。巨人もそれを知っていたので、今年こそは球団を出ると踏んで、獲得できるとばかり思っていた。

B でも、星野副会長が主導権を取り戻して、嶋の引き止めにかかれば、嶋も出る理由がなくなりますね。

C 巨人は、小林誠司に早くも見切りをつけたらしいから、嶋がダメになる可能性が高いので、大慌てで、西武の捕手・炭谷銀仁朗の調査を始めたらしい。

B でも、炭谷は昨年から中日が谷繁の後釜として、獲得に動きだしているという話がありますよ。

C 西武側も、捕手の森友哉が昨年、高卒ルーキーとして46年ぶりに3試合連続ホームランを放ち、今季も好成績を残したので、炭谷は出す方向で決定らしい。

A となると、中日と巨人の獲り合いですね。

C ただ、炭谷争奪戦から、早くも巨人が降りたという噂もあるんだ。というのも、巨人は今年のドラフトで捕手を1位指名するという計画が浮上しているらしい。

B それって、巨人のドラ1が、小笠原慎之助(東海大相模)から社会人ナンバーワン捕手の木下拓哉(トヨタ自動車)に切り替わったという噂のことですね。

C 実際、7月に木下が出場した都市対抗戦には、巨人のスカウト陣が7人も送り込まれたというからね。ドラ1かどうかは、まだ分からないが、喉から手が出るほど獲りたいというのは間違いなさそう。

オコエはロッテが単独指名!?

A ドラフトといえば、今年の高校生は豊作で注目が集まっていますね。

B 高校生が粒揃いということもあるけど、今年は超目玉と思われていた大学生たちが揃って、故障したり、調子を落としているんですよ。駒澤大の今永昇太なんて、左肩の炎症を理由に春のリーグ戦では一度も投げてないし、富士大の多和田真三郎も、6月の大学選手権から一度も姿を見せていない。

C 多和田については、キナ臭い噂が流れている。西武が単独指名したいがために、投げさせないようにしているんじゃないかと。スカウト陣は、多和田の投球が見られないと、指名には踏み切れないからね。

B 西武は"前科"がありますよね。13年に、TDKの豊田拓矢が同じように、ほとんど登板していない状況で、西武が指名しました。

C 多和田は故障箇所が、右脇腹から肩甲骨、右肩と情報がコロコロ変わっていることも、噂の信ぴょう性を高めている。

A 高校生は、どうでしょうか。小笠原、関東一高のオコエ瑠偉、仙台育英の佐藤世那など、甲子園を沸かせた選手が大勢います。

C ただ、高校生ナンバーワンは、やっぱり岐阜商の盒興稱燭世蹐Δ諭9短勹爐砲禄仂譴任なかったが、5球団くらい1位で競合する可能性がある。

B 実は、岐阜県予選のときに、投げるといわれていた試合に盒兇投げない日があったんです。各球団のスカウトが空振りとなった中、日ハムのスカウトだけ来ていなかったんですよ。日ハムだけが登板しない情報を知っていた。つまり、"盒兇脇ハムが囲っているんじゃないか"なんて噂が立ちましたね。みんな、疑心暗鬼ですよ。

C 巨人は小笠原一本だと思っていたけど、さっきも言ったように、そうとも限らなくなってきた。どっちにしても1位指名でないと獲れないだろうけどね。

B オコエも、ここにきて評価が急上昇しています。最初は"外れ1位か2位指名で十分だろう"と考えていた各スカウトも、1位じゃないと獲れないと考えを変えてきた。

A でも、どのチームも1位は投手でいきたいのが本音なのでは?

C だから、オコエを1位指名候補にリストアップしたと公言しているロッテが一本釣りかもしれないな。ロッテには、オコエの親戚にあたる内竜也もいるしね。

B 今年のドラフトもペナントの行方同様に、興味津々。何が起こるか分からないから面白いよ。

選手たちのプレーを見ているだけでは分からないプロ野球界の裏話の数々。ペナントレース、ストーブリーグと、今後ますますプロ野球から目が離せない日が続きそうだ!