まれに見る大混戦となったセ・リーグを制したのは、2001年以来、リーグ優勝から遠ざかっていたヤクルトスワローズだった。

「開幕前の下馬評では、Bクラス予想が大半。まさか秋に優勝予定原稿を用意することになるなんて思ってもみませんでした(苦笑)」

スポーツ紙のヤクルト担当記者でさえも驚きを隠せない、今季の大躍進。2年連続最下位のボロボロチームが、優勝候補の巨人、阪神、広島を押しのけて主役に躍り出たのだから無理もない話だ。

「FAでロッテから成瀬善久(なるせよしひさ)、日本ハムから大引啓次(おおびきけいじ)を獲得したとはいえ、戦力不足の感は拭えなかった。実際、開幕前にヤクルト優勝を予想した評論家は、OBの古田敦也や氏と元巨人の江川卓氏だけ。古田氏は仲のいい真中監督に対する応援の意味合いが強かったのですが、江川氏がなぜ優勝予想したかは、いまだに不明です(苦笑)」(前出・ヤクルト担当記者)

そんなヤクルトの“爆発的成長”を支えたのは、やはり選手たちの活躍だ。中でもチームに最も貢献したのは、二塁手の山田哲人(てつと)だろう。

昨季、日本人右打者最多記録の193安打をマークしてブレイクすると、今季は3割・30本・30盗塁という“トリプルスリー”の達成が確実。一時は三冠王も射程にとらえる大活躍だった。

また、守備や走塁も三木肇(みきはじめ)作戦兼内野守備走塁コーチとの二人三脚で格段にレベルアップ。盗塁数は昨年の15個から2倍以上に激増し、守備面も失策数が減った上、守備範囲が広くなり、ポジショニングや送球コントロールも改善された。

視察に訪れたメジャーリーグのスカウトは、「走攻守すべてメジャーレベル。今すぐ飛行機に乗せてアメリカに連れて帰りたい」と興奮気味に語ったという。

「身長180cm、体重76kgと今も細身ですが、スイングスピードは高校時代すでに150キロを超えていた(ちなみに、2013年の春季キャンプで計測されたバレンティンのスイングスピードは151キロ)。早出特打ちは当たり前で、同僚選手も驚く練習量をこなし、皆が『あいつはモノが違う』と認めています。

ただ、努力もしますが、それ以上に天才的な部分がある。スコアラーが集めたデータは参考程度で、打席内での感性を重視して抜群の反応でバットをさばく。キャンプなどで合図に合わせてダッシュする練習でも、山田の反応速度は群を抜いています。

また、視力は右が0.7、左が0.4とよくないのですが、『コンタクトが合わない』と言って裸眼で打っている。ホント、超人です」(チーム関係者)

そんな主砲の活躍を筆頭に、今年のヤクルトには粒ぞろいの選手がそろっていた。いつの間にか優勝にふさわしいを陣容となっていたわけだ。

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