U−18日本代表、ラオスの環境に適応も問題発生…ボールはどこに消えたのか

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文・写真=川端暁彦

 10月2日に開幕したAFC U−19選手権バーレーン2016予選。ラオスの地で初戦に2−0と勝利を収めたU−18日本代表は3日、首都ビエンチャンにあるラオスサッカー協会のグラウンド、FIFAフットボールセンターにて練習を行っていた。

 同グラウンドはFIFA(国際サッカー連盟)のゴールプロジェクトによって建設された人工芝のグラウンド。これは協会本部やグラウンドなどの施設建設をサポートするFIFAの助成金システムで、特に途上国のプレー環境向上に小さからぬ意味があった。もちろん、各国が持つ「票」を狙った施策だという批判もあるのだが、施設を使う指導者や選手にとっては恩恵以外の何者でもない。

 かつてラオス代表監督としてこの地で過ごした経験を持つ木村浩吉団長(JFA技術委員)は「代表チームもずっとこのグラウンドで練習していたからね。懐かしいよ」と目を細めつつ、合宿所も兼ねる施設の概要を解説してくれた。木村団長の“ラオス力”はかなりのもので、「屋根がないから、スコールがあったら嫌ですね」というこちらの発言に対して、「いや、スコールはないな。来るときは特有の風があるから、俺にはわかるんだ」とキッパリ。事実、スコールは最後までなかった。

 日本代表が泊まるのは市内の高級ホテル。「きれいなホテルだし、食事もいいし、すごく快適ですよ」とFW一美和成(大津高校)は笑う。木村団長が“ラオス力”を発揮するまでもなく、環境面への適応に問題はなさそうだ。ホテル施設内にはプールもあり、試合翌日に出場時間の長かった選手たちは、そこでリカバリーメニューをこなすこともできる。

 暑さについても、「ラオスでは、いまが一番過ごしやすい時期」と木村団長が言うように、30度を超える暑さはあるのだが、日本の夏と比べればシリアスなものではない。夏休みに多くの試合をこなしている選手たちがほとんどだけに、問題にはならなそうだ。加えて日本はフィリピンとの第2戦でメンバーをガラリと入れ替える見込み。選手層の厚みを利してオーストラリアとの第3戦に備える構えだ。

 ただ、問題(?)もあった。AFC U−19選手権予選では、ホストチーム(この場合はラオス)がボールを用意する権利と義務を負っている。今回は『グランドスポーツ』という日本では耳慣れないタイのメーカーのものが使われており、日本チームもボールを調達して練習に使用している。ところが、3日の練習後にそのボールが2つも足りない。1個はFW岩崎悠人(京都橘高校)の“ホームラン”によるものと分かって困難な「柵越え作戦」と「物干し竿作戦」の末に回収されたのだが、もう1個は選手・スタッフ総動員での「捜索活動」にもかかわらず、発見されなかった。

 備品を管理する本間一憲総務が「問題ですよ!このチーム、前にもなくしていますから!」と本気で憤慨していたように、モノを大事にするメンタリティーを持つ日本人のチームからするとあってはならぬ事態。GK廣末陸(青森山田高校)から「ホテルに忘れてきただけじゃないですか?」(つまり元々数が少なかった)という仮説が事実なら良かったのだが…。