朝ドラ「あさが来た」(NHK 月〜土 朝8時〜)10月3日(土)放送。第1週「小さな許嫁」第6話より。原作:古川智映子 脚本:大森美香 演出:西谷真一


6話は、こんな話


あさ(鈴木梨央)は、母・梨江(寺島しのぶ)から、実は、あさが山王寺屋に嫁ぐ予定だったのだと聞かされ、姉・はつ(守殿愛生)には絶対言えない秘密をもってしまう。そして時は流れて、1865年、あさ(波瑠)は15歳になった。

あっという間に大人俳優に


もうしばらく、達者な鈴木梨央演じるあさを見ていたかった気もするが、わずか6話で成長してしまうからこそ、玉木宏と年齢差あり過ぎでも強行したのだなあともナットク。
!あっという間に4年が経過“
”主人公あさが恵まれ過ぎている“
これまた朝ドラあるある。それにしたって、あさの幸運はかなり重い十字架のように感じてしまう。あさが、あの、性格悪そうな貧乏揺すりもする白蛇さんこと惣兵衛(柄本佑)と結婚するはずだったとは。はつには言えないとあさが思うのも無理はない。しかも、新次郎は元々あさが気に入っていたと聞いて、あさは「なんやろこの気持ち」ともやもや。完全にときめいてしまったのだろう。姉への後ろめたさを抱えながらの禁断の喜びを11歳にして知ってしまったあさ。主人公に、もうひとつのあり得たかもしれない姿(もしも白蛇さんに自分が嫁いでいたら・・・)をつくったことが、今後、あさの生き方にどう影響を及ぼしていくのか気になる。
波瑠演じる15歳になっても木登りをする相変わらずお転婆なあさは「梅のつぼみが膨らんでる」と微笑む。6話の冒頭、新次郎がくれたパチパチはん(そろばん)は梅の木でできた珍しいものであることが語られていて、梅つながり。そのそろばんを使って学問も上達していくあさは、前途洋々といった感じだ。
となると、気になるのははつのこと。主人公ともうひとりの女の子とが太陽と月のように対比を見せていくのも、朝ドラあるある。対称的な人物を置くことで、主人公の心情や状況がわかりやすくなるのは、作劇の基本中の基本でもある。いやでも、はつにも幸せになっていただきたい。

1話であさが語った「女子の柔らかさ」という視点は、おじいちゃん・忠政(林与一)譲りであったことが6話でわかった。
おじいちゃんは、時代の変り目、「みんなで力を合わせて笑って切り抜けるのだ」ともあさに語りかける。
幕末というと「時代の夜明け」というイメージがあり、「あさが来た」のタイトルはそこにもかかっていたのだ。時代の夜明け、あさがどんなふうに生きてゆくか、第2週から話が本格的に転がっていきそうだ。
(木俣冬)