侍ジャパンが9月10日に国際野球大会『プレミア12』(11月8日開幕)の出場候補選手を45人まで絞り込んだことを発表した。7月16日に発表された65人の候補選手から20選手が外された。侍ジャパンの事業会社であるNPBエンタープライズは、今後も選手を少しずつ絞り込んで行き、ファンの関心を煽ろうとしているのだろう。しかし、この大会は盛り上がりそうもない。オリンピック同様、大リーグ機構にはまるで他人事のようだ。
 「プレミア12が開催される件は、全く報じられていません。アメリカの野球ファンは知らない人のほうが多いのでは」(米特派記者)

 プレミア12の主催は『世界野球ソフトボール連盟』(WBSC)だ。そもそも、プレミア12が創設された背景には、オリンピックの野球・ソフトボールの『実施競技除外』が影響している。
 北京五輪を最後に野球競技がオリンピックから消滅することが決定し、野球の国際的統括団体だった『国際野球連盟』(IBAF)は、国際オリンピック委員会(IOC)からの補助金を受けられなくなった。そのため、IBAFは一気に財政難に陥り、国際大会の継続はおろか、組織の存亡危機にまで危ぶまれたのだ。そのとき、IBAFがSOSを出した先が、大リーグ機構だった。

 大リーグ機構は財政支援をする見返りとして“ある条件”を突き付けてきた。それは、「自分たちが主催するWBCを、IBAFの世界選手権として公認すること」と、「IBAFが公認(主催)する野球ワールドカップ大会を廃止すること」だった。
 「野球のワールドカップは認知度が低かったとはいえ、1938年から始まった歴史があります(2011年終了)。それでも、IBAFが大リーグ機構の条件を受け入れたということは、よほどの財政難に陥っていたのでしょう」(スポーツライター・飯山満氏)

 その後、IBAFが五輪競技復活を目指し、国際ソフトボール連盟(IFS)と統合してWBSCを結成。復活アピールと競技人口の拡大を目指し、新たな国際大会を創設しなければいけないというところで誕生したのが、今回のプレミア12だった。大リーグ機構にすれば、「WBCを公認しただろ、何それ!?」といった心境だろう。したがって、メジャーリーグのトップ選手を派遣する気など、最初から持っていなかったのである。
 「WBCは主催の大リーグ機構しか儲からないシステムになっています。前回大会前、日本が改善を申し出たものの、他国はそれに追随する動きさえ見せませんでした。また、WBCにしても、メジャー30球団のオーナーが主力選手を出し渋り、米国内の盛り上がりもイマイチです」(飯山氏)

 ライバルとなる韓国、台湾もプレミア12にさほどの関心を示していないため、日本だけがトップレベルの選手を派遣し、アジアのライバル関係をクローズアップできなくなる可能性も高い。7月の第一次候補選手発表のときは、中田翔が中村剛也(西武)や柳田悠岐(ソフトバンク)らとの4番争いについて聞かれると、「くだらない質問するなよ」と、キレ気味に返答していた。メジャーリーグの非協力的な態度を聞かされていたからか、NPBの選手からも「出たい、世界にアピールしてやる」の意気込みは聞かれない。