ヴァイッド・ハリルホジッチ監督にとって、今週末のリーグ戦はいつも以上に気になるに違いない。長友は、酒井高は、出場機会を得られるのか。本田は先発に復帰できるのか。このところゴールから遠ざかっている岡崎と武藤は、ゴールネットを揺らすことができるのか。10月8日にシリアとのW杯2次予選を控え、指揮官は選手の動向に神経を尖らせていることだろう。

 マスカット(オマーン)に集合する23人の顔ぶれに、これまでとの大きな変化はない。CBのポジションに槙野が復帰し、ケガの酒井宏を招集できない右サイドバックには、塩谷(広島)がピックアップされた。遠藤航(湘南)が負傷しなければ、彼が右サイドバックに指名されていたかもしれないが……。いずれにせよ、右サイドバックは酒井高と塩谷の2人が担当する。

 ハリル監督の構想でボランチを務める遠藤航を欠くことで、柏木が中盤のひとりに名を連ねた。浦和レッズ所属のレフティーは、先の東アジアカップでハリルホジッチ監督のテストを受けるはずだった。しかし、直前のリーグ戦で負傷したため、藤田(鳥栖)に“受験資格”を譲った経緯がある。

 2列目でもプレーできる柏木の特性は、指揮官の選択肢を柔軟にする。後ろ(守備)の組み合わせを豊富にする遠藤航に対して、浦和レッズのレフティーはボランチから前の組み合わせを厚くする。
  
 20歳の南野拓実が、メディアの注目を集めている。所属クラブで好調ぶりを示しており、招集のタイミングとしては申し分ない。リオ五輪最終予選を控えるU−22世代の強化としても、ザルツブルクで結果を残している彼の招集は意義深い。大久保や武藤(浦和)も結果を残しているが、南野だって旬のひとりだ。

 個人的には、ハーフナー・マイクの選考を期待していた。
「日本人らしさ」という表現が黄金の輝きを持ち、ハリルホジッチ監督は技術や敏捷性の高い選手を揃えている。それ自体は決して悪いことではないが、違う個性を組み込むことも必要だ。ハーフナーの高さは魅力的で、同じことは指宿(新潟)にも言える。

 日本人らしさを発揮して勝利をつかむのは、もちろん理想である。だが、国際試合で何よりも優先されるのは結果だ。勝つためのオプションとして「高さ」を加えたら、「日本らしさ」が失われてしまうのだろうか。そんなことはない。使えるはずの武器を用意しないのは、僕には驕りに映る。