パテとテリーヌどう違う?今さら聞けないカタカナメニューの基礎知識9品
パテ、テリーヌ、アリゴ……。メニューを開いて、「う…、このカタカナメニューってなんだろう、でもデート中に恥ずかしくて聞けないからあてずっぽうで頼んじゃえ!」そんな経験ありませんか?
実は違いが全然よく分かっていないけど、今さら聞けないカタカナメニューを、一挙に解説します!あなたはいくつ分かりますか?
パテ
パイ生地で包んで焼く料理が、本来の姿
どんなビストロにもある、といっても過言ではないほどおなじみのこのメニューがこちらの「パテ」。本来、パテは肉類をミンチ状にしたものを、「パイ生地」で包んで焼く料理。近年はパイで包まないものも多く見られる。
テリーヌ
四角いテリーヌ型で作れば、それはテリーヌ
すり潰したり刻んだりした材料を固めて調理する点ではパテと一緒だが、「テリーヌ」とは、もともと陶製の深い器を意味することば。四角いテリーヌ型に具を詰めて蓋をし、調理したものをテリーヌと言う。
したがって、素材は何であってもテリーヌ型で作ればそれはテリーヌ。四角いテリーヌ型だけではなく樋型や丸筒型で作ってもテリーヌと名乗る場合もある。
加熱する際の温度や時間が、食感を大きく左右する。濃厚でリッチな口溶けが愛される一品。ブリオッシュを添えて出す店も多い。
豚肉のリエット
焼くのではなく、長時間「煮て」ペースト状に冷やすのがリエット
パテ、テリーヌとあわせて、こちらも何が違うのか混乱する料理。フランスの肉料理で、パンやトーストに塗って食べる一般的な保存食だ。
パテはオーブンを使う調理法なのに対し、リエットは豚のバラ肉や肩肉を角切りまたはみじん切りにし、強めに塩を振って、脂肪の中で簡単にほぐれるまで弱火でゆっくりと「煮てから」つぶし、脂肪分がペースト状になるまで冷やす。
こちらも前菜向きの「とりあえず」と頼みやすいメニューだが、バゲットに塗って食べ始めたら最後、止められない恐れアリ。
ステーキは分かる…。ん?、スープ・ド・ポワッソン!?
ステック・フリット
ステック(steak)=ステーキ、フリット(frites)=フライド・ポテト。
パリにはこの料理の専門店もあるほど、フランスで広く愛されている定番料理。いわゆるステーキ&フライドポテト。
ステーキ肉は部位を表記しないのが一般的。
ワインとの相性が重視されるため、口に余韻の残る噛み応えを持つものが多く、それをワインで流し込む口福感がたまらないのだ。
スープ・ド・ポワッソン
冬の訪れを告げる定番スープ
ビストロのメニューの黒板に冬の訪れを告げるのがこの料理名。南仏のビストロの定番料理で、魚介のアラのスープである。アラや甲殻類を香味野菜と炒めてからトマトやハーブと一緒に煮込み、丁寧にこして仕上げる。
こすために固形の具は入っていないが、スープには魚介の旨みが凝縮されている。ニンニクと唐辛子がベースの「ルイユ」と呼ばれる調味料とチーズを添える。
白ワインとともにぜひ頂きたい。
仔羊のロースト
ラムを一番美味しくいただく料理はコレ!
フランス語での料理名は「ロティ・ダニョ」。骨付きの背肉を、ローズマリーやニンニクとオーブンでローストする。
肉の中央を、美しいロゼ色に焼き上げるのがシェフの腕の見せ所。ソースは肉のジュ(汁)で。
ラムのおいしさを引き出すには、塩、こしょうで焼くのが一番。ハーブミックスをまぶすと、より香りがよくなって、ラム特有のくせも気にならず、抜群のおいしさに。
シュークルート
ザウアークラウトを用いた煮込み料理
はい、もちろんお菓子の名前ではありません。フランス・アルザス地方発祥の煮込み料理のこと。
ザウアークラウトと同様の意味で使われることもあるが、料理としてはザウアークラウトをソーセージやベーコン、豚のすね肉などとともに煮て、ゆでたジャガイモをつけ合わせた、フランス東部アルザス地方の料理。
ビールがとまらなくなること請け合いの逸品である。
アリゴ
じゃがいもとチーズたっぷりな人気メニューのひとつ。
肉料理のつけ合わせとしてよく出てくる、フランス・オーベルニュ地方の郷土料理。じゃがいもとチーズがたっぷり入った、粘り気のあるいも料理。
フランスの中南部オーブラック地方の郷土料理。粘度が非常に高く、餅のようによく伸びる。
『ビストロ アリゴ』では店名に掲げているように、看板メニューに据えている。ビストロでこのメニューが出てくると、ほっとして嬉しくなる一品だ。
ガトーショコラ
デザートはやっぱりチョコレートケーキ
牛乳にアーモンドやバニラで風味をつけゼラチンで固めた「ブランマンジェ」、カスタードクリームの表面を焦がしたカラメルで固めた「クレームブリュレ」などとともに、ビストロのデザートでよく見かけるのがこちらの「ガトーショコラ」。
つまりチョコレートケーキである。
カシスのソースやソルベ、果物を盛り少ししゃれたデコレーションにしたり、ホイップクリームを添える店も。
色合い通りの濃厚な味が、パンチの効いた料理のフィナーレにぴったり。
料理用語の意味や由来を知ると、料理の味わいもまた深みを増すもの。これであなたもビストロに行ってメニューを開けば、なんとなく頼んでいた頃がもったいなく思えるはず!