◇「『お前、Mだろ』って言われたことはあります(笑)」


土屋: ここまで竹村さんを虜にした、キックボクシングの魅力って何ですか? 

TAKEMURA:一番は、デビュー戦で勝った時の“ブワァァ”っていうアガり具合!それが、バンドでは経験したことがないくらい、高揚感や満足感がハンパなくて!! バンドをやっていて、例えば「どこの会場でライブやったよね」とか「どこどこの番組に出てたよね」「オリコンで何位だったね」って評価してくれることはあったけど、自分としてはそこに達成感や価値を感じてなくて。

というのは、そこを目指してバンドをしていたわけじゃなかったから。キックボクシングにはそれがあったんです、比べ物にならないくらい。きつい練習とか減量とかでぐわーーーっと押さえつけられてからバンっと上がるので、この落差がすごいんだと思う。バンドも嬉しいところは同じかもしれないけど、そこまで押さえつけられるものはないので。

土屋: ちょっとMなんですか?

TAKEMURA:かもしれないですね(笑)。昔のキックの会長に、「お前、Mだろ」って言われたことはあります(笑)。「そうじゃないと、ああやって自分を追い込んだりできない」って。

土屋: (笑)ジムのホームページでトレーニングメニューを見ましたけど、あんな練習メニュー、無理ですよ!

TAKEMURA:練習メニューは人それぞれで、もっと軽いのもあるし、もっときついのもあります。俺もここのジムに入って14、5年経っているので、自分でキャリアを重ねるうちに必要なものを選択して、今のメニューになったという感じです。

土屋: キックボクシングって、気軽に始めていいものなんですか?  健康のためにとか?

TAKEMURA:もちろん!うちのジムも会員数は多いんですけど、プロは数人で、あとはみんな自分のペースで楽しみながら練習してます。

土屋:TAKEMURAさん、インタビューの直前まで練習してたのに、いま平気で喋ってるじゃないですか。キックを始める前と今では体が違いますか。

TAKEMURA:全然違う。ジムに入った時は30代だったけど、SNAIL RAMPでワーッとライブもしてたし、酸欠になるようなハコ(会場)で全力で動いてっていう全国ツアーをやっていた。それに子供のころから運動は好きだったし、そこそこできるだろうと思って入ったんです。でも、最初の軽いメニューですら、終わって家に帰る時にはよろよろする、といった感じでした。

土屋:インナーマッスルが鍛えられるんですか。

TAKEMURA:それは非常にあります。女性向けの不必要に筋肉をつけないメニューや、外側の筋肉がしっかりついた体を作りたい人向けのメニューもありますね。