パ・リーグ主義で行こう! 
「ボブルヘッド」徹底比較 第1回 
■ソフトバンク・オリックス編

 メジャーリーグでは、来場者プレゼントの定番として大人気のボブルヘッド。極端に大きな頭を持ち、スプリングの働きによってユーモラスに首が大きく揺れる、おなじみの人形だ。近年では、日本でもファンサービスの一環として定着しつつある。調べてみたら、パ・リーグ6球団のうち、西武以外の5球団は、来場者プレゼントだったり、スペシャルシート購入者プレゼントだったり、オフィシャルショップで販売していたり、何らかの形でボブルヘッドを提供している。ちなみに、西武の球団関係者に尋ねたところ、「うちでもボブルヘッドを作ろうという意見は出ているのですが、なかなか実現できなくて......」とのこと。

 たくさんのコレクターを生み出し、さまざまな種類を誇るボブルヘッドだけれど、多くのファンが口をそろえて、「でも、全然似ていない」と不満を漏らす。確かに、背番号を隠したら「オマエは一体、誰なんだ?」と言いたくなるものも多い。ならば、できるだけ各球団のボブルヘッドを集めて、どれが一番似ているのか決めようじゃないか!

......ということで、ソフトバンク12体、オリックス2体、日本ハム3体、ロッテ8体、西武0体、楽天9体、合計34体のボブルヘッドに囲まれながら、「似ているもの」「まったく似ていないもの」を探してみることにした。

【ソフトバンク】
 僕が入手したのは2014年ヴァージョンの内川聖一、攝津正、松田宣浩(×2)、森福允彦(×2)、長谷川勇也(×2)、本多雄一(×2)、今宮健太、柳田悠岐の12体。ヤフオクドームに併設されている王貞治ミュージアムの売店には、ボブルヘッドについての説明が掲示されていた。それによると、「アレクサンダーグローバル社製・限りなく本物の石に近い重さと質感を持たせた造形材料を用いて製作。一体ずつ手塗りなので、色むらや細かい傷、接着剤のはみ出しなどが見られることがあります」とある。なるほど、この説明通り、手に持ってみるとズシリとした重量感が手に残る。

 最初にチェックしたかったのが内川だ。特徴のあるアゴを持つ内川なら、本人に似せやすそうだ。でも、箱から取り出してガッカリした。予想通り、アントニオ猪木バリのとがったアゴを備えているものの、その表情は似ても似つかない。残念。続いて手にしたのが、今季トリプルスリーを達成した柳田ボブルヘッド。何やら叫んでいるが、まったく"ギータ"には見えない。続けて開梱した今宮も同様。まったく似ていないや。

 軽い失望感に包まれていたところ、ついに希望の光が差し込んだ。攝津だ。彼の端正な顔つきが、僕の手の中に見事に再現されていた。背番号を隠しても、ネームプレートを見なくても、クリクリッとした大きな瞳は、まさに攝津のそれだった。かなり甘い評価かもしれない。けれども、内川や柳田、長谷川と比べれば、ずいぶん似ている。さらに、松田だ! あごひげを生やして鋭い表情で真っ直ぐ、前を見据えている姿は、まさに松田そのものだ。うん、これなら「似ている」と言ってもいいのではないだろうか。

【オリックス】
 公式ファンクラブのBsポイントシステム4000ポイントでゲットできるのが糸井嘉男、坂口智隆の2体。金子千尋のものは品切れのため入手できなかった。ソフトバンクのボブルヘッドが、みんな腕を組んだ同じポーズだったのに対して、こちらは躍動感あふれるプレー中の姿がモチーフになっている。糸井はバッティングフォーム、坂口はベースランニング中の雄姿がなかなかカッコいい。身体を傾けながら、全力疾走をしている坂口の姿が見事に表現されていると言えよう。

 しかし、問題なのは糸井の表情だ。似ているかどうかという以前に、その目がうつろで焦点が定まっていないのだ。何か深い悩みを抱えていて、心ここにあらずというのか、野球に集中できていないような物憂げな表情でバットを持っているのである。その表情を見ていると、何だかこちらまで切なくなってくる。他球団のものも含めて、ここまで物悲しいボブルヘッドは見たことがない。ある意味では貴重なボブルヘッドとして記憶にとどめておきたい。

(つづく。次回は日本ハム、ロッテ、楽天編)

長谷川晶一(12球団ファンクラブ評論家(R))●文 text by Hasegawa Shoichi