芳しきコーヒーもタイミング次第 Bilbo/PIXTA(ピクスタ)

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 カフェインの覚醒作用については、多くの人が認めるところだ。眠気覚ましの一杯は、仕事や運転などの場面で、気分を切り替える役割を果たすこともある。だが、摂取のタイミングによっては、生体リズムを乱して不調につながることが報告された。

 カフェインを就寝の数時間前に摂取すると、睡眠・覚醒などの生体リズムを設定する体内時計を乱し、日中に時差ぼけのような不調が生じうる――。米コロラド大学(ボールダー)統合生理学部教授のKenneth Wright Jr.氏らが、予備的研究でこのことを示唆。論文は、『Science Translational Medicine』(9月16日号)に掲載された。

 Wright氏らは、カフェインの体内時計に及ぼす影響を解明するために次のような試験を行った。対象者となった5人を49日間、通常の就寝時間の3時間前に、ダブルエスプレッソに相当する量のカフェインカプセル(身体の大きさに合わせて調整)、またはプラセボカプセルのいずれかを摂取させ、さらに明るい光または薄暗い光にさらした。明るい光を浴びると、体内時計はリセットされ、就寝時間を遅らせたくなることがわかっている。

摂取次第で"時差ぼけの治療"に使える可能性も

 その結果、カフェインは対象者の体内時計を40分遅らせた。この遅延の長さは、明るい光に3時間曝露された場合の約半分に相当した。

 今回の研究結果は、カフェインが細胞内のシグナル伝達に影響を及ぼし、細胞の概日時計の"中枢部分"を混乱させることを示唆している。ただし今回の研究では、なぜコーヒー摂取が体内時計に影響するのかは言及していない。

 一方で、Wright氏はカフェインの上手な摂取について次のようにコメントしている。
「コーヒーをやめるか朝にしか飲まないようにすれば、早寝早起きができるだろう。カフェインには体内時計を調節する力があると思われるため、時差ぼけの治療に使える可能性がある」

注意! カフェインを多く含むのはコーヒーだけではない

 カフェインといえばコーヒーばかりイメージしがちだが、日本人が好む玉露は、コーヒーの約2倍近いカフェインを含んでいる。それらの飲料も、摂取タイミングを計ってみたほうがいいだろう。カフェインフリーの飲み物を摂りたい時は、黒豆茶、杜仲茶、ハーブティー、ルイボスティーなどがオススメだ。

 そして、生体リズムを乱す要因としては、近年カフェイン以上の覚醒作用をもたらすものが現われた。デジタルデバイスだ。

 当サイトでも次のような記事で、スマホやタブレット端末が発する「ブルーライト」が、生体リズムの乱れをはじめとする身体の不調の原因のひとつになる可能性を指摘してした。

 「スマホを手放せないあなたは『VDT症候群』? "強いエネルギー"ブルーライトの危険性!」「モニタから発せられる『ブルーライト』が体内リズムを狂わせる?眼病に加え、肥満誘発との新説も」「寝る前のメールチェックが危険なこれだけの理由!」

 夕食後にコーヒーを飲みながら、スマホ操作、タブレット端末やPCの閲覧......。そう特別な光景ではない。だが、カフェインとブルーライトの相乗作用がもたらす身体へのダメージを考えると、現代人がもっとも絶つ必要のある悪習慣かもしれない。
(文=編集部)