9月のカンボジア戦、アフガニスタン戦の2試合で先発した西川。正GKの座を確固たるものとするためにも10月の2試合は大事なゲームとなる。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 10月の2連戦に向けた日本代表メンバーが10月1日に発表された。日本は10月8日にロシア・ワールドカップ・アジア2次予選のシリア戦(オマーン・マスカット/日本時間22時)、同13日に国際親善試合のイラン戦(イラン・テヘラン/日本時間22時30分)を戦う。
 
 ここでは、今回選出された国内組12名の近況をお伝えする。いよいよシーズン終盤戦に突入しようとするJリーグ、そしてACLで選手たちはいかなるパフォーマンスを見せているのか。
 
【Photo】10.8シリア戦&10.13イラン戦に向けたメンバー23人
 
GK
西川周作(浦和)
今季成績(J1):29試合・0得点
平均採点:5.98(GK部門4位)
 
 先日の鹿島戦では27本のシュートを浴びながら、身を挺して1失点で切り抜けた。最近はかなり細かなポジショニングまでかなり気を配り、ピンチになる前の段階で、勝負をつけていることも多い。
 
 心優しき守護神である。ただ、連係を高めるには時間が限られる日本代表にあって、ラインの上げ下げなど、しっかりDF陣をコントロールできるかどうかも、今後、正GKの座に定着するためには重要なポイントになる。
 
GK
東口順昭(G大阪)
今季成績(J1):29試合・0得点
平均採点:6.00(GK部門3位)
 
 第2ステージ8節からG大阪は公式戦3試合連続のクリーンシートも、以降の7試合はすべて失点。もっとも東口自身のパフォーマンスは一定の安定感を保っており、シュートへの反応スピード、飛び出しの判断、キャッチング技術などは、どれも日本屈指の水準だ。
 
 西川が代表の正GKとして地位を確立しつつあるなか、東口も足もとの技術や攻撃の起点になるフィードを今まで以上に意識。ボールをキャッチ後、正確なキックや素早いスローイングでカウンターの起点になるなど、“攻撃的GK”の技術を身に付けつつある。
 
GK
六反勇治(仙台)
今季成績:27試合・0得点
平均採点:5.78(GK部門11位)
 
 東アジアカップ日本代表に初招集されるも、出番なし。だが、クラブでの安定したパフォーマンスと様々なことを貪欲に吸収する真摯さで、その後のアジア2次予選2試合でも招集され、第3GKながら確実に自分の居場所を手に入れている。
 
 直近のリーグ戦2試合(9月19日の湘南戦、9月26日の山形戦)では、それぞれ1失点と一時の好調さは影を潜める。それでも、フィードの正確さとシュートへの反応速度はさすが。決定機をいとも容易くストップする姿は、さらに貫録を増している。
DF
丹羽大輝(G大阪)
今季成績(J1):29試合・0得点
平均採点:5.94(DF部門10位)
 
 今回のメンバー発表会見でハリルホジッチ監督は選出理由を口にしなかったが、現体制の常連組になりつつある証とも受け取れる。6月シリーズで代表初招集以降はコンスタントに選出され、リーグ戦やACLで闘志と自信に溢れるプレーを見せる。
 
 不用意なミスが少なく、1対1の守備では粘り強い対応で突破を阻止し、空中戦や球際での激しさも健在。まさに脂の乗った時期に差し掛かり、出場への意欲も並々ならぬものがある。SBとCBの両方に対応するユーティリティ性を活かし、指揮官にアピールしたい。
 
DF
槙野智章(浦和)
今季成績(J1):28試合・2得点
平均採点:6.04(DF部門3位)
 
 出場停止明けの鹿島戦では代表と同じ4バックのCBの位置に入り(阿部と組んだ)、粘り強い守備を見せた。ただ、やはり3バックとは勝手が違うのか、対峙した相手の後手に回る場面も見られた。
 
 前回の埼玉スタジアムでの親善試合とイラン遠征には、右内転筋に違和感を覚えたため参加しなかった。その間に森重がまずまずのパフォーマンスを見せており、再びポジションを掴むためには、練習時からその大きな声を含めて、存在感を示したい。
 
DF
森重真人(FC東京)
今季成績(J1):27試合・6得点
平均採点:5.93(DF部門11位)
 
 槙野が負傷欠場した9月の連戦(カンボジア戦、アフガニスタン戦)では、吉田の相棒としていずれもフル出場。高精度のフィードと果敢な攻め上がりでオフェンスに変化をつけようとしていた。
 
 その後、Jリーグに舞台を移しても安定したパフォーマンスでFC東京の勝利に貢献している。空中戦での強さは圧倒的で、今回は選出されなかった左SB・太田のクロスに合わせる技術も一級品だ。力強いプレーぶりからはコンディションの良さが窺えるだろう。
 
DF
米倉恒貴(G大阪)
今季成績(J1):27試合・1得点
平均採点:5.83(DF部門17位)
 
 9月16日のACL準々決勝第2戦・全北戦では、終了間際に決勝弾を叩き込み、チームを準決勝へと導く活躍を披露した。同26日の12節・柏戦では、カウンターから長い距離を走り、DFを引き付けるおとり役として得点に関与。後半にもドリブルで持ち上がり、3点目の起点となるなど、馬力のある攻撃参加が光った。
 
 G大阪では不動の右SBながら、代表では左SBで起用が続く。ポジションは異なるものの、代表でも積極的に上がって攻撃を援護するなど、自身の特長を要所で垣間見せている。ただバックアッパーの域を出ないだけに、定位置奪取には今まで以上の労苦が必要だろう。
 
DF
塩谷 司(広島)
今季成績(J1):22試合・3得点
平均採点:6.02(DF部門4位タイ)
 
 7節の柏戦からスタメンに復帰。故障した右足の不安もなくなり、攻撃参加の回数も試合を重ねるごとに増している。直近の12節・清水戦ではP・ウタカや鄭大世との肉弾戦にも互角の勝負を繰り広げ、フィジカル、1対1の強さを改めて証明した。
 
 自身初のワールドカップ予選のメンバー入りを果たした塩谷に対し、ハリルホジッチ監督は「時間をかけて追跡している選手」と前置きしたうえで、「テクニックのクオリティ、パワーは十分にある。彼にチャンスを与えるメリットはある」と期待を寄せる。また、起用ポジションは右SBと明言。酒井高、米倉あたりがメンバーに残るためのライバルになるだろう。
MF
柏木陽介(浦和)
今季成績(J1):28試合・3点
平均採点:5.98(MF部門10位)
 
 代表に求められたのが、左足から放たれる高精度のセットプレーだ。第2ステージ8節の仙台戦では華麗な直接FKを叩き込み、改めて存在感を示した。加えて、左右両方のCKから数多くのチャンスを演出してきた。
 
もちろん地上戦でも、その左足は異彩を放つ。浦和の司令塔として、今季はボランチの位置から長短織り交ぜた多彩なパスで攻撃を組み立ててきた。清水戦では思い切った飛び出しからゴールも決めている。
 
「レフティ」「セットプレー」というふたつのキーワードから、選出されたことが窺える。年上ではあるが基本的には同世代の本田、岡崎らと上手く噛み合えば、これまでにない迫力と美しさのある攻撃が見られるはずだ。
 
MF
山口 蛍(C大阪)
今季成績(J2):29試合・1得点
平均採点:6.09(MF部門2位)
 
 ワールドカップ・アジア2次予選のカンボジア戦、アフガニスタン戦に続き、31節からのリーグ戦も休むことなくフル出場を続ける。チームはここ2試合、終盤で追い付かれるなどやや調子を落としているが、山口自身のパフォーマンスは悪くない。
 
 昇格争いが終盤に差し掛かかり、キャプテンとしてメンタル面の疲労もあるだろうが、その素振りを見せないのは心強い限りだ。「アウェーで重要な選手になる」と、ハリルホジッチ監督からの信頼も厚く、シリア戦ではいつもながらのタフネスぶりを発揮してくれるはずだ。
 
MF
柴崎 岳(鹿島)
今季成績(J1):24試合・5得点
平均採点:6.17(MF部門2位)
 
 ハリルホジッチ体制では毎回メンバーに名を連ね、今や代表の常連となった感がある。とはいえ、9月のふたつの予選では一度も出場できず。主軸との距離はまだ遠く、確固たる地位を築けていない。
 
 また現在は右足甲の怪我から復帰したばかりで、「トップパフォーマンスに戻っていない」(ハリルホジッチ監督)のも事実だ。12節・浦和戦では持ち前の躍動感が感じられず、パスなどの判断ミスも散見された。
 
 鹿島では不動のボランチを務めるが、代表ではトップ下との併用が想定される。まずは同タイプの“新参者”柏木の挑戦を退け、さらなるステップアップを目論みたい。
 
FW
宇佐美貴史(G大阪)
今季成績(J1):29試合・19得点
平均採点:5.91(FW部門7位)
 
 今季途中から左MFで固定起用され、第2ステージ10節の鹿島戦で2ゴール、同12節の柏戦で1ゴールと徐々にパフォーマンスが安定してきた。直近のACL準決勝・広州恒大戦では守備に追われて本領を発揮できなかったが、代表と同じ主戦場でプレーしている意味は大きい。
 
 左のライン際でボールを受けた後、カットインからのドリブル突破、強烈なミドルシュート、正確なクロスと多彩な仕掛けの形を見せる。「相手が距離を取ってマークしたり、ゾーンで守ってきたり、マンツーマンで付かれる試合もある。ただどうマークされても、自分のプレーの幅を活かして対応したい」と自信を覗かせる。