問題は、日本がどれだけ疲労回復できるか。シリアはすでに昨日から合宿をはじめていて、明日はオマーンと親善試合を戦います。恐らく、フィジカル的に我々よりフレッシュな状況で臨んでくるでしょう。
 
 我々の選手のなかには、(6日の)火曜朝に到着する選手もいます。皆さんがこの状況をどう判断するかは分かりませんが、私にとっては大きな問題です。また、怪我を抱えている選手が多いことも心配です。
 
 特に筋肉系の問題を抱える選手が多くいます。どこに問題があるのかを私は理解していますし、何度か警告しています。特に国内リーグに所属する選手には『もっとトレーニングしてくれ』と伝えています。
 
 ラグビー日本代表のフィジカルトレーナーは『日本のチームは、フィジカル的にかなり良い準備ができた』と言っていました。フィジカル的に良い準備ができていなければ、大きなことは成し遂げられません。ちょっとした怪我でも問題は起きる。ただ、私は(この現状について)どこに原因があるのかは分かっています。
 
 選手には『個人のトレーニングをしてくれ』と言っています。『そうしないと、自分の立場を失うよ』と。それから、移動についても気を付けるように伝えました。
 
 長い距離の移動では、我々もメディカルスタッフと相談してできるだけ早く疲労回復ができるように心掛けています。アイスバスに使う道具も用意しています」
――現在の日本代表は、ハリルホジッチ監督の理想にどのくらい近付いたか? また、監督が理想とするチームはどういったものか?
 
「まず、アフガニスタン戦やカンボジア戦からそれを判断するのは難しい。彼らは本当の意味で“守備固め”をしてきました。もちろん、その2試合でもっと点を取れたのは事実です。毎試合かなりの決定的なチャンスを作っています。そしてそこが、我々のもっと伸びる部分なのです。
 
 守備の面では、徐々に面白いレベルに来ていると感じます。ここまでの2次予選で、相手は我々の16メートルに到達できていません。我々のプレッシャーのキャパシティが上がっていて、存在感を十分に見せつけています。
 
 攻撃面ではもっと効果的にならなければいけません。アフガニスタン戦は6点を取りましたが、もっと取れたはずです。いずれにしても、シリア戦とイラン戦の後、さらに正確な情報が得られるのではないかと思っています。
 
 彼らは、より強いチームで、攻撃してくるチームです。つまり、我々に問題を起こすでしょう。この2試合の後、我々の分析がより真実に近付くはずです。そこで、皆さんの質問にも答えられるようになるでしょう。
 
 我々はどんどん向上していくはずです。今はそれほど強くないと皆さんお考えでしょうが、最終予選はより厳しく、本大会ではもっと強い相手が待っています。そして4段階目として、本大会でなにかを成し遂げる。この段階を徐々に超えていきたいと考えています。
 
 ただ、何度も言っていますが、我々の問題は継続したトレーニングができないところです。(今回も)現地で1回は戦術トレーニングができるかもしれません。とはいえ、まずは疲労回復と休息から入らなければいけません。
 
 つまり、個人との対話、グループの会話が重要になります。全体のディスカッションも通して、私はダイレクトにメッセージを伝えなければいけません」
 
――就任以来強調していた「縦に速い攻撃」は浸透していると感じるか? それと、ビルドアップについてもう少し説明してほしい。
 
「フットボールで一番難しいのは、前に行くことです。そのなかで、時に我々はかなりハイレベルな攻撃のシチュエーションを作り出しています。オフェンスの展開で数人の選手が関わり、特に1タッチを使った時は前へのパスコースがより多くあります。そして毎試合、多くの決定機を作っています。