国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS)の研究棟

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筑波大学(茨城県つくば市)内に睡眠に特化した研究拠点である「国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS)」の研究棟が完成し、2015年9月29日に完成記念式典が行われた。

IIISは、文部科学省が行う「世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)」の1つで、12年12月に発足。世界中から優秀な研究者が集まっており、未だに解明されていない「眠る」ことのメカニズムや役割を研究するほか、睡眠障害や関連疾患の新規治療法開発なども行っている。睡眠の基礎研究を主とした研究施設はめずらしく、国際的な睡眠医科学研究のハブになると期待されている。

完成した研究棟は6階建て。1〜4階まではラボやオフィスがあり、吹き抜けのらせん階段でつながっている。5〜6階は主にマウスを使った動物実験を行うフロア。内装は、日本の伝統色で彩られ、できるだけ仕切りをなくしている。各所には研究者がアイデアを自由に書き込める落書きスペースを作るなどして、従来の研究施設整備の型にはまらない使い勝手のよい空間を目指したという。1階には、同大学のアーティストが制作した睡眠をテーマにした作品が5つ展示してあり、芸術系と医学系の学部が同じキャンパス内にある筑波大学ならではのユニークな一面も見られた。

式典では、記念講演として、『捏造の科学者 STAP細胞事件』(文藝春秋)で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した毎日新聞科学環境部記者の須田桃子氏が「STAP細胞問題から考える研究の倫理とリスク管理」と題し、取材経緯とその裏側から見た問題点について語り、「研究機関にとって一番大事なのは信頼。人々のために自然の謎を解き明かす喜びを追求してほしい」と話した。IIIS機構長の柳沢正史氏はそれに応えて「記念式典には向かない暗いトピックかもしれないが、この日だからこそ科学者・研究者として徹底しなくてはならないことを思い起こしたい」と話し、今後の研究への意欲を見せた。

(Aging Style)