捨てる、減らす、管理しない。中間管理職が今すぐ使える「わりきり」思考とは?
 部下は思うように動かない。上司は無理難題を突きつける。気苦労とノルマを背負い、時間に追われメチャメチャ忙しい。そんな悩みを抱える中間管理職の人は多いのではないだろうか?

 日本のサラリーマン社会では、望むと望まないとに関わらずほとんどの人が、やがて中間管理職になる。しかし「“わりきり”思考を持つことによって、最短最速で中間管理職を駆け抜けることができる」と9月27日に『わりきりマネジメント』を上梓した私塾「プロ研」代表の俣野成敏氏は語る。では、その「わりきり」思考とは具体的に何か? 俣野氏に聞いてみた。

◆これからのマネジメントは、“やりくり”ではなく“わりきり”

「多くの中間管理職は時間や労力を“やりくり”して全部をこなそうとアクセクします。でも僕に言わせれば、まさにここに問題がある。必要なのは“やりくり”ではなく“わりきり”です。やらなくていいものは、やらないと決める。たとえば、部下の弱みは一切見ない。仕事は部下の強みにだけ乗せればいい。部下に弱みを忘れさせるのが鉄則です。結果、彼らはどんどん自信をつけていきます」

 わりきりマネジャーは、効率より効果を優先し、平均点より総合得点で競う。俣野氏によれば、生物学上の理論をマネジメントに応用した「2:6:2の法則」も、次のように戦略化するのだという。

「上位2割の部下は、あえて放置します。ハイパフォーマーには、ちょっかいを出してはいけません。一方、下位2割については認知が必要です。組織の存続・成長にローパフォーマーの存在は不可欠。彼らにはしつこく関わることが重要です。そして中位の6割は教育をしましょう。言い換えると、教育するのはミドルパフォーマーだけでいいということです」

 さらに、6割を占めるミドルパフォーマーは2つに分けられるそうだ。1つは、仕事はできるけれどやる気がないタイプ。もう1つは、仕事はできないけれどやる気はあるタイプ。ここで間違えやすいのは、部下のやる気を評価基準にしてしまうことだという。

「前者は金の卵。後者は諸刃の剣です。やる気のある部下はかわいいものですが、そこは実力第一とわりきる。やる気はないけど能力のある部下こそ、仕事をふることが大事なんです」

 サラリーマンなら、誰もが通らなければならない管理職の道。「やらなくていいことはやらない」と決め、各々にあった対応を取れば、“辛い”時期も比較的“楽”に過ごすことができるようだ。<文・写真/HBO編集部>

【俣野成敏】
1993年、シチズン時計(株)に入社。会社の50年ぶりの赤字転落により、30歳でまさかのリストラ候補に。「この延長に明るい未来はない」という危機感を抱いて一念発起し、メーカー直販在庫処分業を社内起業。ゼロから年商14億円企業へと育てあげる。この体験を元に書いた処女作『プロフェッショナルサラリーマン』(プレジデント社)が一躍ベストセラーに。現在は事業経営や投資活動の傍ら、私塾「プロ研」を創設し、プロフェッショナルサラリーマンの育成にも力を注いでいる。