9月16〜17日(現地時間)に開かれたFOMC(連邦公開市場委員会)の行方を世界の市場関係者が固唾を呑んで見守っていた。FRB(連邦準備理事会)がアメリカの金融政策を決めるために開く会議だ。
 
 注目を集めたのは政策金利を引き上げる判断がなされるかどうか。いわゆる「アメリカの利上げ」の有無だ。日本時間の18日午前3時に声明が発表され、利上げは見送りとなった。
 
 アメリカの政策金利は2008年のリーマン・ショック以降事実上のゼロ金利(0〜0.25%)が続いている。
 
 政策金利とは中央銀行(日本なら日銀)が一般の銀行に資金を貸し出す際の金利のこと。金利が低いほど銀行や企業に資金が回りやすくなるのでゼロ金利は景気刺激策となるが、「お金を貸しても利息がつかない」という異常な状態をいつまでも続けるわけにはいかない。アメリカではFRBが「景気は回復し、経済が安定した」と判断したところで、利上げに踏み切ることになる。
 
 今回は見送られたが、投資のプロたちがアメリカの利上げの有無に注目するのは、それによって世界中の為替や株価が大きく動くと考えられているからだ。
 
 トレーダーの酒匂隆雄氏(酒匂・エフエックス・アドバイザリー代表)が解説する。
 
「まず影響を受けるのが為替です。米ドルの金利が上がるわけですから、『米ドルを買いたい』と考える人が増え、ドル高の要因となります。また、円のように金利の低い通貨は売られやすくなって円安が進む。相対的に高金利で人気だった新興国の通貨も、ドルとの金利差が小さくなって魅力が減るので売られていくことになるでしょう。ドルに資金が集まることで、為替のみならず株式や債券市場にも大きな影響を与えることになります」

※週刊ポスト2015年10月9日号