■オフィシャル誌編集長のミラン便り2015〜2016(6)

 3勝3敗。これが今シーズンの第6節までのミランの成績である。敗戦という結果と、光と闇を抱えてミランはジェノバから戻ってきた。前半のミランはさんざんだった。10分にはジェノアのFKが壁のボナベントゥーラに当たってコースを変え、ゴール右隅へ。これが結局は決勝ゴールとなってしまった。後半のミランは目に見えてよくなったが、試合を覆すまでには至らなかった。

 試合をより複雑にしたのは、開幕戦のフィオレンティーナ戦と同じように、DFロマニョーリが警告2枚で前半の途中に退場となってしまったことである。しかし私が見た限り、1枚目のイエローの対象となったプレーはごく普通のインターセプトであり、つい文句の一つも言いたくなってしまう。しかしこの不満の残るジャッジがあったとしても、ミランが前半の45分をほぼ相手にプレゼントしてしまった事実は変わらない。
 
 この日のスタメンにはまたバロテッリが入り、先週半ばに行なわれたウディネーゼ戦であまりボールを持てなかったバッカがベンチスタートとなった。

 バロテッリ、ルイス・アドリアーノの2トップの後ろに、今シーズン初めて、本田圭佑の姿がなかった。代わりに入ったのがボナベントゥーラ。しかしこれはミハイロビッチが本田よりボナベントゥーラを高く評価しての采配というより、単なるターンオーバーであると思う。もしこのジェノア戦でプレーすれば本田は8日間で3試合をプレーすることになってしまうからだ。

 それにしてもここ2戦連続していた勝ち試合のようなプレーは、この日の前半ではまったく見られなかった。先週の水曜日、ミランはウディネで前半はほぼ完璧なプレーをし、3点をあげたが、この日の前半のミランはそれとはまるで別ものだった。一体どうして数日でこんなにも変わってしまったのか、理解に苦しむ。

 ただし後半は、ひとり少ない10人であったにもかかわらず、ゲームを支配しゴールチャンスもいくつかあった。

 試合後、ミハイロビッチは「最初の45分のフォーメーションを誤った」と率直かつ明確に試合を分析した。

 MFアンドレア・ベルトラッチはこの夏の大型補強でミラン入りした一人だ。怪我で1ヵ月チームを離脱したあと、この古巣のジェノア戦で復帰を果たしたが、彼はこの試合をこう振り返っている。

「僕たちは確かに前半のアプローチを間違えた。でも失点はボールが壁に当たって方向を変えるという不運から生まれたものであって、実際ジェノアにひどく苦しめられたわけではない。それに後半は明らかに我々の方が優位なプレーをしていた。ただゴールをモノにできなかっただけだ。僕たちは次回の試合に向けて、この後半からスタートしなければいけない。今日のミランは負けに値するチームではなかったよ。ミステル(監督)はこの敗戦を非常に残念がっていた。我々は後半のようなプレーを90分間続ける必要がある」

 困惑はミラニスタも同じである。みなこの敗戦の説明を求めている。SNSを通しては、チームに対する不信やミハイロビッチの手腕への疑問もあがり始めている。ほんの数ヵ月前にスタートした新プロジェクトにジャッジを下すのはまだ早すぎるような気がするが、ミラニスタたちは昔からのライバルの成功や、その他のチームのサプライズ的活躍を、ただただ指をくわえて眺めるしかないことに、すでに我慢できなくなっている。

 しかしチームを助けたいと思うなら、非難は逆効果だ。今度の日曜日、ミランがサンシーロに迎え撃つのはナポリ。ナポリは現在ミランと同じ順位ではあるが、先日は現チャンピオンのユベントスを破っており、ひと足先にチームのしっかりとしたアイデンティティーを確立したように思える。

 ナポリを破ることはミランにとって難しい課題だが、ジェノア戦の後半で見せたようなプレーを続けることができれば不可能ではない。来週のこのコラムではぜひ皆さんにいい結果を報告したいと思う。Forza Milan!

ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari
利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko