世界的なトップモデルが死体で見つかり、体内から青酸カリが検出される。
捜査が始まって早々に、元恋人が容疑者として浮上。その後も続々と容疑者が増えていく。
しかも、なぜか全員が揃って「殺したのは自分」と信じ込んでいるのだ。
死体はひとつ、犯人はたくさん。一体、何がどうなっているのか。

10月2日(金)よる9時から放送の金曜プレミアムスペシャルドラマ「私という名の変奏曲」(フジテレビ)。原作は直木賞作家・連城三紀彦の同名小説。恨まれ憎まれて死んでいく美貌の主人公・美織レイ子(みおり・れいこ)を天海祐希が演じる。初の実写化となる本作品の見どころを原作と予告動画から探ってみたい。


見どころその1:身長171cmの天海祐希が演じる“東洋の小さな真珠”


今回のドラマの台本を読んだ感想を聞かれ、天海祐希はこう答えている。
「役柄的に私に合わないのでは、と思ったんですけど、いや、役柄だから楽しくやればいいんじゃないかと思いました。ずいぶん年齢もさばを読んでいますが(笑)」(広報資料より)


それもそのはず、原作のレイ子はトップモデルではあるものの、年齢はひどく若い。《人気と美貌が、まだ二十三歳だという小娘をこうも奢り高ぶらせるものかと、道子は陰で溜息をついた》と、家政婦を日々、ウンザリさせている。

《私はいつも小さなものに喩えられる》《フランスの有名なデザイナー、ルネ・マルタンは私を“東洋の小さな真珠”と呼んだし、去年の春「ライフ」は夜に煌めく小さな雫と書いた》というレイ子の外見も、天海のスラッとした長身のイメージとはだいぶ違う。


一方、《冷ややかな微笑の似合う顔と、舞うようにしなやかな身のこなし》など、天海を彷彿とさせる記述もある。原作のヒロインにどこまで寄りそうのか。今年47歳になる天海祐希が何歳の“レイ子”を演じるのかも気になるところだ。


見どころその2:ひと癖もふた癖もある犯人候補たち


「この人が犯人かと思いきや、じつは真犯人が……!」のどんでん返しはサスペンスドラマの定番。それにしても、本作品は犯人候補が多い。レイ子との確執もバラエティに富んでいる。

■笹原信雄(大病院内科部長):段田安則
レイ子の美しさに心を奪われ妻子と別れてレイ子と婚約する。しかし数カ月後、レイ子から一方的に婚約解消される。その結果、病院も追われ、妻子にも去られることに。でも、レイ子が忘れられずにいる。


■沢森英二郎(アパレルメーカー社長):遠藤憲一
レイ子を自社のイメージキャラクターに起用。CM契約をたてにレイ子と関係を持つ。やがて粉飾決算の裏帳簿の存在をレイ子に知られて脅迫されることに。


■間垣貴美子(デザイナー):夏木マリ
レイ子を最初に見出したデザイナー。アイディアが枯渇して行き詰まったとき、自らの師である“ファッション業界の長老”のデザインを盗用。そのことでレイ子に脅されていた。


■浜野康彦(内科医・笹原の部下):市川猿之助
笹森の病院で部下として働いていた内科医。逮捕直前の笹森がいる潜伏先に呼び出され、レイ子に殺意を抱いていた6人の人物について話を聞く。笹森の意向を受け、6人の容疑者に「お前が犯人だと知っている」と脅迫電話をかけることに。


■北川淳(カメラマン):生瀬勝久
レイ子を最初に発掘した人気カメラマン。撮影で訪れた南仏の海岸で海水浴客を事故で死なせてしまう。その瞬間が偶然写っていた写真をレイ子に奪われ、それをネタに脅迫されていた。


■池島理沙(モデル):緒川たまき
モデル仲間で、ライバル。出会った当初は仲が良かったが、レイ子が世界的デザイナーのショーに抜擢されたことで関係が悪化。ショーへの出演を妨害し、レイ子の憎悪の対象となる。


■高木史子(音楽プロデューサー):若村麻由美
レイ子にCDのリリースを持ちかけ、拒否されたにも関わらず、騙してデビューさせてしまう。レイ子は激怒。じつは、声を世の中に出したくなかったのには、ある理由があった。


劇中で、天海祐希演じるレイ子は笹原(段田安則)「私を殺したいと思ってる人間がいるの。6人いるのよ」と訴える。でも、レイ子側の憎悪もすさまじい。

「あなたはCM契約をたてに強引に私を抱いた!」
「あなたと沢森に強引に抱かれるうちに、わたしは体の芯まで汚れてしまった!」
「大切なショーに出られなかった!」
と責め立てるレイ子の姿は狂気じみている。原作にも、犯人候補となる人物たちをなじるシーンは登場するが、天海祐希版の凄みは圧巻。

予告動画はこちらから⇒【公式】金曜プレミアム 天海祐希主演「私という名の変奏曲」予告

見どころその3:美織レイ子が抱える闇


原作では、レイ子がなぜ、“殺したいほど憎まれ、憎んでいるのか”が語られる。その様子は、不平不満のすべてを誰かのせいにしているだけのようにも見えて、
ややウンザリもする。ところが、物語が進んでいくにつれて、レイ子の印象がどんどん変わっていく。高慢ちきな小娘と、欲得づくの大人たちという構図も、美容整形の動機も当初想像していたものとは全然違う。レイ子の思惑に手を貸す人物の動機にも驚かされる。


あのビックリ箱のような展開を、今回のドラマではどう表現するのか。

独自の捜査を進める刑事を演じるのは玉山鉄二。
ドラマ「BOSS」シリーズでは、天海の部下を演じた玉山が、レイ子の闇を追いかける。

人間関係はもつれて絡んでグシャグシャ。「こいつが犯人! ……ちがうのか!!」を何度も何度も楽しませてくれそうです。
(島影真奈美)