信頼される人は「個人情報」を自分から話す

写真拡大

なんとなく信頼できる印象を与える人と、そうでない人。心理学的な観点からみて、両者にはどのような違いがあるのだろうか?

前回で述べた※前回はこちら(http://president.jp/articles/-/16157)コミュニケーションの総量が増えたら、話す内容の深さを心がける。天気やアベノミクス、株価の動きなどの話は、表面的で薄っぺらい。それよりも、好きな女性のタイプや、中学校時代のトラウマ、失恋話など、プライベートな話をする。そうすることで、「俺にこんなことまで話してくれるのか」と思い、信頼してくれる。自己開示しているからだ。

イリノイ大学のルース・クラークが、自由な会話を8分間してもらった後で、相手の魅力を尋ねる実験を行ったところ、自己開示している人ほど魅力的だと評価されることがわかった。

相手に開示する情報は、プライベートなことであれば、何でも構わない。どこに住んでいるかでも、出身地でもいい。「○○線の△△駅に住んでいる」という話をしたことで、「近くですね。今後一緒に飲みに行きましょう」と会話が弾むかもしれない。「関西出身です」と言うと相手も「僕も実家が関西なんですよ。今度、正月に向こうで会いましょうか」という展開もありえる。あるいは、「自分は□□大学の出身です」と言ったことで「学部はどちらですか?」「私の後輩ですね」と、話が盛り上がることもあるだろう。

取っかかりは何でもいい。あまり考えずに、個人情報を出し、自己開示してみる。個人情報を話すのはいやだという人もいるだろう。だが、話さなければ嫌われることも、好かれることもない。関係性はゼロのままだ。

個人情報を話題にしたことで、相手にムッとされることもあるかもしれない。けれども踏み込まなければ、いつまで経っても相手から信頼されるようにはならない。確かなのは、怖がっていては、何も変わらないということだ。

心理学者 内藤誼人 大山弘子=構成)