パ・リーグ主義で行こう!
「選手プロデュース弁当」徹底比較 
◆第3回 西武・楽天編

 前回、前々回に続いて、パ・リーグ各球団の「選手プロデュース弁当」比較の第3回目をお届けしたい。最終回は西武と楽天の2球団。両チームとも、質量ともにリーグ有数の弁当ラインナップを誇る。はたして、その内容は?

【西武】
 独特のネーミングで、さまざまな「選手プロデュース弁当」を生み出しているのが西武ライオンズ。そのほとんどに当該選手のステッカーとカードがついていて、「その選手を応援しているんだ」という高揚感も満たされる。9月25日現在、8選手、全12種類もの弁当を誇り、他にも単体メニューが数多く並んでいる。

 めずらしいのは炭谷銀仁朗選手。一人で「銀丼(1300円)」「銀ちゃんのチーズフォンデュ風たこやき(650円)」「ぎんやき(570円)」と3種類もプロデュースしているのだ。ちなみに、「銀丼」は特製のうま味ソースを絡めたカツ丼で、「チーズフォンデュ風たこやき」はトロトロのチーズをかけたたこ焼き。そして、「ぎんやき」もたこ焼きなのだが、これは普通のたこ焼きで目新しさはない。「銀つながり」ということで、人気店「築地銀だこ」とコラボしたようだが、安直な感は否めない。

 僕が大注目していたのが、9月8日から発売された森友哉選手の「フルスイング弁当(1400円)」。この弁当を食すために、発売初日の開門前に西武プリンスドームに到着。すぐに店頭に行き、購入に成功。予想通り試合開始1時間前の17時頃にはすでに完売していた。気になる中身だが、次の通り。

 鶏そぼろご飯/カニクリームコロッケ/コーンクリームコロッケ/ジャガイモとベーコンとほうれん草のソテー/唐揚げ/チンジャオロース/春雨サラダ

 これのどこが「フルスイング弁当なのか?」と考えてもよくわからない。公式ホームページを確認すると、「自身の代名詞とも言える『フルスイング』の源となった本人の好きなものが満載」とのこと。さらに読んでみると、森選手のこだわりで、「発売直前に『白米』から『鶏そぼろご飯』に変更」したのだという。確かに、この弁当に鶏そぼろご飯は絶妙にマッチしていた。僕は、彼のこだわりを大いに支持したい。

 さらに、注目すべきは中村剛也選手の「剛也の満腹弁当(1400円)」だ。前回紹介した日本ハム・中田翔選手の「翔のスラッガーカレー」同様、この弁当にもたこ焼きが入っていた。大阪桐蔭高校の先輩、後輩によるたこ焼きの競演。「大阪=たこ焼き」というイメージが、僕の中でより強くなったのは言うまでもない。

【楽天】
 西武に負けず劣らず、ユニークなネーミングでバラエティに富んでいるのが楽天だ。最初に食べたのが、松井稼頭央プロデュースによる「稼頭央弁当 モリモリパワー系HYPER!!!!!(1200円)」。これは実にハイカロリーだった。今、思い出してもちょっと胸がムカムカしてくるほど。

ケチャップライス、ナポリタン、チキンカツ、目玉焼き、牛しぐれ煮、ちくわ磯部揚げ、ポークウインナー、焼豚、牛ハラミ焼、鶏もも香草焼、鶏肉揚げ串(鳥唐揚げ・しし唐素焼き)、シュウマイ、アジフライ、照焼ハンバーグ、豚テキ、肉団子、漬物......。

 ここまで、「これでもか」とギッシリとおかずが詰まった弁当は他にはない。体調を万全に整えて、しっかりと空腹状態をキープした上で食べれば最高のコスパだろう。

 選手プロデュース弁当業界において、異彩を放っていたのが銀次プロデュースの「銀の海鮮弁当(1200円)」だった。上記の稼頭央弁当のように、基本的には「肉中心」の選手プロデュース弁当において、ソフトバンクの柳田弁当と並ぶ少数派の「海鮮弁当」! 毎回毎回、同じような弁当ばかりが続いていた僕は、迷わずこれを購入。いくらのしょうゆ漬けとアナゴの照り焼き、銀鮭の粕漬け焼き......。どれもサッパリとしていておいしい。さらに、きゅうりの一夜漬け、小茄子辛子漬け、大根甘酢漬け、すき昆布浅漬けと、とにかく漬物が多いのも嬉しい。育ち盛りの若者には物足りないだろうけれども、老化盛りのオッサンにはこれぐらいがちょうどいい。

 さてもう一つ、どうしてもご紹介したいのが則本昴大投手プロデュースの「のりもとんカレー(950円)」だ! この夏、北は札幌から南は博多まで、パ・リーグ6球団のスタジアムでおよそ50食の球場グルメを食べてきたけれど、僕にとって最もおいしかったのは、このカレーだった! コボスタ2階コンコース「メトロ倶楽部」において販売されているこの店舗は、仙台駅前のホテルメトロポリタンが運営しているのだという。まさに、ホテルのレストランの味がそのまま再現されていた。

 ふたを開けた瞬間に、スパイシーないい香りが鼻腔をくすぐる。ひと口食べてみると、辛口でありながら、ただ刺激が強いだけではなく、口の中に香ばしい余韻が漂うのだ。地元名産の「伊達ざくらポーク」はスプーンで簡単にちぎれるほどにやわらかく、揚げたジャガイモ、塩ゆでされたニンジンも、いずれも上品な味わい。気がつけば、あっという間に完食。文句なく、選手プロデュース弁当界のナンバー1に認定したい。この絶妙なカレーを生み出してくれた楽天・則本昴大投手にも、改めて心からのお礼を言いたい!

(次回シリーズでは「ボブルヘッド人形」を徹底比較します)

長谷川晶一(12球団ファンクラブ評論家(R))●文 text by Hasegawa Shoichi