○システム内に存在するサーバをどう管理するか?

近年、仮想化技術、クラウドに加え、コンテナ技術の発展により、物理的に構成されたサーバは集約され、数は減ったように見えます。

しかしながら、論理的なサーバが「どの物理サーバ上で動作しているか」「ネットワークのどのセグメントに接続されているか」、また、業務で使用するアプリケーションやサービスがどのように構成・設定されているかなどを把握することが必要になってきており、システム基盤はより複雑になり、管理するサーバも増えてきているのが実情です。

さらに、負荷状況によりサーバ内のメモリやディスク、あるいはサーバ自身といった IT リソースが動的に変化する状況の場合、即座にシステム全体の状況を把握するのは困難となっています。

こうした状況の中で、サーバを運用するにあたって管理すべき主な項目を以下の表にまとめてみました。

なお、ITサービスマネジメントのデファクトスタンダードとなっている「ITIL (Information Technology Infrastructure Library) 」を用いた運用とサービス管理を実施する企業も増えてきており、エンジニアが運用管理を行う作業量、コストは増加しているようです。

○運用管理製品選定のポイントは統合的に一元管理できるかどうか

このように、運用管理業務が複雑化し、負荷が増大しているなか、人の手だけで行うことはすでに困難な状況にあると言えるでしょう。そのため、国内外を問わずベンダー各社から運用管理製品が提供されています。

運用管理製品は、ある管理項目に特化したものもあれば、複数の製品を組み合わせた運用管理製品群として提供しているものもあります。

運用管理製品を選ぶ際のポイントは統合的に一元管理できるかどうかにあります。特定の管理項目を対象とした製品ではなく、運用管理製品群を利用するメリットとして「各製品間の連携により一元的な運用管理が行えること」「各製品の問い合わせやサポートを受ける際、問い合わせ先を集約することができること」が挙げられます。

以下の表に、主なサーバ運用管理製品群および提供ベンダーを示します。

本連載では、マイクロソフトが提供する「Microsoft System Center 2012 R2 (以降 System Center) 」に焦点を絞り、各製品 (コンポーネント) に搭載されている機能によって、どのようにサーバを管理していくかを紹介していきます。

System Center は非常に高機能であるため、主に大規模エンタープライズ環境、データセンターに導入されることが多く、構成の配置やインストール、設定において他ベンダーが提供している運用管理製品群より手間はかかりますが、以下のようなメリットが挙げられます。

管理画面の統一
System Centerで提供される製品の管理画面はリボン形式で統一されており、これにより、各製品における操作のばらつきが軽減されています。

Windows、SQL Serverなどの最新バージョン/サービスパックの対応
自社製品ということもあり、最新バージョンおよびサービスパックが提供された時、他の運用管理製品群よりも早いタイミングで対応した管理パックやテンプレートを提供しています。マイクロソフト製品以外のソフトウェア (Linuxなど) についても、対応した管理パックやテンプレートの提供を行っています。

PowerShellコマンドレットの提供
GUI上で実施している操作をPowerShellコマンドレットを用いて実行することが可能です。このことにより、繰り返しの多い操作の場合はPowerShellのスクリプトを用いて実行し、操作ミス防止や作業工数を低減することが可能となります。

今回は初回として、サーバ管理のポイント、主要なサーバ運用管理管理群について説明しました。次回は、System Centerを構成する製品群の特徴を紹介する予定です。

編集協力:ユニゾン

小賀坂 優(こがさか ゆう)
インターネットイニシアティブ所属。前職にて技術サポート、インフラ基盤のシステム提案・設計・構築を経験した後、2015年7月より Microsoft Azure、Office 365 を中心としたマイクロソフト製品・サービスの導入、および IIJ GIO と組み合わせたハイブリッド クラウド ソリューション展開や開発を担当。
2012年から Microsoft MVP for System Center Cloud and Datacenter Management を連続受賞。
個人ブログ「焦げlog」にて、マイクロソフト製品を中心とした情報やTipsを発信中。

(小賀坂 優)