エースの小川は、磐田戦で1得点、静産大戦ではハットトリックを記録。内山監督の期待に応えてみせている。写真:川端暁彦

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 10月2日よりU-19アジア選手権予選(U-20ワールドカップ・アジア1次予選)のグループJの戦いがラオスの首都ビエンチャンを舞台に開幕する。

 5大会、10年ぶりのU-20ワールドカップ出場を目指す日本は、地元のラオスに加えて、フィリピン、そしてアジアの新ライバル・オーストラリアと同居。各グループ1位チームに加えて、2位の上位原則5チーム(全10グループ)が最終予選へ駒を進めるレギュレーションとなっており、確実に予選通過を果たすには1位になる必要がある。
 
 決して楽ではない組み合わせとなったこの戦いに向けて、U-18日本代表は9月21日から静岡県内での合宿をスタート。24日にジュビロ磐田と、26日には静岡産業大とのトレーニングマッチを実施した。酷暑のラオスで中1日での3連戦となる予選に向けて意識されたのは「23人全員の力が必要になる」(内山篤監督)ということ。両試合でコンディション不良の選手を除く全員を起用しつつ、戦備を整えた。
 
 U-18代表の基本システムはオーソドックスな4-4-2で、サイドハーフとサイドバックで両サイドを攻略しつつ、2トップがクロスから仕留めるというのが攻撃の基本的な狙いとなる。2トップは「サイドに流れたり下がったりしなくていいと言われている」(FW小川航基=桐光学園)というように、基本的にペナルティーエリアの幅の中で勝負して、「なによりもまずゴールを奪うことを求める」(内山監督)というやり方だ。
 
 逆に言うと、FWがゴールしなければ話にならない戦術という言い方もできるし、ストライカー不在を前提としないアプローチとも言える。選ばれたFWの4枚がいずれもコテコテのストライカータイプとなっているのも象徴的で、予選では「押し込む中で点を取り切る」(内山監督)ことをまず目指すこととなる。
 
 その意味で言えば、二度の準備試合でエース格の小川が磐田戦で1得点、静岡産業大戦でハットトリックと結果を出したのは頼もしい。本人の手応えも「チームとしてもいい状態だし、周りの選手が前よりも自分の動きを見て出してくれるようにもなっている。予選前に自信も付けられた」と上々の様子だった。
 予選に向けてもうひとつ意識していたポイントはプレースキックだ。「これまではむしろセットプレーでやられることが多かった」と内山監督が苦笑を浮かべたように、8月のSBSカップ、9月の中国遠征と大事なところでセットプレーから失点して勝利を逸するという試合があった。
 
 予選に向けてはセットプレーの練習に時間を割きつつ、「つまらないファウルをしないこと、(セットプレーの守りで)『自分はこれだけやっていればいいだろう』というラインを作らせないという基本的なことをもう一度徹底した」(内山監督)。
 
 結果は駒野友一、松井大輔、伊野波雅彦といった元日本代表クラスも出場した磐田に3-0、静岡産業大には終始圧倒しての5-0と結果を残した。「セットプレー含めて2試合無失点なのは大きいし、攻撃も良い形が出た」と主将のMF坂井大将(大分)が語ったとおり、好感触を残してラオスに旅立つこととなった。
 
 さらに、タイの隣国ラオスでの試合は暑さとの戦いになることも予想される。ただ、この点に関して過度の心配は要らないだろう。「(夏の酷暑の大会として知られる)クラブユース選手権を経験していますからね」とDF浦田樹(千葉)が言い切り、「夏休みに(地獄の厳しさで知られる京都橘高の)あの合宿を経験したので」とMF岩崎悠人(京都橘高)が笑い飛ばしたように、日本のU-18年代には善くも悪くも酷暑への耐性がある。特にオーストラリアに対して、暑さへの対応で後れを取ることはあるまい。

取材・文:川端暁彦