眠れない原因 (複数回答)

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製薬会社のMSDは2015年8月31日、「中高年の不眠に関する意識と実態調査」の結果を発表した。全国の40〜70代の男女8000人を対象とした調査で、7月にインターネットで行われた。

調査の結果、40代以上の55.0%が、朝まで睡眠を維持できない「睡眠維持力の低下」による不眠を自覚していると判明。不眠症状には、寝つきが悪い「入眠困難」と、夜中に目が覚める「中途覚醒」、目が覚める時間が早すぎる「早朝覚醒」の3種があるが、40代以上の約5人に1人の割合(18.1%)で、すべての症状を有していた。

「眠れない!」メカニズムの裏にある覚醒物質

不眠症状がひとつでもあると答えた人に、眠りたいのに眠れない原因について聞くと、「不安や興奮、緊張やストレス、 考え事などで眠れない」(50.8%)が最も多く、「日中、十分に活動していないため疲れておらず、眠れない」(17.6%)や「生活のリズムが不規則で眠れない」(15.7%)などは20%以下にとどまった。

このように、中高年の不眠症状がある人が、眠れない原因は「精神面」の影響が大きい。そして近年、この不安や興奮といった感情が大きく動く時に、"オレキシン"という覚醒物質の分泌が増えることが解明された。オレキシンは本来、目覚めている事が必要な時に多く分泌され、適切な覚醒状態が維持される。眠る時にはオレキシンの分泌が少なくなることで覚醒状態を維持できなくなり、自然に眠ることができる。しかし、入眠時に不安や興奮などでオレキシンが分泌され、脳が覚醒状態となってしまうことがある。その状態が続くことにより、不眠症におちいりやすくなっていると指摘されている。

そこで、オレキシンの覚醒作用をブロックすることで、眠りたいときの過度な脳の覚醒状態を抑える治療薬として、2014年に「ベルソムラ」(一般名:スボレキサント)が登場した。ベルソムラは「寝つき」と「睡眠の持続」の両方に効果が期待されているが、日本睡眠学会理事長の伊藤洋教授(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター院長)は、

「不眠症治療薬における治療は、漫然と治療薬を服用するのではなく、出口を見据えた治療が基本です」

とコメントし、服薬中の場合には主治医と相談の上、自身の症状に合った治療を選ぶようすすめている。