Doctors Me(ドクターズミー)- 移動する腹部の痛み…これって「盲腸」かも!?

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あなたの身の回りで、盲腸の経験がある人はいますか? 盲腸は医学的には虫垂炎と呼ばれます。

虫垂炎は受診したその日のうちに手術を受けることが少なくない、病状の進行がとても早い病気です。今回はこの虫垂炎について、医師に聞いたお話をお伝えします。

虫垂炎の症状

最初はみぞおちが痛むことが多く、そのあと、右の下腹部へ痛みが移動するのが典型的な症状(中には最初から右の下腹部に痛みがある、というかたもいます)。

痛むところを押したときと、手を離したときで、手を離した方が痛みが強ければ、虫垂炎である可能性大です!

【その他の虫垂炎の症状】
・吐き気や嘔吐を感じる
・発熱(炎症性疾患のため。多くは37℃台)

病状が進み、腹膜に炎症の影響がおよぶと、腹膜刺激症状があらわれます。 腹膜刺激症状が起こると歩行時に背筋を伸ばして歩く事が難しくなったり、触診で「デファンス」(圧迫すると板のように堅く感じる、腹壁の緊張)という所見が認められます。

虫垂炎になりやすい人とは?

・虫垂の長い人
・両親や兄弟に虫垂炎の人
・ 妊婦の方(大きくなった子宮が虫垂を圧迫しやすいため)

虫垂炎の原因は?

急性腹症の中でも多い疾患ですが、虫垂炎に起きる原因は実はよく分かっていません。

硬い便が虫垂につまって起こる糞石虫垂炎は原因がはっきりしていますが、その他は原因が不明です。便秘が続いて虫垂が圧迫され虫垂炎が起こる、ストレスで起こるなど、いろいろな説があります。

子どもの虫垂炎には要注意!

虫垂炎は10歳代にもっとも多くみられますが、それよりも下の年代の子どもは、症状をうまく伝えることができず、 受診時には虫垂炎が進行し、せん孔(すでに虫垂が破れている)の例が多いようです。 4歳未満の虫垂炎の70%がせん孔を起こすともいわれています。

せん孔が起きると腹膜炎を起こすため、さらに重症に…!子どもの場合は特に進行が早いため、上腹部痛が出てから半日以内の手術が必要といわれます。

【虫垂炎の子どもの特徴】
・いつもよりぐったりしている
・歩く時に右下腹部を押さえる
・背筋をまっすぐにできない

子どもにこんな症状がある場合は、早めに医療機関を受診させましょう。

虫垂炎の治療

基本は虫垂切除術です。

初期のカタル性虫垂炎(虫垂にのみ炎症が起きていて、腹膜や近隣の組織に炎症が波及していない)のみ、 抗生剤の点滴で、経過観察となる場合があります。しかし、虫垂は膜が薄い臓器のため、周りの組織に炎症の波及する蜂窩織炎を起こしやすく、保存的加療になることはまれです。

【医師からのアドバイス】

認知度の高い虫垂炎ですが、症状があらわれてから処置までの時間がかかるとせん孔をきたし、腹膜炎を合併します。 早めの受診が大切です。

いつもと違う腹痛を感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。

(監修:Doctors Me 医師)