シリアとの大一番でギャンブルに出る可能性は低い。ハリルホジッチ監督は、信頼する“いつものメンバー”を送り出すはずだ。

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 9月の連戦でカンボジアとアフガニスタンを破り、ひとまずは”アジアの強豪”としての面目を保った日本代表が、10月8日にロシア・ワールドカップアジア2次予選のシリア戦、同13日に親善試合のイラン戦を迎える。注目はグループE・1位との直接対決となるシリア戦。政情不安のため、中立国のオマーンでの開催となる一戦は、日本にとって負けの許されない大一番だ。
 
 ロシア・ワールドカップのアジア2次予選は、各グループ(A〜H)の1位に加えて、同2位の8か国のなかで上位4チームが最終予選に進める。つまり、日本が無条件で最終予選に進出するためには、グループEで1位になるしかない。
 
 仮にシリアに敗れるようだと、この1位通過が極めて難しくなる。現在、2位・日本とシリアの勝点差は2。これが勝点差5まで開いた場合、2次予選最終節のホームゲームで勝ったとしても、シリアがどこかで星を落とさない限り逆転は不可能だ。
 
 シリアは、ここまでシンガポール、アフガニスタン、そしてカンボジアにいずれも勝利しており、残り試合でも星を落とすとは考え難い。日本は是が非でも、今回の直接対決で叩かなければならない相手なのである。
 
 これまでの予選で、カンボジアやアフガニスタンといった明らかな格下相手にも、欧州組を招集してきたハリルホジッチ監督は、間違いなくこの試合にもベストメンバーを招集するだろう。CFには岡崎慎司、2列目には香川真司や本田圭佑。ボランチに長谷部誠、最終ラインには長友佑都や吉田麻也といった具合に、常連たちが名を連ねるはずだ。
 
 もっとも、勝利がほしいハリルホジッチ監督は、奥の手を用意するかもしれない。スコアレスドローに終わったシンガポール戦のように、日本代表はゴール前を固められた時に手詰まりになりがちだ。その際の特効薬として、指揮官が熱望する「パワーや高さ」を備えた人材を呼ぶ可能性が浮上している。
 候補者として挙げられるのは、デンハーグのハーフナー・マイク、名古屋の川又堅碁あたりだろう。ハーフナーは今季移籍したオランダの新天地でチームトップの3ゴールを決めており、極めて状態が良い。一方の川又は東アジアカップのパフォーマンスで見切られた感もあるが、選択肢には入っているはずだ。
 
 このふたりはいずれも、地上戦を得意とする香川や本田とのコンビネーションに不安を残しているが、終盤のパワープレー要員としてなら大きな問題にはならない。仮に連係を重視するのであれば、ポストプレーも柔軟にこなすケルンの大迫勇也に再び声がかかるかもしれない。
 
 CF以外のポジションで注目すべきは、2列目の人材か。9月のカンボジア戦でスタメン出場したヘルタ・ベルリンの原口元気はもちろん、他にも所属クラブで調子を上げている選手は多い。例えば、ハノーファーの清武弘嗣だ。
 
 8月末に右足中足骨の手術から復帰すると、すぐさまレギュラーを獲得。先日の7節・ヴォルフスブルク戦では、胸トラップから鮮やかなボレーを叩き込み、連敗ストップの立役者になった。この活躍に『ビルト』紙は最高点の1を付けている。まだコンディションは万全とは言えないが、違いを生み出す彼のプレーは、日本代表でも重要なオプションになるだろう。
 
 トップ下のライバルである香川は、所属クラブではまずまずのプレーを見せているものの、日本代表に限って言えば、安定してそのポテンシャルを発揮できているわけではない。この背番号10の尻を叩く意味でも、清武をテストしてみるべきではないか。
 
 また、立ち上げ以来、継続して呼ばれている永井の負傷離脱もポイントのひとつ。このスピードスターの代役として、広島の浅野拓磨や川崎の小林悠といったJリーグで結果を残すアタッカーたちに声がかかるかもしれない。