米ツアーの2014−2015年シーズン最終戦となるツアー選手権(9月24日〜27日)が、ジョージア州のイーストレークGC(パー70)で開催された。

 フェデックスポイント(米ツアーの各試合の順位によって与えられるポイント)上位30名(※)だけで争われる"年間王者決定戦"。頂点に立ったのは、通算9アンダーのジョーダン・スピース(22歳/アメリカ)だった。今季、マスターズ、全米オープンとメジャー大会を2連勝するなど大躍進を遂げた若き新鋭が、シーズン最後のビッグタイトルも獲得。同時に年間王者(フェデックスカップ王者)にも輝くと、ボーナス賞金1000万ドル(約12億円)を手にし、世界ランキングも1位に返り咲いて、名実ともに現代の世界ゴルフ界の"顔"となった。
※今年のツアー選手権は、ジム・フューリック(45歳/アメリカ)が負傷で欠場し、ルイ・ウェストヘーゼン(32歳/南アフリカ)が大会初日に棄権して28名で行なわれた。

 一方、昨季に続いて、今季もこの最終戦まで駒を進めた注目の松山英樹(23歳)は、通算イーブンパーで12位タイに終わった。

 初日は、5バーディー、4ボギーの「69」。1アンダー、11位タイとまずまずのスタートを切った。

「自分の(ゴルフの)内容には納得がいっていませんが、バーディーチャンスを多く作ることができて、それを決めることができたので、いいラウンドだったと思います。ただ、ショットやパットは、良かったり、悪かったりの繰り返し。すべてにおいて、半信半疑で打っている部分がある。ショットも、パットも、アプローチも、しっかりと自信を持って打てるようにしていきたい。それができれば、スコアもついてくると思う」

 2日目、3日目は雨に見舞われた。厳しいコンディションの中、松山は2日目こそスコアをふたつ落としたものの、3日目は「69」とひとつスコアを戻して、イーブンパーの10位タイ。首位のJ・スピースとは8打差も、3位タイの選手とは4打差と、上位を狙える位置に踏みとどまった。

「2日目は(雨で)下が重くなったという感じはなかったけれども、ティーショットのボールが行く場所によっては、(2打目は)グリーンに向かって打つのがやっと、という状況でした。3日目は(芝が重くなって難しいコンディションだった分)やはりセカンドの距離がずっと長く残っていたので、本当にしんどい一日でした。それでも、難しいのはみんな一緒ですから、そこで自分も崩れないことが大事。(3日目は)そういうプレーができてよかった。あと、(ショットの)いいところ、悪いところがわかってきた。そこは、いい兆しかな、と思う。そうした状況で注意したいのは、『バーディーチャンスにつけたい』といった欲が出てくること。そうすると、すぐにスイングがダメになってくるので、そういう欲をあまり出さないでプレーしていきたいと思います」

 迎えた最終日、松山はイーブンパーの「70」でラウンド。4日間トータルでもイーブンパーとして、順位は12位タイと上位進出はならなかった。それでも、松山の表情は意外とすっきりしていた。

「後半は少し残念なところがありましたけど、いいプレーも随分できていた。まあ(自分の)いい部分も、悪い部分も出て、そういう意味ではいい形で(今季)終えられたのかな、と。課題も見つかって、悪い部分もよくなりつつありますし、自分の中では手応えを感じるものが得られた。それら、ちょっとしたことをもっと練習していって、さらに(プレーの)ひとつひとつの精度をさらに上げていければ、これから優勝争いにも絡んでいけるのかな、と思います」

 米ツアー本格参戦2年目の今季、勝利は飾れなかったものの、松山はトップ10フィニッシュが9回(昨季は4回)、獲得賞金は375万ドル(約4億5000万円)に達して、賞金ランキングは15位(昨季は27位)と、昨季以上の成績を収めた。そんな今季を振り返った際も、松山は先を見据えて、前向きに語った。

「(今季は)いい意味でも、悪い意味でも『普通だった』って感じがする。そうした中、やはり優勝を目指しているので、それがなかったのは残念。優勝に手が届かなかったのは、何が足りなかったのか、優勝するためには何が必要なのか、これからしっかりと考えをまとめて、来シーズンにつなげていきたい。

 ともあれ、勝てなかったのは残念ですが、(自分の中で)いいモノは見つけられた。昨年の今頃は(勝つために)何をすればいいのか、まったくわからなかった。技術的にもそう。でも、今季はシーズンの最後のほうになってきて、それがわかってきた。バーディーをどんどん取っていかなければいけないと思うし、(勝つために必要な)いろいろな課題が見つかった。そういういい兆しがあるので、来季に向けてしっかりと仕上げていきたい」

 今季は大きなケガもなく、「(昨年に比べて)技術的にはだいぶよくなっている」と語った松山。肉体的にも、技術的にも、この2年で着実に進歩しているのは間違いない。そのうえで、どうすれば結果を出せるのか、優勝するには何が必要なのか、松山にはそれがはっきりとわかったようだ。

 10月15日から早くも新シーズンが幕を開ける。松山の"3年目の飛躍"へ、期待は膨らむばかりだ。

武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko text by Sportiva