カカオ栽培からキットカットが手元に届くまでを逆再生でたどる動画

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ウエハースをチョコレートでコーティングした菓子、「キットカット」を製造するネスレ日本(神戸市)は2015年9月から、チョコレートの原料であるカカオ栽培からキットカットが手元に届くまでを"逆回転"で再生する動画をYouTube(ユーチューブ)で公開している。世界で最も生産量の多いアフリカのカカオ農園では、カカオの木の高齢化や病気による品質や収穫量の低下などで、将来に向けたカカオの安定供給に関し、課題に直面している。「製品」から「原料」までを動画でたどることで、消費者にそれらの課題を知ってほしいという狙いがある。

09年、農家支援の「ネスレ カカオプラン」スタート

動画のタイトルは「発見!おいしい'キットカット'はどこからやってきた!?〜逆再生動画〜」。おいしいチョコレートを持続的に消費者のもとへ届けていくことを目的とした「ネスレカカオプラン」の一環で制作された。

世界人口の増加や新興国の急成長などによりチョコレートの需要は増える一方だが、アジアやアフリカ、南米などのカカオ生産国では木の高齢化や病気による枯れなどにより、将来にわたり高品質のカカオ豆が十分に収穫できなくなる懸念があるという。チョコレートの価格が高騰し手に入りにくくなる可能性もある。

こうした状況を受けてネスレは09年から「ネスレ カカオプラン」を開始。カカオの木の高齢化が進む農園に、病気に強く、高品質のカカオがたくさん実る苗木の提供や、効果の高いカカオ栽培の知識や技術を提供するトレーニングの実施、さらには水環境や道路の整備、品質に見合った価格での買い取りなどを通じて、カカオ農家が健やかに生活でき、カカオの栽培を継続できるよう支援している。

UTZ認証ラベル導入完了

ネスレ日本は、同プランの本格的な取り組みを14年から開始。動画「発見!おいしい'キットカット'は...」ではプランを分かりやすく伝えながら、キットカットがどのように作られ、消費者の手元に届くのか、その過程をカカオ原産国までさかのぼる。そのなかで農家が抱える課題を指摘、消費者にできることが紹介される。

同プランのもとで栽培されたカカオは、持続可能な農業を支援する国際認証プログラム「UTZ Certified」により認証を受けており、15年9月すべてのキットカットに「UTZ 認証ラベル」の導入が完了した。適正な農業実践と農園管理、安全で健全な労働条件、環境保護、児童労働撤廃への取り組みの基準をすべて満たして初めて認証されるもので、ネスレ日本によると「国内の大手メーカーでトップブランド全製品に導入するのは初の試み」だという。